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どうして「煙役」と呼ぶのか

(オニユリに止まるクロセセリ - 牛尾山)

掛川の古文書解読講座で、「煙役(けむやく)」という言葉が問題になった。意味は地域の奉仕作業のようなもので、現在でも年長の人はその言葉を使うという。しかしなぜ「煙役」というのかが解らない。次回までに、調べて欲しいと講師が問い掛けて終った。

「煙役」だからタバコをすっている役割り、何てことはない。ネットで調べたり、図書館に行ってそれらしい辞典類で調べたが、的確な言葉には当らなかった。「煙役」という言葉すら出てこない。

一ヶ所だけ、ネットで、「煙銀」あるいは「煙役銀」という言葉に当った。似た言葉があると思っただけで、その部分のコピーは取って置かなかった。色々調べ尽くして、やはりその言葉が関連するのだろうと思い、同じところを出そうとしたが、サーバーが閉鎖されているとあって、出てこなかった。

だから、これ以降は自分の勝手な想像で、確証は無いが、案外良いところを突いていると自分では思っている。

中国地方の郷土史の解説の中で、「煙銀」あるいは「煙役銀」という言葉が解説してあった。今、正確に読み返して見れないから記憶に頼っているが、煙りが立っている家から取る税金を「煙銀」と呼んだというように書かれていた。「煙役銀」は同様に煙が立つ家に掛けられた労役をお金で払ったものをそう呼ぶと書かれていたと記憶する。

仁徳天皇は、ある日、高台に登り国中をみわたしたところ、かまどの煙りが立ち昇っていないのに気付き、民が困窮していると心配して、課役を減免されたという。古事記の話を持ち出すまでもないが、煙を立てている家から「煙銀」という税金を取ったというのである。煮炊きをしているという事は、そこに住んでいることで、現在で言うならば住民税のようなものであろう。同じように「煙役銀」は税金ではないが、課せられた労役をお金で支払った。

これをヒントに「煙役」を考えてみると、当地には「煙銀」のような税金はなかったが、緊急に災害復旧するような場合、村人たちが応分の負担をして、作業を行った。例えば一軒に一人、何日か人を出して工事をする。その一軒は借家であろうが関係なく、かまどの煙を立てている家には平等に掛けられたものであった。だから「煙役」である。出れない家は「煙役銀」のようなものを払ったのであろう。

古い地方の庶民の暮らしに関わるような事柄は、ネットではほとんど取り上げられていない。「煙役」も今後検索すれば、このブログが出てくるであろう。だから、あまり不正確な記述は出来ないのだが、あくまで推測であることを前提に書いてみた。どなたか、正確な答えを教えてくれませんか。
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