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●漫画・・ 「学園シャンプー」

 「学園シャンプー」は望月三起也先生が、少年画報社の週刊少年キング誌上で、先生の最大代表作「ワイルド7-セブン-」の長期連載が終了した後に、連載した漫画作品です。作品のジャンルはがらりと変えて、「学園シャンプー」にも、先生独特のサスペンス味やアクションも含まれてはいますが、作品全体を総称で言うとジャンルは“学園漫画”ですね。「ワイルド7-セブン-」はアクション爆裂の、サスペンス味たっぷりの、バイクアクション、拳銃アクション、格闘アクションがオンパレードの、痛快警察アクション巨編でしたが、「学園シャンプー」は舞台は中学校という学園もので、ギャグとまでは言いませんが、コメディもの味付けで描いた学園コメディ漫画ふう、です。ですが、その中で描かれるストーリーには、何とSFやサスペンスも入っています。

 「学園シャンプー」は週刊少年キングに、1981年第48号から82年第22号まで連載されました。期間としては半年弱くらいの週刊誌連載かな。僕は大人になってからは基本的には、少年漫画を読まなくなって、この時代は調度、旺盛に青年コミックを読んでた時代ですね。勿論、少年漫画は全く読まなかった訳ではなくて、コミックス単行本では気に入った少年漫画も数は少なかったけど読んでましたが、この時代は調度、劇画全盛時代で、毎週毎月、青年コミック誌を何種類も購読して、青年漫画のコミックス単行本ばかりを読んで過ごしていた時代でした。この時代の僕の娯楽の中心は青年漫画でしたね。だから、漫画好きの僕ですが、少年漫画誌である週刊少年キングはこの時代、読んでいませんでした。キングどころかマガジンもサンデーも読んでいない。勿論、ジャンプもチャンピオンも。「ブラックジャック」や「がきデカ」はコミックスで読みましたからね。だから、「学園シャンプー」は連載時リアルタイムで読んだことはなく、僕が読んだのは連載終了後のヒットコミックスでですね。

 現在僕の手元にある、ヒットコミックスの「学園シャンプー」第2巻の奥付けを見ると、昭和57年5月1日発行となってます。記載されてませんが多分、初版で間違いないでしょう。連載終了後直ぐのコミックス発刊ですね。僕は知らなかったのですが、何でも、週刊少年キング連載時は実は、お話は未完で終了していて、ヒットコミックス第3巻発行に際して、連載時未完で終わっていたお話のストーリーエンド部分を、書き下ろしで描いてコミックス最終巻の巻末部に収録したものらしいですね。僕は今、手元にヒットコミックスの第3巻を持ってないので、第3巻の発行日付や物語終末部のストーリー内容など詳細が解らないのですが、連載から単行本化はそういう流れだということですね。昭和57年というと1982年だから、僕はサラリーマン時代の熊谷営業所勤務の頃、買った本ですね。

 1963年に創刊された週刊少年キングは、82年4月に休刊して、「週刊少年キング」はこのとき事実上の廃刊になったので、週刊少年キング休刊に際して、お話的には完結していなかったけれども、掲載誌がなくなるということで仕様が無く、「学園シャンプー」は打ち切りとなったのでしょうね。多分この当時、週刊少年キングに連載されてた漫画はほとんどが、ストーリーをムリムリ終わらさせられたか打ち切り状態になったのでしょう。僕は、この「週刊少年キング」終焉期や最終巻号を見たことないので、詳しいことは解らないのですが。ただ、この後直ぐに「少年キング」はリニューアルして再出発します。82年4月に休刊した週刊少年キングは、同年8月、内容も新たに「少年KING」として生まれ変わって、隔週刊(月2回刊)雑誌として創刊、発行されて行きますが、それも結局は88年に最終的に休刊(事実上の廃刊)になりまして、63年から刊行され続けた、少年画報社の少年向け漫画雑誌、「少年キング」は25年の歴史に幕を閉じます。

 「学園シャンプー」という漫画は基本、学園ものコメディにサスペンス味を盛り込んで、時折、望月三起也氏お得意のアクションを加味させた、いわば娯楽漫画の要素をイロイロぶっ込んで、おもしろ漫画として成功してる学園漫画ですね。主人公の中学生少年がボーッとしてサエないけど、男の子としてカワユクて母性本能くすぐって、女教師や女生徒にモテモテで、ふだんボーッとしてるが故に失敗が多い。だがこの少年は、実は、古代ミュー大陸人の末裔で念力など超能力が使える。相棒役のボテネコ博士は、容姿はタヌキみたいな大きなドラ猫だけど、これも古代ミュー大陸で、ミュー大陸人と共に繁栄していた種族の末裔であり、超能力を持ち、博識である。この辺はもう、設定がSF なんですね。伝奇SF 風味。主人公・総司が居候する家の娘で、同級生のトモ子ちゃんとは、喧嘩するほど仲が良い関係で、ココんところは学園ラブコメ風。特徴ある個性豊かな教師陣と、ドジな総司のやり取りは学園ギャグですね。そこに今度は、銃器も扱うニヒルで影のある二枚目ローンウルフ、第七騎兵なんて謎の少年も絡んで来る。いつしか物語は学園ギャグから、中学校の教師たちの麻薬汚染から、犯罪サスペンスへと移行して行く…。

 僕は、望月三起也先生の漫画作品には、幼い頃から親しんで来ました。僕が漫画を読み始めた幼児期、もう雑誌には望月三起也先生の漫画が連載されてて、当時の氏の雑誌掲載漫画は、戦争漫画やスパイ・アクション漫画が多く、まだ6、7歳頃の僕にはよく解らず、それでなくても頭の悪い出来の良くない子供だったのに、氏の作品の舞台設定が僕には難しかったんですね。でも、当時の秋田書店発行の月刊誌、「まんが王」に連載された「雷神サブー」なんかは、舞台は西アジアか中央アジアの砂漠の町ですが、一応ヒーローものだったので、この漫画には魅了されました。「雷神サブー」のヒーロー設定は巨人ロボットだったのかな?異国の砂漠が舞台で、ナチみたいな凶悪犯罪組織が出て来る‥。

 僕は子供の頃、戦争漫画があんまり好きじゃなかったので、望月三起也作品にはそんなに熱中はしなかったと思いますが、週刊少年キングに連載された傑作スパイ・アクション・ハードボイルド漫画、「秘密探偵JA」あたりからその面白さに熱中して行ったと思います。「秘密探偵JA」の連載開始は1964年からですが、68年まで長期連載されているし、僕も9歳くらいの年齢になると、その面白さも理解して行ったのでしょう。6歳から毎日貸本借りて読んでたから、貸本劇画でアクションものには慣れていたから、戦争アクションものとは違って、スパイ・ハードボイルドものには抵抗なく入って行って楽しめたのかも。

 僕の幼児期から親しんで来た望月三起也漫画ですが、僕が望月三起也作品を意識し始めたのって、戦争漫画ではありますが、月刊誌・少年画報の「最前線」あたりからかな。望月三起也先生の漫画はアクションもの主体ですが、そのアクション漫画ジャンルでも、設定や舞台がバラエティーに富んでいて、スパイ・ハードボイルドや探偵アクション、戦争アクションでも空戦ものから戦車もの、学園ものやSFもある。舞台が戦争でも、ヒューマンな内容の作品もある。67年「少年画報」に連載された「01-ゼロワン-戦隊」は水中アクションものですね。極め付けは青年時にまとめて読んだ爆裂アクション、「ワイルド7-セブン-」ですね。血も涙もない人でなしの凶悪犯を退治してぶっ殺す、ワイルドセブンのメンバーに痛快感・爽快感を大いに持ったものでした。望月三起也氏にはコメディ漫画の傑作も多い。50年の日本娯楽雑誌界・コミック界で、アクション漫画の超売れっ子として、日本の漫画界で輝き続けた、日本漫画史上に残る、アクション漫画の大家、望月三起也先生の作品には、この50年の間、いろんな作品で楽しませて貰いました。その、迫力あるアクションシーンを描ききる画力と、女性登場人物のセクシーさに魅了された漫画ファンは数知れないでしょう。物語のサスペンス味も、ゾクゾクさせるものがありましたね。

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