平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
「文久元年記録帳」を読む 10
近所の畑のズッキーニ
「文久元年記録帳」の解読を続ける。
同七日より大石村薬師様開帳あり。八日より商いに参り、
※ 大石村(おおいしむら)➜ 現、菊川市大石。
十四日帰り。十五日髪○、廿一日○。廿二日、山吉(屋号)様
御用にて、金六百六十五両持ち参り、江戸出府致す。四月四日帰り。
六日○、十三日○。十五日、市三郎船出帆手伝い。十八日、三右衛門船
出帆手伝い。廿日○。廿四日夜、久二郎に頼まれ、新家(しんや)方にて、金子
借用致す所、私義参らず候に付、彦七殿を頼み、金吉(屋号)方にて、
金壱両弐分借り、久二郎方へ相渡す。五月朔日○。
七日、町内日待ち。百廿六文つゝ。
五月八日髪○。十二日壱人、金上(屋号)使い、赤土より月岡村まで行く。
十五日、三右衛門船出帆、壱人手伝い。十六日髪○、廿五日夜髪○、
六月五日髪○、同十三日○、同廿四日○。廿五日三右衛門船
出帆、手伝い壱人行く。晦日(みそか)夜、川崎、初蔵にて髪結い、
七月六日髪○、十四髪○、廿二日同○。米追々引下ヶ。当事相場
六斗弐、三升位、小売百十弐文。
はしか流行致し、
七月二日よりはつ致す。又十四日より、おや、おた、
松、べん、締め四人致す。殊の外、立ちよろしく、相澄み申し候所、
※ たち(質)➜ 物事の性質。
おや少しゑ虫(回虫)殿の様子にて、京才様見立て、セメンシナ
※ 見立(みたて)➜ 医師による診断。
少し貰い、またおべん、これも少し痰(たん)あり。痞(つか)え、これあり。
※ 痞え(つかえ)➜ 病気・心配などで胸がつまるような感じ。
煎薬壱服。また廿二日見立て。廿三日夜見立て、締めて三度。
※ せん薬(煎薬)➜ 煎じて飲む薬。せんじぐすり。
廿四日朝、セメン少し、煎薬弐服。廿六日見立て。
廿八日見立て、薬壱服。八月朔日、見立て。
(つづく)
読書:「煤払い 秋山久蔵御用控 28」 藤井邦夫 著