ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

金正恩が死去か、北朝鮮の新たな体制への備えを2

2020-05-01 10:27:42 | 国際関係
 韓国紙『中央日報』4月24日付は、金正恩が再起不能の脳死状態に陥っていると伝えています。中国の対北朝鮮政策のトップにある人物から、韓国の初代大統領府国政状況室長、元国会議員のチャン・ソンミン氏へ、電話で伝えられた情報によるとのことです。詳細は、次のとおり。

1.張(チャン)氏は、4月23日、中国高位関係者から金正恩が回復不可能な重態にあるという情報を入手。「今朝、北朝鮮の最高要人が『これは死亡と見なすべきだ』という結論を下した」という話を聞いた。
2.金正恩は呼吸しているが、事実上「植物(人間)」状態。いかなる医術を動員しても、回復不可能な状態と判断しているようである。
3.米国政府は、この緊急事態に気付いたようだが、韓国政府は情報がない模様。金正恩が脳死状態であるので現在、権力の空白が現れている。韓国政府は、朝鮮半島のリスクを最小化する方向に戦略を講じて準備に入らなければならない。
4.張氏は、この情報を伝えた中国側要人と情報の信頼性について、「長いつきあいの関係で、北朝鮮問題に関する情報が間違ったことが一度もなかった。99%以上信頼している」とし、「北朝鮮駐在中国大使が分からなくても、当該要人は情報を知りうる立場にあると」主張。
https://www.mag2.com/p/money/915491?fbclid=IwAR3LIJhhaYI1AyNlCMRjI8ab0sjrGmiBNfaLFHt0-Wy2YEZIcnZAH0DshLQ

 金正恩は重体か脳死か健在か、様々な情報があるなか、今後の北朝鮮の体制に関する予測がいろいろ出ています。
 予測の多くは、死亡か再起不能の場合、当面、妹の与正(ヨジョン)が後継し、これに金一族が加わった集団指導体制になるというもの。長幼の序が厳しく、男尊女卑の文化を保つ北朝鮮で、32歳の女性を中心とする体制が安定し得るか、疑問が上がっています。
 ここで久しぶりに名前が登場したのが、金正恩(ジョンウン)の次兄、正哲(ジョンチョル)。同じ母親から生まれた兄で、金正日(ジョンイル)が死亡した時、後継候補者の一人として、取り沙汰されたことがありました。
 結局、後を継いだのは、長兄の正男(ジョンナム)でも次兄の正哲でもなく、当時最も情報の少なかった正恩となりました。
 正男は弟・正恩に暗殺されましたが、正哲はどうなったのか。正恩が死亡か再起不能となった時、妹や叔父の金平日(ピョンイル)らと指導部の一員の役割を担い得るのか。
 その可能性を考えるのに、以前読んだ記事の一節を紹介します。記事内の太永浩氏は、韓国に亡命した元北朝鮮の駐英公使とのことです。

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金正恩の実兄「正哲」は一体何をしているのか
ギターを弾きながら平壌でひっそり生活?
2018年07月13日
五味 洋治 : 東京新聞

 「(略)正哲にはホルモン異常があり、女性のように見えるという証言もあった。しかし太永浩は、韓国に亡命後、複数のインタビューで「特に感じることはなかった」と答えている。
 ただし、正哲には何の肩書もなかった。北朝鮮は肩書社会だ。金ファミリーの一員なら、「金正哲同志」「金正哲大将」などと呼ぶのが自然だが、なにもなかった。しかたなく「チョウ(あのう)」と呼びかけた。
 太永浩は、この本の中で、「正哲が金正恩を助けているなら、何らかの職責と呼称がなければならないが、私が見た正哲は、音楽とギターにだけ入れ込んでいる人物であり、金正日の息子というだけだった」と書いている。
 その後、正哲の消息はほとんどわかっていない。韓国の情報機関、国家情報院が、正哲が弟の正恩に対して「本来の役割ができていない私を見守ってくれ、大きな愛を施してくださった」という卑屈な忠誠文を送ったことがあると発表したことがある程度だ。
 2017年2月には、母親違いの兄である金正男が、旅行先のマレーシアで毒殺されている。このことは正哲も知っているに違いない。核交渉で米国とギリギリの交渉を続けている弟の怒りに触れないよう、平壌でギターを弾きながら、ひっそりと生きているのかもしれない。」
https://toyokeizai.net/articles/-/229233
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