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「文久元年記録帳」を読む 23


散歩道のスケトシア

「文久元年記録帳」の解読を続ける。

廿四日泰山様見立、小便下し粉薬少し。晩方京才様見立。
廿五日慶才様見立。晩方泰山様見立、薬三丁。薬弐丁。
廿六日慶才様見立、丸薬少し。薬三丁。京才様見立、
セメンヱン少し。廿八日薬三丁、泰山様見立。
京才様見立、おたけ薬三丁。廿九日京才様見立。
泰山様見立、薬分三丁、おせき薬三丁、おたけ薬弐丁。
晦日泰山様見立。六月朔日京才様見立。二日泰山見立、
薬おたけ弐丁、薬三丁。磯市先達て松五郎療治致す。
又六月朔日おせき療治。二日療治松五郎も少し。
三日京才様見立。四日薬三丁、泰山様見立。
六日京才様見立。七日泰山様見立。八日薬三丁、
おたけ粉薬少し。九日京才様見立。
十日泰山様見立、薬三丁、粉薬少し。十二日泰山見立。
同須々木奥山様見立、薬三丁、松薬三丁。十三日京才様見立。

本所村巫女を寄せ、祈祷料金、弐朱と弐百文義に、白米壱升遣わす。
十五日泰山様見立、薬三丁。十七日薬三丁。奥山様見立。
磯市見立、金壱朱なり。八木平にて、虫薬買う。また百文かその薬。
十八日泰山様見立。京才様見立。市場町、十九日薬三丁、
丸薬少し、泰山様見立。米小売引上げ。壱升代三百十弐文。
蔵米壱升代、三百廿文。白米壱升代、三百四十四文売り。
かもや市三郎船台下ろし手伝い。廿日慶才様見立、
松薬三服。廿二日泰山様見立。菅ヶ谷佐門、廿一日にて、
おたけ祈祷致し、御礼金三朱遣わす。また金壱朱、ミサキ久左衛門様
にて、粒用丹壱服買う。また廿二日壱服買う。廿三日慶才様見立、丸薬
少し。京才様見立。廿五日見立慶才様。廿五日朝五っ半時分、おたけ
死去致す。廿八日泰山様見立。廿九日慶才様見立。

(つづく)

おたけは自分の娘なのだろうか。次々に何人もの医者の見立と薬を求めて、治療に努めた。最後には神頼みまでしたけれども、甲斐なく亡くなってしまった。筆者の半七さんはただ事実を述べるだけで、悲しみをあらわにすることは全くない。

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