平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
ムサシのストレス
猫のに引っ掛かれた疵(?)は1日で治ったが、ムサシが元気を取り戻さない。左前足の指の間を一心不乱といった様子で舐めている。指間炎だといって、女房は夕方遅かったので、行きつけではない近所の動物病院に連れて行った。過去にもやったことがあり、放っておくと足を突くにも痛がるようになる。早めに行くに越したことはないと思ったのであろう。
医者から帰ってきて、ムサシはストレスだという。子供の指しゃぶりと一緒で、指をしゃぶることでストレスから逃れようとする本能的な行為のようだ。指間炎が原因で指を舐めるのだろうと思っていたが、ストレスのために指を舐め、それが高じて指間炎をおこすというのである。この獣医は犬の心理まで詳しく話してくれたという。
下の娘の出産で、この一月ほど、前半は上の娘がかなくんを連れて来て泊り込み、あっくんが生れてからは、まーくんの家族が我が家で一緒に生活している。それでどうしてもムサシのことは忘れられがちになっていた。夜、自分の寝場所にいて時々騒ぎ、3回に1回は30分か1時間、台所か居間に上げてもらって、それで納得して自分の寝場所に帰っていく。そんなムサシの至福の時間(女房の表現)が全くなくなってしまった。女房に言わせればムサシは誰かが泊まっていると、自分の出番は無いと悟って、我慢していつものように騒ぐことがない。昼間もよく遊んでやったのに、今は時間的余裕がない。それがムサシのストレスの原因であるようだ。この状態はまーくん一家があっくんを連れて家へ戻るときまで改善はありえないようである。
手を出そうとする獣医に、女房がムサシはきついから手を出すと噛み付かれると話すと、ムサシを良く観察していて、柴犬は皆んなそんなものだという。この子はまだやさしい方だ。いきなり噛み付かないで周りの臭いをくんくん嗅ぎ回っているし、リードで制御しようとすると、ロープに噛み付く。ロープで代用して怒りをそらしているのだという。
自分が噛まれたことを女房はムサシがきつい証拠に考えているようだが、あの時は後ろを向いていて、ムサシの表情が見えなかった。正面から見ていれば、ムサシの表情で噛み付くかどうかわかる。無防備に手を出すと噛み付かれることもある。
散歩でどうしても自分の行きたい方向へ行かせないようにコントロールをすると、時々ロープに噛み付く。頭が悪いからコントロールしているのがロープだと思って噛み付いているのかと思っていたが、飼主に噛み付く決定的な状況を起さないために、ロープに噛み付いて我慢しているのだと知った。そういえば、ムサシの小屋にしばらく前まで原型をとどめないドッジボールの残骸があり、ムサシがそれを激しく振り回して怒りを収めているのを時々見た。
ムサシは付き合えば付き合うほど、人間と変わらない心の動き方をしていると、つくづく思う。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )