北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

男の料理で生涯学習

2012-04-03 18:44:43 | Weblog
 先日、自ら撃ったエゾシカの肉をくれた知人のハンターから声をかけられました。

「この間あげた鹿肉、どうでした?」
「すみません、まだ食べていないんです。ブロックが大きくて切らないまま冷凍してあるんですが、一人だと一度にこんなに食べられないし、毎回焼くだけというのもなんだか飽きそうだし、どうしたものかと思っていました」

「なんだ、切らないで冷凍しちゃったの?そりゃ大変だ。でもこちらもわざわざ切ってあげるわけにもいかないしね」
「野生鳥獣を狩猟した肉をジビエ(gibier[仏])と言って欧米では贅沢な楽しみと言われていると聞きますが、北海道ではまだまだ身近で一般的ではないようですね」

「いやほんと、ジビエって食べるのが結構大変でしょう。それに内地に比べると北海道はジビエに対する日ごろの関心が薄いですよね。内地の方は農地によくイノシシが出てきて獲るし、農家が自家用に鳥や豚を飼っている人がいたりして、日常生活の中に鳥獣の肉が北海道よりは入っている感じがしますよ。北海道の人はスーパーで売っている肉じゃないと安心して食べられない、という人が多いのじゃないでしょうか」

 口でジビエを唱えても、自分自身の日常生活に当たり前に入ってくるにはまだ時間がかかりそうです。

 エゾシカのハンターさんたちにも頑張ってもらって、日常生活に鹿肉が取り込まれるようになると良いですね。



   ※    ※    ※    ※    ※



 四月の人事異動で、釧路市内でありながら自宅からの距離が遠いために単身赴任となる方と話をしました。

 聞けば、本庁舎での会合もあることから、週の半分は現地で過ごして半分は自宅へ泊るという生活になるかなあ、というイメージなんだとか。

「食事はどうします?単身赴任の経験なんて無いでしょう?」
「学生のときに一人で過ごして以来ですね。食事はまあ適当に外食かコンビニで済ましますよ」  

「それはもったいない、。食事と料理を考える絶好の機会を逃しますよ。それに決まった範囲での食事はやがて飽きてきますからね」





  ☆    ☆    ☆    ☆


 最初は珍しくて美味しく感じられたものでも、快適な刺激は繰り返されることでやがて効果が減少して行きます。これを心理学では「心的飽和」と言って、要は「飽きる」ということ。

 これに対して、不快な刺激でも繰り返されることで不快感はしだいに大したことがなくなって行きます。これを心理学では「馴化」と言って、つまりは「慣れる」ということ。

 いつも料理を作ってくれる妻のことを考えても、食事は日々のことで、いかに飽きさせずに献立を作るかは実に創造的でしかも料理というのはスキルフルな仕事です。

 折角ならば、単身赴任の時間とチャンスを活かして、奥様への感謝も込めて手料理を作れるようになると、人生の幅はもっと広がると思うのですがいかがでしょうか。

 ただし、ひとたび料理の世界を味わって困ることが一つ。それは『調理道具が増える』こと。

 良い道具は作業を劇的に楽にするので実に魅力的。油断するとどんどん増えてしまいますからね。

 さて、冒頭のジビエの肉も、調理方法をネットなどで情報収集して、飽きないように豊かな食生活を工夫してみたいもの。

 これもまた食生活という生涯学習でありますぞ。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする