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「壺石文」 上 5 (旧)六月六日~(続き)、十日、十一日

(庭のミヤコワスレ)

ゴールデンウィークで、名古屋のかなくん一家が午後3時過ぎに帰ってきた。それを待っていたように、掛川のまーくん3兄妹もやってきて、孫たちが再会した。といっても、春休みからまだ一ト月しか経っていない。今週一杯居るというから、にぎやかになる。夜、かなくんとパパは、島田のパパの実家に泊りに出かけたので、まだ静かである。

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「壺石文 上」の解読を続ける。

そも/\江戸に相知れりける雅び男たちは多かるに、異人(ことひと)は別れ惜しむ一歌(ひとうた)をだに、ものせざり
けるを、こう数々に詠みて遣せたるは、魂合える友だちの、慕い来て物言う心地せられて、あわれにおかしうこそ。
※ 雅び男(みやびお)- 風流を解する男。風流を好む男。風流人。
※ 異人(ことひと)- 他の人。
※ 遣せたる(おこせたる)- こちらへ送ってくる。よこす。
※ 魂合える(たまあえる)- 魂がひとつに結ばれる。心が通じ合える。


   みちのく(陸奥)の 旅の衣手 立ち帰り 
        二木を見きと 君に語らん

※ 衣手(ころもで)- 着物の袖。たもと。多く、和歌に用いる。

と、便りあらば言い遣(や)りてんと思うも、相仲頼みなりけり。
※ 相仲(あいなか)- 気の合っている仲。

十日、曇りて涼しげなりければ、罷り申して、幸手の方を指して、立ち出ずとて、
※ 幸手(さって)- 幸手宿は、日光街道・奥州街道の江戸・日本橋から6番目の宿場町である。日光御成街道と日光街道(奥州街道)の合流点に位置する宿場町。現、埼玉県幸手市。

   旅衣 立ち去り難き 草枕
       結び慣れにし 川添いの宿


水上(みなかみ)は、利根より別れ/\とぞいうなり。河の底濁りたるが、背面に近く流るなり。粟橋関を越えて、
※ 背面(そとも)- 山の日の当たる方から見て後ろになる側。北側。
※ 粟橋関(れい)- 日光街道が利根川を越す要地の「利根川通り定船場」から発展した関所の一つで「房川渡中田関所」と呼ばれた。現、埼玉県久喜市栗橋。


   何時しかと 思い渡りて 栗橋の 
        関路も易く 越えてけるかな


利根川を渡る。

   東路や 浮世渡りの 人心
        利根の河水 底濁りたる


夕月夜のおかしきに、気負いて、小山の宿に急ぎ着きて宿る。
※ おかし- 趣がある。風流だ。美しい。
※ 小山の宿(おやまのしゅく)-江戸時代に日光街道の江戸から数えて12番目の宿場。下野国。現、栃木県小山市の中心部。


十一日、同じ宿りにて憩う。
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