ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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沖縄に辺野古反対派知事。国民は西南の守りを固めよう

2014-11-17 10:06:55 | 時事
 11月16日の沖縄知事選は、苦戦を伝えられていた現職の仲井真弘多氏が敗れ、前那覇市長の翁長雄志氏が当選した。わが国の国家安全保障及び米・中との国際関係は、沖縄を巡って厳しい事態に直面することになった。
 仲井真氏は、米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設するための政府の埋め立て申請を承認していた。移設予定地は市街地から遠く、騒音や事故の危険性が現状よりずっと小さい。沖縄全体の基地負担を大幅に軽減でき、また米軍の抑止力も維持できるから、現実的な唯一の方法である。自民、次世代は仲井真氏を推薦したが、公明、民主は自主投票という方針だった。翁長氏は辺野古移設反対派であり、保守の一部と共産、社民、過激派等の支持を受けた。「新辺野古基地は絶対に造らせない」と訴え、県外移設を主張している。その主張には、現実性がない。



 今後、政府は計画どおり辺野古移設を推進するだろうが、工期の遅れや反対運動の激化が予想される。だが、国防・外交は国家全体の問題であり、政府の専管事項である。地方自治体の首長や一部勢力の反対で、国民全体の国益が損なわれてはならない。移設が滞ると、2022年度以降とされる米軍基地の返還は実現せず、沖縄県民にとっても、現在の危険な状態が長期的に継続する恐れがある。
 今回の知事選をここ数年の経緯及び直近の状況に照らしてみてみると、まず平成22年9月の尖閣沖中国船衝突事件以後、中国の尖閣諸島への軍事的圧力が高まっている。中国の沖縄への思想的な工作が続けられている。知事選は、そうした中で行われた。また、本年9月から小笠原諸島・伊豆諸島周辺の海域に、中国のサンゴ密漁船が多数出没している状況での選挙だった。中国は11月10~11日APECでの日中首脳会談の開催条件として、尖閣諸島をめぐる領土問題が存在するとわが国に認めさせようとした。そのために、多数の密漁船の来襲を利用したものと見られる。翁長氏に投票した沖縄県民は、こうしたここ数年及び現在の状況をよく把握できていないようである。その最大の原因は、左翼的・親中的に偏向した沖縄のメディアによる意識操作ではないか。

 わが国は、今回改めて直面した厳しい事態において、中国に対し、西南の守りをしっかり固めなければ、ならない。現状は、領海を侵犯してサンゴを密漁する漁船に対してすら、警備が手薄な状態である。



 だが、海上保安庁職員は、その中で懸命な対応をしている。中国サンゴ密漁船に対して、海上保安庁は黙っていなかった。特殊警備隊SSTが出動していたことを、「週刊文春」が伝えている。私は、日本国民として、海保SST出動を支持する。
 人口わずか約2万人程度のパラオ共和国でさえ、平成24年(2012)3月30日、警察が違法操業をしていた中国漁船に対して警告を発し、逃亡を図った中国人を銃撃し1名を射殺している。本年10月10日、韓国海洋警察は、違法操業の中国漁船を取締り、中国人船長を1名射殺した。これが独立主権国家の普通の対応である。
 マスメディアは、下記のことを大いに報道すべきである。

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●週刊文春web

中国サンゴ密漁船に海上保安庁特殊部隊SSTが出動していた!
2014.11.12 18:00

 小笠原諸島周辺の日本領海でサンゴを密漁する中国漁船に対し、海上保安庁の特殊警備隊SSTが出動していたことが、「週刊文春」の取材で明らかになった。



 10月5日早朝に命令を受けたSSTは、大阪基地からヘリコプターで緊急出動。小笠原諸島近海で警備中だった大型巡視船「しきしま」に着艦し、短時間のブリーフィングを受けた後、再度ヘリコプターで出動。密漁を行う中国漁船の真上からロープを伝って降下すると、軽機関拳銃を構えて船内に突入、包丁やモリなどで激しく抵抗する中国漁民を制圧し、横須賀へ連行した。
 1996年に創設されたSSTは、海上保安庁内でも極秘扱いの特殊部隊であり、部隊の編成や装備、隊員の氏名などは一切が非公開。今回の緊急出動についても、海上保安庁からは公表されていない。
 今般のSST出動に関する「週刊文春」の取材に対し、海上保安庁広報室は、「具体的な運用にかかわることについては回答を差し控えさせて頂いております」とした。

 以下略、全文はソースへ
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/4544
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 この記事が伝えるのは、10月5日におけるSST出動である。出動を目撃した人の証言が伝えられている。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm24903250
 だが、10月5日の後も、中国密漁船は多数来襲している。SSTは継続して出動しているのか。出動していなかったとしたら、政府・国交相が抑えたのかもしれない。平成22年9月7日の尖閣諸島沖中国漁船衝突事件の時は、海上保安官が動画をインターネット上に掲示し、責任を問われた。今回の密漁は、実害において、4年前の事件の比ではない。録画があるはずである。政府は、海上保安官を包丁やモリで攻撃する中国人や、出動した特殊警備隊員の行動など、動画を公開してほしいものである。

 中国サンゴ密漁船の対応は、既に海保には手に負えない状態になっている。海保は、中国によって、尖閣と小笠原の二正面作戦を強いられている。尖閣諸島の領海警備に十数隻の大型巡視船を振り向けているため、小笠原諸島沖に出せる巡視船は限られる。現状わずか4隻の巡視船では、広大な小笠原諸島・伊豆諸島周辺の海域に来る多数の中国密漁船に対応しきれない。このままでは、「宝石サンゴ」とも呼ばれる貴重な赤サンゴは、採り尽くされる。単にサンゴを取られるだけではない。その海域が事実上、中国の領海のようになってしまう。
 中国は、太平洋西部で海洋覇権を確立しようとしている。第一列島線・第二列島線という概念を用いて、対米戦力展開の目標ラインを構築しようとしている。第一列島線は、九州を起点に、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島にいたるライン。第二列島線は、伊豆諸島を起点に、小笠原諸島、グアム・サイパン、パプアニューギニアに至るラインである。中国海軍は、第二列島線を2020年までに完成させ、2040~2050年までに西太平洋、インド洋で米海軍に対抗できる海軍を建設する計画を進めている。
 中国サンゴ密漁船の来襲をこうした中国の戦略計画に重ね合わせると、漁船団は、第2列島線を攪乱し、米軍の接近阻止・領域拒否を目指した動きと見られる。大量の漁船を使って対象国に揺さぶりをかけるのは、中国の常套手段である。遠洋航海の漁船は中国当局の管理下にある。偽装された漁船に、海上民兵が乗り込んでいる可能性は高い。
 わが国は、戦略的な観点から、海上警備行動を発令すべき時にある。海上警備行動は、海保だけで対応できない場合に、自衛隊が出動して海上での人命・財産保護や治安維持に当たるものである。過去に3度発令されたことがある。海保と海自が機動的に連携して、日本の海を守り、同時に太平洋の平和維持に貢献する体制を整えるべきである。そして、尖閣・沖縄を含む西南の守りを、しっかり固めていかなければならない。

関連掲示
・拙稿「普天間飛行場を辺野古へ~『沖縄県民の会』が署名活動」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/0fbb2810577a6bf94f0d315d2561f598

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