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「文久元年記録帳」を読む 25


庭のアガパンサス(紫君子蘭)

「文久元年記録帳」の解読を続ける。

慶応二年正月廿六日、米小売引上げ、壱升代三百三十六文、
蔵米壱升三百四十四文、銭相場(一両)六貫七百文。
(欄外に)二月十六日、定右衛門殿伯母、死去仕り候。
     香奠弐朱を遣わす。行年九十二才。
五月十一日より売り始め、米追々高直に相成り、小売壱升六百十六売り。
金拾両に付、米弐俵六、七分位に御座候。もっとも福岡の内、
見元宜しき方にて、米買い込み置き、船頭平三郎殿方にて会所に致し、毎日
町役人壱人、商人壱人ずつ出張致し、困窮人へは
壱升に付廿四文安に売り申し候。(五百八十八文)もっとも壱人に付三合ずつ
より多分には売り申さず候。誠に近来稀れなる直段と心得、
印し置く。見元の方、新左衛門、利七、重吉、十右衛門、
松兵衛、太郎兵衛、新兵衛、喜八、七五郎、仙二郎、
忠蔵、久三郎、惣五郎、万二郎、重兵衛、藤五郎、升右衛門。
(欄外に)二月十八日、波津源右衛門、死去致す。
     香奠金弐朱遣わす。行年‥‥

一 五月十四日米廻状、壱升に付三十二文下げ、五百八拾文小売り。
一 六月四日米廻状、壱升に付三十二文下げ、五百五拾文小売り。
また廿四文下り五百廿四文売り。
一 前に印す所の町内見元の方にて、安米の儀までに、下落に致し候に付、
八町へ割付けに相成り候。私ども町内、壱軒に付米四升五合ずつ
買い取り、壱升代六百十六文なり。締め弐貫七百七十弐文、この内
壱貫三百文、当番与左衛門殿へ相渡し、引きて壱貫四百七十弐文、
先年越し置き申し候。町内無尽金、差し継ぎに相成る。
※ 無尽(むじん)➜ 日本の金融の一形態。毎回参加した全会員が一定額を拠出し、その回の参加者の一人がその全資金を受領することを繰り返す。各会員は全期間の内の一回は必ず資金を受領することで、会員間の公平性を担保している。

(つづく)

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