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「文久元年記録帳」を読む 7


裏の畑の野良猫親子
どうやら蜜柑の木の下辺りをねぐらにしているようだ。
頓着ない子猫に比べ、親猫は最大級の警戒をしている。

「文久元年記録帳」の解読を続ける。

一 この度、殿様、大坂にて御置書(おきがき)に付、當六日、金谷宿御通り、
※ 殿様(とのさま)➜ 田沼意尊。大坂城玉造口定番。若年寄。
※ 置書(おきがき)➜ 後任に置き書きして職を去るの意か。
嶋田宿泊り、同十四日、御役に付き遊ばされ、若年寄、御詰め番
の御役に相成り申し候。当所、廿二日、外に御興分中、御触れ御座候に付、
※ 外に御興分中 ➜ 当地では秋祭りでもあったのか?
廿三日、相良四ヶ町正月を致し、御日待ち仕り候。
※ 相良四ヶ町 ➜ 新町、市場町、前浜町、福岡町の四町。
※ 正月(しょうがつ)➜ 楽しく喜ばしいこと。
※ 御日待(おひまち)➜ 近隣の仲間が集まって特定の日に徹夜してこもり明かし、日の出を拝む行事。ここでは、単にその日を待ったの意か?

廿四日、今日より白米弐文下げ、百四十六文売り、
大相場五斗弐升五合より三升位。
廿六日、白米四文下げ、百四十弐文売り。
廿九日、四文下げ、白米壱升百三十八文うり、
十月五日より弐文下げ、白米百三十六文売り。

六日大風にて、太次郎船坂井乗へ上り、八日船上げ壱人手伝いに行く。
十一日、門屋根葺き、友吉壱人手伝いに来る。
十五日、市三郎船下ろし、朝より夜頃まで行かす。
十六日、半人、道具しなべ。十八日市三郎船出帆、手伝い壱人。
※ しなべ ➜(静岡の方言)片づける。
髪源、手伝い仲間入り。

(つづく)

往時の殿様は田沼意尊、田沼意次は曽祖父にあたる。大坂城番を勤め終えて、江戸へ戻り、若年寄になった。このあと、天狗党の乱で、鎮圧の指揮をとる。

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