健康サポーター H&S

心も身体も健康に生きたい。みんなで生き生きしましょ。

いろいろな睡眠

2006-09-04 09:17:45 | 睡眠
こんにちは。健康サポーターH&Sです。

あなたは何歳ですか?
あなたは男性ですか、女性ですか?
あなたの暮らしている社会にはどのような文化がありますか?
あなたが暮らしている国にはどのような季節がありますか?

これらの違いが「睡眠の多様性」を生んでいます。

1.年齢による違い

生まれて間もない赤ちゃんは、ご存知のように昼夜に渡って睡眠・覚醒を小刻みに繰り返します。

幼児期は徐々に昼寝が減っていき、次第に「ノンレム睡眠」「レム睡眠」のリズムができてきます。
また深いノンレム睡眠が多く現れます。

思春期から成人期にかけては通学や通勤などで社会的規制を多く受けることにより、睡眠時間が短くなる傾向があります。
この時期も深いノンレム睡眠が多いです。

中高年になると睡眠の質が悪くなってきます。
就寝時刻が極端に早くなって夜明け前に目覚めてしまったり
深いノンレム睡眠が減ったり
夜中に何度も目覚めてしまったり
いったん目覚めたらその後眠れないまま、夜明けを迎えてしまったり
昼間うとうとしてしまったり。
(「眠らなきゃ!」と思わない方がいいそうです。朝から仕事がある時はそうもいきませんが。)

2.男女の違い

男性は睡眠時の呼吸機能が弱いので眠っている時の呼吸障害が起こりやすく、年齢を通して平均すると、
女性より男性の方が睡眠の質は良くありません。

・新生児突然死症候群が男児に多い。
・睡眠時無呼吸症候群が中高年男性に多い。

とはいえ、女性も

・赤ちゃんが小刻みな睡眠・覚醒を繰り返している間良い睡眠がとれない。
・更年期以後は男性より不眠を訴える傾向が強い。

このような傾向が見られます。

3.社会の文化による違い

眠りは生理的な欲求より文化的拘束面が優先する。

私たちには自宅ではともかく、学校や職場での居眠りは「悪い」という意識があります。

(スペインでは「シエスタ」と呼ばれる昼食後の「お昼寝タイム」が何時間もとられているそうです。
 日本とは違いますね。
 最近の新聞によればシエスタの時間が長すぎるという指摘もあるそうですが。)

4.季節による違い

私たちは四季のある日本に暮らしています。

日本人の睡眠は盛夏の7~8月に短めで、晩秋から初冬の11~12月に長くなる傾向があります。
また、冬は早く寝て遅く起きる。夏は遅く寝て早く起きる。昼寝は夏に多い。

冬睡眠時間が長くなり、食欲が増して体重が増え、人付き合いが減って、身体を動かすのがおっくうになる
「季節性感情障害」と呼ばれるものがあります。
一般の人にもこれに似た行動や感情の季節変化が認められており、「冬眠」との関連が考えられています。
(人間が冬眠?)

※本日のブログは日本睡眠学会ホームページ「初心者のための睡眠の基礎と臨床」をもとに執筆しました。







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「メラトニン」

2006-09-01 10:46:27 | 睡眠
こんにちは。健康サポーターH&Sです。

夕べ床につく時には扇風機の風が心地よかったのに夜中寒くて目が覚めました。
きょうは少し冷たい雨です。

ところで、メラトニンというホルモンをご存知ですか。

性腺発達抑制ホルモンとして知られていますが、
「睡眠ホルモン」とも呼ばれるくらい、睡眠にも深い関わりを持っています。

身体が夜と認識する時間に多く分泌され、昼と認識する時間にはほぼなくなります。

良い睡眠のためには夜しっかりメラトニンが分泌されることが大切だということが分かってきました。

メラトニンは「光」と深い関係があります。

・夜間のメラトニン分泌は、日中午後3時間以上外の光を浴びると多くなる。
・夜間のメラトニン分泌は、150ルクス程度の夜間照明のもとでも抑制されてしまう。

 (150ルクスはやや明るい部屋の明るさです。
  日中はよく光を浴びて、お休み前は照明を暗くしましょう。)

メラトニンは「深部体温」とも深い関係があります。

・メラトニンは私たちが眠りに入る時、深部体温を下げる働きをする。

 (眠りに入る時に深部体温が下がることはすでにお伝えしました。
  私たちが眠りに入りやすいよう、一役買ってくれているのですね。)

またメラトニンには光同様、生体リズムを約25時間から24時間にリセットする働きもあります。

睡眠・覚醒リズムの障害の治療としてメラトニン投与が有効という報告もあります。

メラトニン様、お世話になります。

※本日のブログは以下の資料をもとに執筆しました。
 日本睡眠学会ホームページ:「初心者のための睡眠の基礎と臨床」
 花王芸術・科学財団ホームページ:文理融合シンポジウム「社会の中の睡眠」

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「深部体温」

2006-08-31 10:13:12 | 睡眠
こんにちは。健康サポーターH&Sです。

きのう「深部体温」について少しふれました。
私たちの「深部体温」は明け方4時頃最も低く、夕方5時頃最も高い。

きょうはその「深部体温」と「眠りに入る時」の関係についてです。

私たちは「深部体温」が下がっていってあるレベルになったところで眠りに入ります。

赤ちゃんが昼寝に入る前に手や足に触れると温かくなっているのにお気づきの方も多いでしょう。
血管が拡張して皮膚が温かくなり表面から熱が放散されることによって
「深部体温」が下がっていっているからなのです。

冷え症の場合は入眠時、皮膚の表面からの体温の発散が悪いので皮膚表面が冷たくて体熱が放散されない。
(だから「深部体温」が下がりにくく、なかなか寝つけないのですね。)

(※5本の足の指の間に5本の手の指をそれぞれ入れて、ギュッとすると温かくなってきますよ。
 ちょっと痛いですが)

また就寝前に熱いお風呂に入ると「深部体温」が上がります。
元の状態に戻り、さらに寝つけるレベルまで下がるのに時間がかかっていしまいます。

(※あつ湯は避けましょう。)

「深部体温」が「眠りに入る時」のレベルに向かっている時、
副交感神経の働きが急激に高まる一方、交感神経の活動状態が下がっていきます。

睡眠中は副交感神経の働きが優位になります。

「深部体温」が「眠りから出る時」のレベルに向かっている時はその反対のことが起こっています。

(「眠りの出入時」を決める「深部体温」になった時というのは
交感神経と副交感神経の交代式が行われている時なのですね。)

※本日のブログは花王芸術・科学財団のホームページに掲載された文理融合シンポジウム「社会の中の睡眠」(平成15年1月25日)での白川修一郎氏の講演内容をもとに執筆しました。




コメント (1)
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「サーカディアンリズム」と生活リズム

2006-08-30 08:06:20 | 睡眠
こんにちは。健康サポーターH&Sです。

きょうは約25時間周期を持つ「サーカディアンリズム」と24時間周期の私たちの生活リズムを
どのようにして同調させているかについてです。

両方のリズムを同調させる役割を担っている因子は「同調因子」と呼ばれ、次の4つがあります。

 (影響力の強い順に) 光 > 社会的規制 > 食事 = 運動

1.光
 
私たちの深部体温は1日の中で周期的に変化しています。

午前4時頃が最も低く、それから徐々に上がっていき、午後5時頃最も高くなります。
(高齢者になるとこのリズムが少し前にずれる傾向がありますが。)
そしてまた明け方に向かって下がっていく。

深部体温が最も下がる時刻から少し後で2,500ルクス以上の光を浴びると
マスタークロック(主たる生物時計)のリズムが前に動きます。

ということは

朝日を浴びることで身体のリズムを25時間から24時間にリセットすることができる。

一方、深部体温が最も下がる時刻から少し前に同様の光を浴びるとマスタークロックのリズムは後ろに動きます。

ということは

深夜に明るい照明の下で起きているとリセットできないばかりでなく「サーカディアンリズム」を後退させてしまう。

ちなみに光は2,500ルクス以上であればよいので、
曇りの日もOK(5,000ルクスあるそうです)、窓際1m以内の所でもOKだそうです。

2.社会的規制

朝起きて、日中勉強したり仕事をしたり遊んだりして活動し、夜には活動を終了して眠る。
このように日常生活の中である一定の時間帯に起きているということが
「サーカディアンリズム」を規制しています。

だから不規則な勤務、夜間・深夜の仕事はリズムを崩してしまいます。

3.食事

同調因子としての食事で重要なのは、朝食と夕食のタイミング。「規則正しい食生活」です。

4.運動

深部体温が最も高い時に運動すると生体リズムの振幅を強化できることがわかってきています。

ということは

午後5時頃に運動すると、「夜はよく眠り、昼間は活動的」というメリハリのある生活ができるということになるでしょうか。

※本日のブログは日本睡眠学会ホームページ掲載の「初心者のための睡眠の基礎と臨床」をもとに執筆しました。



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「生体リズム」

2006-08-29 10:41:35 | 睡眠
こんにちは。健康サポーターH&Sです。

きのうは「ノンレム睡眠」「レム睡眠」という睡眠のメカニズムについて私が学んだことをお伝えしました。
きょうは「生体リズム」についてお伝えします。

私たちの身体には「生体リズム」による周期的な変動が現れます。

「ウルトラディアンリズム」(周期20時間未満)
 例:レム・ノンレム睡眠周期、周期的な胃の収縮運動
「サーカディアンリズム」(周期20~28時間)
 例:睡眠・覚醒周期、体温・心拍数・血圧の自律神経活動の周期
「インフラディアンリズム」(周期28時間を越える)
 例:月経周期

「サーカディアンリズム」についてもう少し…

私たちはこのリズムを作り出すいくつもの生物時計を持っています。
「マスタークロック」が視床下部の視交叉上核にあるほか、
睡眠・覚醒リズムの時計、深部体温リズムの時計、ホルモン分泌の時計、等々。
これらがうまく同調することで「サーカディアンリズム」が正常に働いています。

ところで人間の「サーカディアンリズム」は約25時間の周期を示します。
1日は24時間ですから睡眠・覚醒周期に当てはめると、いつしか昼間に眠っている時が来ることになります。
でも私たちはたいてい昼間起きて夜眠っている。

約25時間の「サーカディアンリズム」をどのようにして24時間という「生活リズム」に合わせているのでしょうか?

明日に続きます。

※本日のブログは日本睡眠学会ホームページ掲載の「初心者のための睡眠の基礎と臨床」をもとに執筆しました。
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「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」

2006-08-28 16:07:33 | 睡眠
こんにちは。健康サポーターH&Sです。

この夏、よい睡眠はとれましたか?

私たちの睡眠は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」から成っていて
これらの眠りが約1.5時間の単位を作っているということはよく聞きます。

これらはどのような睡眠なのでしょうか。

「レム睡眠」のレムはREM。"rapid eye movement"(急速眼球運動)の頭文字をつなげたものです。
急速眼球運動とは、閉じたまぶたの下で眼球がきょろきょろ動くことを指します。

大脳皮質があまり発達していなかった変温動物が身体を休ませることを主目的にした休息法を基本としています。

生物が進化して大脳の発達した恒温動物が誕生すると
体温を下げてエネルギーを節約したり大脳機能を低下させて休ませる必要から
「ノンレム睡眠」(レムでない睡眠)が登場したのであろうと言われています。

歴史的には「レム睡眠」の方が古いですが、大脳の発達した私たちにも残っていて
・「ノンレム睡眠」は大脳を休ませ回復させる眠り
・「レム睡眠」は大脳をノンレム睡眠の状態から目覚めさせる眠り
という役割をそれぞれ担っているのです。

夏の暑さだけでなく、テレビや仕事・勉強の忙しさなどによって
私たちの睡眠は阻害されがちです。

寝る間を惜しんで働いたり勉強したりすると
「えらいね。」「がんばりやだね。」などと賞賛される傾向もあるように思いますが
質の高い生活を送るためには、実は睡眠をもっと大切にしなければなりません。

夜眠っている間の「レム睡眠」は日中の記憶の整理・固定の役割を果たしている事がほぼ確かめられているそうです。

昼間の勉強を効果的なものにするためにも夜はよく眠りましょう。

※本日のブログは日本睡眠学会ホームページに掲載されている「初心者のための睡眠の基礎と臨床」をもとに執筆しました。
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