ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

憲法第9条は改正すべし2

2007-08-31 10:10:52 | 憲法
●前文は、英文草案の翻訳・微修正

 前回、憲法前文の内容を一部引用した。現行憲法は、基本的にGHQが英文で作った草案を英訳し、GHQの検閲・管理のもとに若干の修正を加えたものである。だから、立法者の意思を知るには、現行憲法の英文とマッカーサー草案を比較する必要がある。
 繰り返しの引用になるが、前文には、日本国憲法は、①「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意」して制定され、日本国民は、②「恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚」し、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とし、また、③「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。」と書かれている。

 これらの部分につき、現行憲法の英文をマッカーサー草案と比較してみよう。比較のために、番号を振っておいた。

 マッカーサーは、GHQのアメリカ人に、日本国民に成りすませ、日本国民を詐称して、英文で草案を書かせた。それを日本の外務官僚に和訳させた。その翻訳草案を日本の国会に審議させ、そこで出た修正案は、英訳させたものを読んで承認したのである。

①「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意」

マッカーサー草案
 We, the Japanese People, … resolved that never again shall we be visited with the horrors of war through the action of government, …

現行憲法の英文
 We, the Japanese people … resolved that never again shall we be visited with the horrors of war through the action of government, ….

 一箇所大文字を小文字にした以外、完全に一致する。

②「恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚」し、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」

マッカーサー草案
 Desiring peace for all time and fully conscious of the high ideals controlling human relationship now stirring mankind, we have determined to rely for our security and survival upon the justice and good faith of the peace-loving peoples of the world.

現行憲法の英文
 We, the Japanese people, desire peace for all time and are deeply conscious of the high ideals controlling human relationship, and we have determined to preserve our security and existence, trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world.

 主語を「日本国民」と明示し、いくつかの単語を換えている。for our security and survival が preserve our security and existence となり、rely upon が trust in となっているが、趣旨は同じである。修正は、意味をより強くしている。

③「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。」

マッカーサー草案
 We hold that no people is responsible to itself alone, but that laws of political morality are universal; and that obedience to such laws is incumbent upon all peoples who would sustain their own sovereignty and justify their sovereign relationship with other peoples.

現行憲法の英文
 We believe that no nation is responsible to itself alone, but that laws of political morality are universal; and that obedience to such laws is incumbent upon all nations who would sustain their own sovereignty and justify their sovereign relationship with other nations.

 hold が believe、people が nationに変わっているだけで、趣旨は完全に一致する。

 現行憲法は、GHQによって押し付けられたものであり、真に日本人が作った憲法ではない。その理由は、上記の対照だけで十分明らかだろう。納得の行かない人は、同じやり方で、憲法の全文を比較して見ると良い。
 こうして作られた前文との関係の下、第2章「戦争の放棄」に第9条が、GHQの意思と管理と承認によって定められている。

参考資料
・憲法の原文・英文等を掲載したサイト
http://homepage3.nifty.com/constitution/materials.html

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
イラン違法 (とおりすがり)
2008-04-17 16:50:22
どうもたびたび書き込みさせて頂いております。
ほそかわさんはこの記事をどうとらえられていますか?
私は大変違和感があります。9条自体必要がないと思っております。


http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080417AT1G1701O17042008.html

空自イラク活動、違憲判断・名古屋高裁
 イラクへの自衛隊派遣は違憲などとして、全国の1116人が国を相手取り、派遣の差し止めと違憲確認、精神的苦痛に対する1人当たり1万円の慰謝料を求めた訴訟の控訴審判決が17日、名古屋高裁であった。青山邦夫裁判長(異動のため高田健一裁判長代読)は原告側の控訴を棄却した上で、「航空自衛隊の空輸活動は憲法9条に違反するとみられる」として、空自のイラクでの活動は違憲との判断を示した。

 原告弁護団によると、自衛隊のイラク派遣の是非を巡る訴訟は全国11地裁で12件。違憲判断は初めて。

 訴訟で、原告側は米軍がイラク全土で民間人を巻き込み、武力行使を続けていることを挙げ、「自衛隊のイラク派遣は米軍への支援行為で、憲法9条に反する」と主張。 (14:37)

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>とおりすがりさん (ほそかわ)
2008-04-18 11:17:51
私も注目している判決でしたので、18日の日記に書きました。お読み下さい。
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