父がお世話になっている老人保健施設で月に1度開かれる「喫茶わかば」のある日。
午前9時30分開始と、ちょっと早いので、ラジオ体操はお休みして出発しました。
戸塚駅で降りてバスが出るまで5分あったのですが、JRに遅れが出てバスに間に合わず。もっと余裕をみておくべきでした。
施設の近くを通るバスは1時間に1本。しかたなく、やや離れたバス停を経由する別のバスに乗り、なんとか時間に間に合いました。
ピアノはすでに喫茶コーナーの近くに移動してありました。
指のウォーミングアップも兼ねて、いつものように季節の曲から始めます。
「朧月夜」、「みかんの花咲く丘」、「茶摘み」
「浜辺の歌」、「見上げてごらん夜の星を」、「山のロザリア」、「琵琶湖周航の歌」
ゆるやかなテンポの曲が続いた後に「高原列車は行く」を弾いたら、終わった時にあちこちから拍手が。Thank you!
その後も「切手のないおくりもの」、「さざんかの宿」と、快調にとばし、喫茶も賑わいを増してきました。
職員の方が利用者からのリクエストカードを持って来てくれました。
「北上夜曲」、「北国の春」、「きよしのズンドコ節」、「四季の歌」、「千の風になって」
これらにはお応えすることができましたが、「一杯のコーヒーから」は譜面がなく、また「エリーゼのために」、「トルコ行進曲」のようなクラッシック曲、1940年代~1950年代のジャズ、というリクエストは、宿題にさせていただきました。「川の流れのように」を弾いたら、美空ひばりの曲をもっと聴きたいと言われ、宿題がさらに追加。こりゃ大変!
笑顔、拍手、涙。受付から「満員御礼ね。」の声。
この日も素敵なひとときを過ごさせていただきました。最後の曲が終わってピアノのふたを閉じようとする頃、車椅子の男性が職員の方に付き添われて近づいてきました。
「お礼が言いたいそうです。ね、そうよね。」と男性をのぞきこむようにして声をかける職員。笑顔で大きくうなずくとそのあと泣き顔になってしまいました。おっと、私もウルッときてしまいました。