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「文久元年記録帳」を読む 14


散歩道のユリズイセン

「文久元年記録帳」の解読を続ける。

九月五日髪○、十二日○、廿日○。廿一日横町安二郎殿、
太子講当番。廿三日より廿四日、かもや平蔵様年忌へ
※ 太子講(たいしこう)➜ 旧暦一月二十一日か二十二日に聖徳太子を祀る。大工、桶屋、畳屋、下駄屋、指物師、曲物師、木型屋、鳶、左官、瓦屋、屋根葺き、建具屋、井戸屋、杣、樵、鍛冶屋、石工などの職人が太子講を行った。
手伝いに行く。九月、三右衛門船出帆手伝い。廿九日、太次郎船
出帆手伝い、四百四十九文取る。十月朔日、隣り忠兵衛殿内、
おさだが駿府にて死去致す。葬式致す。
三日まで手伝い。香奠百文遣わす。三日髪○、十二日髪、おせき結う。
十八日髪○。九月朔日、倹飩屋(けんどんや)直次郎忰(せがれ)、八百吉事、
※ 倹飩屋(けんどんや)➜ 一杯盛り切りの飲食物を商う店。また、その商人。
ころり(コレラ)にて死去致す。十月廿一日より廿二日、
年忌致す。百文遣わす。当時、米相場少し引下げ、
※ 年忌(ねんき)➜ ここでは四十九の法要のことであろう。
五斗位。殿様御入札、拾俵四分。
掛川御入札、拾俵五分の様子。増山様入札、
拾俵三分より四分。廿六日髪○。殿様御入札。

十一月四日、柏原万(よろず)屋、払い物致す。八日、川崎
※ 拂物(はらいもの)➜ 不用になって売り払う品物。
西町角(かど)、酒屋次郎七殿、本家壱ヶ所買い取る。
代金拾九両に相定め、小路善吉殿方へ世話に
致す。瓦屋根にて、間口六間、奥行四間、
三尺葺き下げ、前三尺通り。尾垂れ付、
※ 葺き下げ(ふきさげ)➜ 葺きおろし。主屋の屋根の流れ面の一部をそのまま下方に延長した部分。
※ 尾垂れ(おだれ)➜ 軒先の垂木の木口を隠すための横板。鼻隠し。
外にすへ名付。八日髪○、十四日髪○、
先日の市三郎船手伝い、銭五百文取る。廿四日髪○、
廿四日、大工佐吉。廿二日、壱人頼む。廿三日休み。廿四日壱人、
廿五日、廿六日、締め四人、作料壱貫文相渡す。
※ 作料(さくりょう)➜ 職人の手間賃。

(つづく)

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昨日は午後、静岡へ駿河古文書会に出席した。先輩方の多くが退会されて行き、近頃は当番の発表に対して、積極的に発言するようにしている。それもあってか、帰ってくるとぐったりして、夜は、野球、サッカー、バレーボールなど、テレビ観戦で過ごした。つまり、昨日ブログを書けなかった言い訳である。

今日は自分の76回目の誕生日である。さして祝うほどの歳ではないが、ずいぶん遠くまで来たものだと思う。会話の中に「30年前は、‥‥」「50年前は‥‥」と普通に話している。金婚式や喜寿ももう間近に迫っている。

夕方、子供たちからお祝をもらった。

読書:「顔なし勘兵衛 八丁堀吟味帳 鬼彦組 11」 鳥羽亮 著

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