健康サポーター H&S

心も身体も健康に生きたい。みんなで生き生きしましょ。

一緒につくる「音楽」の時

2009-01-04 09:55:24 | ボランティア
こんにちは、健康サポーターH&Sです。

父がお世話になっている老人保健施設でのお昼時。

配膳を待つ入所者を見ると、居眠りしているように目を閉じている人、ある一点をずっと見ているような人、手でテーブルをコツコツ叩いている人、脚をゆすっている人、職員を呼び続けている人、様々です。お隣さんとのおしゃべりや笑顔がありません。

昼食後トイレ誘導が済むと、大きなテレビの近くに集まってきて(「連れて来られて」が正しいかも)ぼんやり画面に目をやっています。

テレビのすぐ隣にピアノがあります。
「皆様、ピアノを弾かせていただいてもいいですか。」
「…」(「いい」とも「ダメ」ともお返事なし)
職員がテレビを消しても集まっている人たちに何ら変化はありません。

「お正月」のメロディーが始まると背中をむけてソファに掛けていた男性が立ち上がりました。

目があったので弾きながら会釈しましたが、これといった反応はなし。

「ピアノの音がうるさかったのかな。」と心配になりながらも続けていると、今度はピアノが見える場所に腰を下ろされました。

ホッ

「たきび」「雪」「かあさんの歌」「富士山」「ふるさと」と続くうちに歌声があちらこちらから聞こえてきました。

歌詞カードをお渡ししたら歌声は一段と大きくなってきました。手拍子も始まりました。

そのうちリクエストも出てきました。「北国の春」は2度も。

「いい歌だねえ」「この曲はだいぶ古いんでしょ」「誰が歌ってたっけ?」「そうそう」、… おしゃべりも出るようになって、私もそれらに応えるようにことばを増やしていきました。

一曲終わって皆さんの方を振り返る毎に、無表情が、穏やかに、和やかに、楽しげに変わっていき、笑顔が溢れました。私が弾き終わってもなお歌い続けている方がいるのに気づき、あわてて伴奏を再開することも。

まだ弾いていない曲が残っていましたが、おいとまする時が来て、この日は「夕焼け小焼け」でお別れしました。

出口まで来て、「いいお正月になった。ありがとう。」とお礼を言って見送って下さる方も。

歌の最中、どこからか「うるさい」という声が耳に入ってきて気にかかりましたが、同席していた母によると、歌いたいのに隣りの方が話しかけてくるのでそう言った人がいたことがわかり、安心しました。

伴奏者と歌う人が対話しながら楽しい音楽の時間を一緒に作っていくのが私の理想。そのスタイルが私自身一番喜びを感じられることを実感しました。

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