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丹後半島一周の車旅 - 墓参に帰郷の三日間



(伊根の舟屋)

七日に初盆参りも、墓参も済ませて、八日は車でどこかへ周ろうと次兄が誘う。本当は竹田城跡に行ってみたいと思った。竹田城跡は、今、日本のマチュピチと呼ばれて脚光を浴びている。雲海に浮ぶ島のように見える石垣群は、確かに一見に値する。霧の中では町からは、あの有名な写真のようには見えないのは勿論、城跡に登っても、雲海が見えても石垣の全貌は見えない。どこか近くの山に登ってみるのだろうか。出来たらそんな事も良く調べた後に、登りたいと思った。とにかく、この暑さでは例え低山とは言え、山に登るのは無理である。また登っても雲海がないとつまらない。雲海が出るのは秋だから、またの機会にするしかないと思った。

次兄の提案で、丹後半島を一周、兄弟3夫婦揃って、2台の車に分乗して出掛けた。外は酷暑だけれども、車の中はクーラーが効いて快適である。自分が運転したアクアは燃料が高騰していることが全く気にならないほど燃費が良い。一方、次兄の車はアクアの2.5倍ほどガソリンが掛かって大変だと思った。

幾度も訪れたことのある天の橋立はそばを通過しただけで、今日のメインの伊根に急いだ。伊根の舟屋は何時からだったか、急に有名になった。絵を描くのを趣味にしている長兄が一度行って見たいと話していたところである。丹後半島の東岸を北上した先に入江や島の囲まれた伊根の町が見えてきた。

伊根の舟屋のある町並みは重要伝統的建造物群保存地区に指定されて、保存が図られていると案内板にあった。

若狭湾に面した伊根浦は、日本海には珍しく南に開けた静かな入り江であり、東、西、北の三方を山に囲まれている。伊根湾と日本海の接するほぼ中ほどに、自然の築いた防波堤のように緑深い青島が浮かんでおり、伊根湾の入口を二分している。

しかも伊根湾の三方を囲んでいる急斜面の硬い岩山は、そのまま海に落ちて深い淵をつくっており、波を起こしにくい地勢を形成している。また、伊根湾においては潮の干満差は極めて小さく(年間50cm程度)、静穏度の高い天然の良港といえる。

およそ350世帯で構成される伊根浦の集落は、延長約5kmにおよぶ伊根湾の海岸沿いに連続して細長く形成されている。


大変解りやすい説明だったので、長々と引用させてもらった。湾に沿って建てられた家は、2階建ての一階が海に向かって開き、舟でそのまま家へ入る造りになっている。まるで住居の下がガレージになっているような造りである。海側から見ると家が半分海に沈んでいるように見える。

湖のように静かで、水位が変わらない湾だから出来た特殊な町並みで、おそらく日本には外に例のない地形条件であると思う。若狭湾には年縞で世界に知られた水月湖もあり、何か不思議な魅力を持っている。

この後、灯台のある経ヶ岬、間人皇后ゆかりの間人、鳴き砂の琴ヶ浜、小天橋などを通って実家へ帰った。ほとんどが素通りだったが、日本でもっとも目立たない半島の丹後半島にも、なかなか見所が多そうである。

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