北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

観察眼を持て!

2012-04-24 23:45:35 | Weblog
 「『艱難よく知る代官は皆北道の訛りあり』あなたも北海道生まれなんでしょ?」

 この素敵な言葉を教えてくれたのは、地元釧路で弁護士を営む大先輩のAさんです。

 Aさんは弁護士としての力もさることながら、会話の端々にふと教養がにじみ出るような話をされるのでとても尊敬できる方なのです。

 今日はある会合で久しぶりにAさんとお会いして、また話が弾みました。

「お久しぶりです。私は未だに『艱難よく知る…』の教えが強烈で覚えているんですよ」
「ははは、あなたも好きだね」

「ところで、ネットで調べても出てこないようなこんなフレーズを一体どなたから教わったのですか?」
「ん?誰からかって?それはね陸軍中野学校を卒業した弁護士の先輩さ」

「ははあ、中野学校ですか。入学するのも大変と聞きましたが」
「その入学試験の話というのが面白いんですよ。先輩から聞かされた話では、面接のときに訊かれたのが、『君、君が今着ている服にポケットはいくつある?』というものだったそうですよ」
「服のポケットの数?」

「そう、それを答えたら今度は、『君は今日地下鉄で来たのか?上った階段の段数はいくつだ?』と訊かれたそうですよ」
「へえ…、それって中野学校とどういう関係があるんですか?」

「それはねえ、世の中で大切なのは観察力だ、ということらしい。うすぼんやりと世の中を見ていてはいけない、常に(これはなんだろう)という気持ちを持ち続けていなくちゃいけないんだそうだよ」
「なるほど、それはそれで一理ありそうです」

「その方にいろいろと教わった中では、『結婚した後でも一日一枚くらい花でも風景でもスケッチをするのがよい。そうすると弁護士に必要な観察眼が養われる』というのが印象的でしたね。その後スケッチを描くようなことはなかったけれど、観察眼を持てという言葉だけは覚えていますね」





    ※     ※     ※     ※     ※


 異常なほどの観察眼を、それも絵を描けるくらいの観察眼を持て、というのは印象的なアドバイスです。 

 単なる好奇心を超えて、それを描けるくらいに自分の中に取り込めというのですから。

 「生ききる」という単語を使っている方がいました。

 人生をもっと真剣に生きて生きて、もうこれ以上ないというくらい徹底的に生きることを「生ききる」という意味に使っていたのです。

 人生への真剣みという意味で、観察眼の話にどこか通じるものがあるかもしれません。


 まだまだ「生ききる」というところまでは行かないことにちょっと反省です。

 


    ※     ※     ※     ※     ※

 『艱難よく知る代官は…』に関するブログはこちら
  《北の心の開拓記[釧路編]2011-6-24 『オヤジの含蓄』 http://bit.ly/lBOJrz
コメント
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