●「国家の構造と戦略の体系」(細川)
ここまで見てきた戦略論の体系例は、軍事戦略を中心として、それを拡大して、上方向には国家総合戦略へと伸ばし、下方向には戦術を置くという仕立てになっている。これは、戦略という概念を中心としているからである。だが、国家論においては、国家の概念を中心に考える。国家論の観点に立つと、まず国家の構造を示し、その構造の中に国家的な戦略を位置付けた戦略論を示すべきものとなる。国家の構造については、第1部の「国家の構造」の項目に書いたが、ここで、あらためて戦略との関係で説明する。戦略については、国家総合戦略と、その一部としての軍事戦略を分けて記述した方がよいと考える。
以下は、そのような考えに立つ私の「国家の構造と戦略の体系」である。
最初に概要を示す。
<国家の構造論>
(1)国家の要素
(2)基本的な制度・機構
(3)国家目標・国家方針
(4)国家政策
<国家の戦略論>
(1)国家総合戦略
(2)個別分野の戦略
① 政治戦略
② 経済戦略
③ 外交戦略
④ 軍事戦略
⑤ 文教戦略
⑥ 情報戦略
⑦ 科学技術戦略
<軍事戦略論>
(1)世界戦略
(2)地域戦略
(3)作戦戦略
(※この下に、戦術と戦闘技術を位置づける)
次に説明を行う。
<国家の構造論>
(1)国家の要素
近代国家は、領域、人民、主権(統治権)、思想を4つの基本的な要素とする。これらの要素は、統治という行為の主体(人民)・対象(人民及び領域)・権利(主権)・方法(思想)である。
国家は統治の主体・対象・権利・方法の4つを基本的な要素として持つ構造体である。この構造体は、付随的な要素として、基本的な制度・機構、国家目標、国家方針、国家政策を持つ。付随的な要素は不可欠のものではないが、これらの要素を欠く国家は、自らの維持・発展が難しく、国益の追求も不十分となる。(註1)
(2)基本的な制度・機構
統治を行うに当たって、統治の主体、多くは政府または統治機関は、どういう国家を作るのかという国づくりを構想する。まず必要なのは、統治のための基本的な制度・機構である。
国家は、憲法・基本法・宣言等に国民の定義をし、その権利と義務を定める。また、基本的な制度・機構を規定する。規定は行政・立法・司法の全般に及ぶ。
(3)国家目標・国家方針
統治のための基本的な制度・機構を整えた後に必要なのは、国家が何を目指し、どういう方向に進み、何をどのように行うのかである。言い換えれば、国家の目標、方針を打ち立てることである。
(4)国家政策
国家目標、国家方針のもとに、政策が立案される。政策とは、政治において決定される事項である。政治とは政策決定の過程であり、より広く言えば集団の意思決定の過程である。
国家政策は、国家の存続・発展を図るために、様々な施策を実行し国益を追求するものである。国家政策を立案する時に求められるものが、戦略である
<国家の戦略論>
(1)国家総合戦略
国家は、国家目標・国家方針に基づく政策を立案するに当たって、戦略を必要とする。
戦略とは、「ある集団が他の集団と競争的な環境にあって、敵が存在しそれとの相互作用を通じて、集団の目的を達成するための総合的・長期的な計画。国家においては、軍事的手段だけでなく、非軍事的手段をも活用する構想、方針、方策を体系化したもの」である。単なる計画ではなく戦略が必要になるのは、環境が競争的であること、そして、敵が存在することである。
国家総合戦略は、国家目標・国家方針のもとに策定されるものであり、その下に国家の活動における個々の分野の活動が行われる。各活動分野において、個別的な戦略が立案され、それらを総合したものが、国家総合戦略となる。あるいは、逆に、国家総合戦略の下に、個別的な分野の戦略が策定される。
(2)個別分野の戦略
国家における特に重要な活動には、政治・経済・外交・軍事・文教・情報・科学技術がある。各活動分野において、それぞれ個別分野の戦略が立案される。
① 政治戦略:政治全般に関する政策を策定するための戦略。
② 経済戦略:経済全般に関する政策を策定するための戦略。
③ 外交戦略:外交全般に関する政策を策定するための戦略。
④ 軍事戦略:軍事全般に関する政策を策定するための戦略。
⑤ 文教戦略:文化・教育全般に関する政策を策定するための戦略。
⑥ 情報戦略:情報・通信・広報・宣伝等の政策を策定するための戦略。
⑦ 科学技術戦略:科学・技術を発達させ活用する政策を策定するための戦略。
<軍事戦略論>
軍事戦略は、国家総合戦略の下の個別分野の戦略である。戦争目的を達成するために国の軍事力その他諸力を準備し計画し運用する方策であり、軍事行政・軍事作戦の全体に係るものである。
(1)世界戦略(global strategy)
軍事的な観点から見た世界全体に係る戦略。国家は、自国の世界における位置づけに基づいて、軍事的な観点から見た世界戦略を持つ必要がある。
核兵器やミサイルについて、「戦略レベル」というのは、その兵器の使用が敵対する国家同士の存亡に関わるものをいう。火力の大きい核兵器や大陸間弾道弾(ICBM)等をいう。
米国と中国・ロシア、NATOとロシアの間で「戦略レベル」の兵器が使用されれば、世界戦争に発展する可能性がある。それゆえ、ここでいう「戦略レベル」は「世界戦略レベル」と呼ぶべきものである。
現代の国家は、自国が「戦略レベル」の兵器を保有するか否かに関わらず、また大国・中国・小国のいずれであれ、軍事的な世界戦略を持つ必要がある。
(2)地域戦略(area strategy)
所与の地理的範囲内における目標を達成するために軍事的資源をいかに用いるべきかを規定するもの。
一般に地域戦略を戦域戦略(theater strategy)と呼ぶことが多いが、私は地域戦略と呼ぶ。「戦域」を意味する theaterには、本来、空間の広さや距離の概念は含まれていない。それにもかかわらず、核兵器やミサイルを「戦略レベル」「戦域レベル」「戦術レベル」に分け、最も広い地理的範囲に「戦略」、比較的広い地理的範囲に「戦域」、比較的狭い地理的範囲に「戦術」を使うことが通例となっている。それゆえ、戦略の名称には、物理的・地理的な空間に係る言葉を使用し、地域戦略と呼ぶ方がよいと考える。(註2)
(3)作戦戦略(operational strategy)
軍事作戦を実行するために、大規模な部隊の作戦行動を指導する方策。地域戦略が地理的・空間的であるのに対し、軍隊の運用に関する戦略である。
作戦を行う主体・場所・方法によって、作戦戦略は、3つに分類される。
作戦を行う主体である軍の種別によって、陸軍戦略・海軍戦略・空軍戦略等がある。また、これらは、作戦を行う場所によって、陸上戦略、海洋戦略、航空宇宙戦略等ともいう。サイバー戦略がこれらに加わる。
代表的な作戦の方法として、次のようなものがある。決戦戦略/持久戦略、直接戦略/間接戦略、正規軍の戦略/ゲリラ戦略、殲滅戦略/攪乱戦略、消耗戦略/疲弊戦略消耗、強制戦略/抑止戦略、テロ戦略/テロリズム戦略、斬首戦略/標的殺害戦略等である。
<戦術と戦闘技術>
軍事戦略の下位に位置づけられるものが、戦術と戦闘技術である。戦術と戦闘技術は「国家の構造と戦略の体系」に含むべきものではない。戦術は戦闘を指導する術策であり、軍事戦略とは概念的に異なる。戦術には、攻撃と防御、遭遇戦と陣地戦、物質的要素と精神的要素等の側面がある。戦闘技術は、戦術よりさらに下位に位置し、個々の兵の格闘や使用する武器、情報機器等に関する技術である。
註
(1) 「国家の構造と戦略の体系」と地政学の関係について註記する。国家の基本的な要素の一つに領域があり、領域は、自然的な条件として、地理的な特徴を持ち、また、社会的な条件として、国際的な環境に存在する。国家に関する理論的な思考において、こうした条件を重視するものが、地政学である。地理的な条件は、国家目標・国家方針の樹立、国家政策の策定をする場合に十分考慮すべきものである。また、外交・軍事・経済等の個別的戦略を総合する国家総合戦略の立案は、地政学に基づくものでなければならない。本稿の国家論が戦略論とともに地政学の基礎的研究を必要とする所以である。
(2) 「戦域」を意味する元の西洋単語は、英語で言えば theater である。theater は、日常語では劇場や演劇、観客等の意味で使われるが、戦域を意味する時は、事件の現場や場面、活動の舞台に通じる語義を持つ。軍事用語としての theater には、物理的・地理的な空間の広さや距離の遠近の概念は含まれていない。戦闘が行われる現場的・場面的な意味のある場所を指示する言葉である。
一般に、敵の中心地を直接攻撃できる核兵器を戦略核兵器、戦場で使用される核兵器を戦術核兵器と呼び、中間的なものを戦域核兵器と呼ぶ。「戦略レベル」の下に「戦域レベル」「戦術レベル」を置くものである。この場合は、主に射程によってレベルを分ける。今日一般的に6400キロメートル程度以上の射程を持ち、核攻撃の出来る兵器を戦略核兵器と呼ぶ。
世界戦略の下に地域戦略があり、地域戦略には対象となる場所の広狭、距離の遠近によって、「戦域レベル」と「戦術レベル」があるということにすれば、「戦術戦略」という言い方を避けることも出来る。地域を意味する area には、広域であれば region、狭域であれば locality、zone 等を充てて、階層化できる。
次回に続く。
************* 著書のご案内 ****************
『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1
『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
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『細川一彦著作集(CD)』(細川一彦事務所)
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ここまで見てきた戦略論の体系例は、軍事戦略を中心として、それを拡大して、上方向には国家総合戦略へと伸ばし、下方向には戦術を置くという仕立てになっている。これは、戦略という概念を中心としているからである。だが、国家論においては、国家の概念を中心に考える。国家論の観点に立つと、まず国家の構造を示し、その構造の中に国家的な戦略を位置付けた戦略論を示すべきものとなる。国家の構造については、第1部の「国家の構造」の項目に書いたが、ここで、あらためて戦略との関係で説明する。戦略については、国家総合戦略と、その一部としての軍事戦略を分けて記述した方がよいと考える。
以下は、そのような考えに立つ私の「国家の構造と戦略の体系」である。
最初に概要を示す。
<国家の構造論>
(1)国家の要素
(2)基本的な制度・機構
(3)国家目標・国家方針
(4)国家政策
<国家の戦略論>
(1)国家総合戦略
(2)個別分野の戦略
① 政治戦略
② 経済戦略
③ 外交戦略
④ 軍事戦略
⑤ 文教戦略
⑥ 情報戦略
⑦ 科学技術戦略
<軍事戦略論>
(1)世界戦略
(2)地域戦略
(3)作戦戦略
(※この下に、戦術と戦闘技術を位置づける)
次に説明を行う。
<国家の構造論>
(1)国家の要素
近代国家は、領域、人民、主権(統治権)、思想を4つの基本的な要素とする。これらの要素は、統治という行為の主体(人民)・対象(人民及び領域)・権利(主権)・方法(思想)である。
国家は統治の主体・対象・権利・方法の4つを基本的な要素として持つ構造体である。この構造体は、付随的な要素として、基本的な制度・機構、国家目標、国家方針、国家政策を持つ。付随的な要素は不可欠のものではないが、これらの要素を欠く国家は、自らの維持・発展が難しく、国益の追求も不十分となる。(註1)
(2)基本的な制度・機構
統治を行うに当たって、統治の主体、多くは政府または統治機関は、どういう国家を作るのかという国づくりを構想する。まず必要なのは、統治のための基本的な制度・機構である。
国家は、憲法・基本法・宣言等に国民の定義をし、その権利と義務を定める。また、基本的な制度・機構を規定する。規定は行政・立法・司法の全般に及ぶ。
(3)国家目標・国家方針
統治のための基本的な制度・機構を整えた後に必要なのは、国家が何を目指し、どういう方向に進み、何をどのように行うのかである。言い換えれば、国家の目標、方針を打ち立てることである。
(4)国家政策
国家目標、国家方針のもとに、政策が立案される。政策とは、政治において決定される事項である。政治とは政策決定の過程であり、より広く言えば集団の意思決定の過程である。
国家政策は、国家の存続・発展を図るために、様々な施策を実行し国益を追求するものである。国家政策を立案する時に求められるものが、戦略である
<国家の戦略論>
(1)国家総合戦略
国家は、国家目標・国家方針に基づく政策を立案するに当たって、戦略を必要とする。
戦略とは、「ある集団が他の集団と競争的な環境にあって、敵が存在しそれとの相互作用を通じて、集団の目的を達成するための総合的・長期的な計画。国家においては、軍事的手段だけでなく、非軍事的手段をも活用する構想、方針、方策を体系化したもの」である。単なる計画ではなく戦略が必要になるのは、環境が競争的であること、そして、敵が存在することである。
国家総合戦略は、国家目標・国家方針のもとに策定されるものであり、その下に国家の活動における個々の分野の活動が行われる。各活動分野において、個別的な戦略が立案され、それらを総合したものが、国家総合戦略となる。あるいは、逆に、国家総合戦略の下に、個別的な分野の戦略が策定される。
(2)個別分野の戦略
国家における特に重要な活動には、政治・経済・外交・軍事・文教・情報・科学技術がある。各活動分野において、それぞれ個別分野の戦略が立案される。
① 政治戦略:政治全般に関する政策を策定するための戦略。
② 経済戦略:経済全般に関する政策を策定するための戦略。
③ 外交戦略:外交全般に関する政策を策定するための戦略。
④ 軍事戦略:軍事全般に関する政策を策定するための戦略。
⑤ 文教戦略:文化・教育全般に関する政策を策定するための戦略。
⑥ 情報戦略:情報・通信・広報・宣伝等の政策を策定するための戦略。
⑦ 科学技術戦略:科学・技術を発達させ活用する政策を策定するための戦略。
<軍事戦略論>
軍事戦略は、国家総合戦略の下の個別分野の戦略である。戦争目的を達成するために国の軍事力その他諸力を準備し計画し運用する方策であり、軍事行政・軍事作戦の全体に係るものである。
(1)世界戦略(global strategy)
軍事的な観点から見た世界全体に係る戦略。国家は、自国の世界における位置づけに基づいて、軍事的な観点から見た世界戦略を持つ必要がある。
核兵器やミサイルについて、「戦略レベル」というのは、その兵器の使用が敵対する国家同士の存亡に関わるものをいう。火力の大きい核兵器や大陸間弾道弾(ICBM)等をいう。
米国と中国・ロシア、NATOとロシアの間で「戦略レベル」の兵器が使用されれば、世界戦争に発展する可能性がある。それゆえ、ここでいう「戦略レベル」は「世界戦略レベル」と呼ぶべきものである。
現代の国家は、自国が「戦略レベル」の兵器を保有するか否かに関わらず、また大国・中国・小国のいずれであれ、軍事的な世界戦略を持つ必要がある。
(2)地域戦略(area strategy)
所与の地理的範囲内における目標を達成するために軍事的資源をいかに用いるべきかを規定するもの。
一般に地域戦略を戦域戦略(theater strategy)と呼ぶことが多いが、私は地域戦略と呼ぶ。「戦域」を意味する theaterには、本来、空間の広さや距離の概念は含まれていない。それにもかかわらず、核兵器やミサイルを「戦略レベル」「戦域レベル」「戦術レベル」に分け、最も広い地理的範囲に「戦略」、比較的広い地理的範囲に「戦域」、比較的狭い地理的範囲に「戦術」を使うことが通例となっている。それゆえ、戦略の名称には、物理的・地理的な空間に係る言葉を使用し、地域戦略と呼ぶ方がよいと考える。(註2)
(3)作戦戦略(operational strategy)
軍事作戦を実行するために、大規模な部隊の作戦行動を指導する方策。地域戦略が地理的・空間的であるのに対し、軍隊の運用に関する戦略である。
作戦を行う主体・場所・方法によって、作戦戦略は、3つに分類される。
作戦を行う主体である軍の種別によって、陸軍戦略・海軍戦略・空軍戦略等がある。また、これらは、作戦を行う場所によって、陸上戦略、海洋戦略、航空宇宙戦略等ともいう。サイバー戦略がこれらに加わる。
代表的な作戦の方法として、次のようなものがある。決戦戦略/持久戦略、直接戦略/間接戦略、正規軍の戦略/ゲリラ戦略、殲滅戦略/攪乱戦略、消耗戦略/疲弊戦略消耗、強制戦略/抑止戦略、テロ戦略/テロリズム戦略、斬首戦略/標的殺害戦略等である。
<戦術と戦闘技術>
軍事戦略の下位に位置づけられるものが、戦術と戦闘技術である。戦術と戦闘技術は「国家の構造と戦略の体系」に含むべきものではない。戦術は戦闘を指導する術策であり、軍事戦略とは概念的に異なる。戦術には、攻撃と防御、遭遇戦と陣地戦、物質的要素と精神的要素等の側面がある。戦闘技術は、戦術よりさらに下位に位置し、個々の兵の格闘や使用する武器、情報機器等に関する技術である。
註
(1) 「国家の構造と戦略の体系」と地政学の関係について註記する。国家の基本的な要素の一つに領域があり、領域は、自然的な条件として、地理的な特徴を持ち、また、社会的な条件として、国際的な環境に存在する。国家に関する理論的な思考において、こうした条件を重視するものが、地政学である。地理的な条件は、国家目標・国家方針の樹立、国家政策の策定をする場合に十分考慮すべきものである。また、外交・軍事・経済等の個別的戦略を総合する国家総合戦略の立案は、地政学に基づくものでなければならない。本稿の国家論が戦略論とともに地政学の基礎的研究を必要とする所以である。
(2) 「戦域」を意味する元の西洋単語は、英語で言えば theater である。theater は、日常語では劇場や演劇、観客等の意味で使われるが、戦域を意味する時は、事件の現場や場面、活動の舞台に通じる語義を持つ。軍事用語としての theater には、物理的・地理的な空間の広さや距離の遠近の概念は含まれていない。戦闘が行われる現場的・場面的な意味のある場所を指示する言葉である。
一般に、敵の中心地を直接攻撃できる核兵器を戦略核兵器、戦場で使用される核兵器を戦術核兵器と呼び、中間的なものを戦域核兵器と呼ぶ。「戦略レベル」の下に「戦域レベル」「戦術レベル」を置くものである。この場合は、主に射程によってレベルを分ける。今日一般的に6400キロメートル程度以上の射程を持ち、核攻撃の出来る兵器を戦略核兵器と呼ぶ。
世界戦略の下に地域戦略があり、地域戦略には対象となる場所の広狭、距離の遠近によって、「戦域レベル」と「戦術レベル」があるということにすれば、「戦術戦略」という言い方を避けることも出来る。地域を意味する area には、広域であれば region、狭域であれば locality、zone 等を充てて、階層化できる。
次回に続く。
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