平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
大代川の橋は風の通り道
夕方、ムサシの散歩が少し遅くなって、6時を回った。日が長くなってその時間でもまだ日は沈ます十分に明るい。といっても、西の空には雲がかかって夕陽も見られない。
川の土手に向って上って行くと、古い大代川の橋の欄干から人の頭だけが出ているのが見えた。橋の袂まで来ると、ご近所のOさんご夫婦が散歩の帰りに座り込んで一休みしているところであった。Oさんご夫婦は夕方散歩は欠かさないようで、ムサシの散歩の途中に良く会う。久し振りだと思ったのは、日が長くなってムサシの散歩よりも時間を遅くしているからなのだろう。川面を渡って来る風が涼しく感じたので、風の通り道でいいですね、と声を掛けて通った。今日はいい風が通るけど、昨日は風がなかった、と返って来る。
いつもムサシを可愛がってくれるOさんご夫妻だから、いつもならムサシの方から寄って行くのだが、今夕は時間が遅いせいか、ムサシは橋を渡らずに土手を進んだ。土手の草が両側共にきれいに刈られていた。ムサシの散歩道の土手の草は放って置くとアスファルト道が狭くなるほど繁茂して歩きにくくなるのだが、そうなる前に不思議と両側がきれいに刈られる。場所によってはお年寄りがボランティアで刈ってくれていると聞くが、それ以外のところはどうなっているのだろう。
帰りに再びその橋を渡った。夕日が沈みかけた橋の真ん中に、ご近所のSさんが一人寛いでいた。風の通り道で涼んでいるのかと声を掛けると、宵の口に出てきて涼む人も何人かいると話す。橋の下には梅雨時期だからきれいな水がたっぷりと流れていた。この辺り、ホタルが出るのだろうかと聞けば、10日ほど前にはⅠさんの家付近の土手でかなり見られた。今はもうホタルの活動時期は終ったようだという。時々我が家にもホタルが飛んできて見られることがある。孫に見せてやったら喜んだだろうと思った。
さっきは30センチほどのスッポンがいたというSさんの話を聞いていると、これもご近所のMさんが散歩の途中に通りかかって加わり、大代川の魚の話になった。大代川は冬場には水が涸れることが多いから魚はいないのかと思うと、これだけの水が流れていると、大井川からどんどん溯って来るから、小さいけれども鮎などもたくさんいる。糸を垂らすとすぐに小さなハヤが掛かると聞いた。大代川の川面を青い稲妻のように飛ぶカワセミも、ここで餌を取ることができるのだから、水さえ流れれば、魚たちは戻ってくるのも早いのだろうと思った。
ムサシが家へ帰りたがっているようなので、話はそこまでにした。
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