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事実証談 神霊部(上) 53~55 木惜の森など、採取すると崇る草木

(阪神タイガース試合前練習風景)

午後3時から、義弟夫婦とその隣人Ⅰさんの4人で草薙球場に行った。DeNA対阪神戦である。練習が終わり、DeNAのシートノックに入った所で夕立、1時間経ってようやく雨が止み、場内放送で「お待たせしました」とあって、場内がわっと沸いた。それに続く「中止」の報に場内大ブーイング。しばらく観客は未練げに席を立たなかった。

しばらくあって、3累側の阪神のベンチに、タイガースの選手が出て来て、その中から一人、背番号51の選手がホームベース上のブルーシートに出て来て、シャドウバッティングの後、ダイヤモンドを一周して、ホームベースのブルーシート上をヘッドスライディング。先輩プレーヤーにそそのかされたのだろうし、お決まりのパフォーマンスであるが、観客は大歓声で、そのパフォーマンスを見て満足して、一斉に席を立って家路に付いた。阪神の背番号51は伊藤隼太外野手である。

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事実証談、神霊部(上)の第53話から第56話までである。第53話の山宮権現、第54話の加茂明神には昨日取材に行ってきた。山宮権現はそばの河川工事中で、迷って何人かに聞いて、ようやく石段の上に小さな社に至った。「木惜の森」と呼ばれた周りの山も、今は十分に人の手が入っているように見えた。加茂明神は森町の睦美のお茶工場のすぐそばの小山の上にあった。


(城東郡西方村、山宮権現)

第53話
城東郡西方村、山宮権現の社は竹木生い繁りし杜なり。その杜の木竹は、枯枝はさらにもいわず、落葉にても掻き取り、薪とする時は、忽ちに崇りあり。さるはこの神の甚(いた)く惜み給うにて、里人木惜(きおしみ)様と称す。また木惜の森とも言いて、この森の木の葉をだに、かりそめにも手を触れざる故、竹木ともに立ち枯れ数多あれども、そのまゝにて有るなり。
※ かりそめにも -(あとに打消しの語を伴って)打消しの意味を強める語。決して。仮にも。


(周智郡鴨岡村、加茂明神)

第54話
周智郡鴨岡村、加茂山は則ち加茂明神の杜なり。この社木も伐れは崇り有りと言えり。

第55話
周智郡天宮村の田中に一つの塚あり。その塚なる草を苅れば、忽ち崇り有りと言えり。こは如何なる由縁の塚とも知られねども、同村善太郎という者、往古より毎年七月、祭をなせり。近き年頃、同村清七と言いし者、その塚の草を苅りたりければ、忽ちにを煩いしとかや。すべてかゝる例は数多かれば、上げて数え難し。
※ 瘧(おこり、ぎゃく)- 間欠的に発熱し、悪感(おかん)や震えを発する病気。主にマラリアの一種、三日熱をさした。
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