北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

コミュニティハウス冬月荘の役割

2012-04-16 23:45:18 | Weblog
 道内某市から知人の市会議員が、釧路の行政を勉強したいとして訪ねて来ました。

 釧路が課題最先端で伝えられるテーマとして、今回は『市民後見人制度』と生活保護からの脱却を図る『自立支援プログラム』を紹介。

 机上の説明を終えてからは私も一緒に『コミュニティハウス冬月荘』を案内しました。

 冬月荘は企業の社員寮をNPO法人地域生活支援ネットワークサロンが買い取って、再利用しているもので、活動を始めてから五年が経過しています。

 こちらの活動としては、生活保護家庭の子供たちへの学習支援がよく知られていますが、実は学習支援はほんの一面でその本質は、子供たちの安心できる居場所づくりと多様な大人たちとのつながりの場なのだ、と言います。

 福祉や支援も、制度が先にあって支援をする人と受ける人、それらをつなぐ場がなかなか結びつかないのも現実。

 冬月荘では、先に課題を解決する場としてできたのではなく、まず場を作って、そこで起きることを解決してゆく過程で様々なことが見えてきたといいます。




 
 ここ冬月荘のコンセプトは二つ。

 一つ目は「福祉のユニバーサル化」ですが、これはしばしば福祉政策が対象者を縦割りにしているのを、あらゆる地域の課題を対象にする場としました。

 そのことで、高齢者には高齢者福祉、障碍者にはしょうがい者福祉という、対象者と福祉サービスのセットという縦割りを超え、対象者を限定せずに多様で異質な人たちの集団ができあがります。

 特養老人ホームには自立が難しいお年寄りばかりが集められますが、ここには障害も多様で大人から子供まで多様な人たちが集うのです。

 もう一つのコンセプトは「循環型地域福祉の実現」ということで、これは福祉を「支援する側」と「支援される側」という分け方ではなく、誰もが互いにあるときは支援したり、あるときは支援されたりという両方の役割を果たす場としました。

 このことで、『支援が循環する』ということが果たされるのです。

 
    ※     ※     ※     ※     ※


 ここ冬月荘には、集う場として通ってくる人たちもいれば、一時避難として住み込んでいる人もいます。

 世の中にはさまざまな事情があって救いの手の差し伸べ方もさまざまだということが分かります。

 今日来た議員さんたちも、自分たちの市の福祉行政を再度見つめ直すきっかけになったようです。


 課題先進都市は課題解決先進都市として情報発信を続けてゆきたいものです。


 
コメント
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