goo

●漫画・・ 「みどりの魔王」..(6)

 僕が、小学生当時、学校に月刊誌を持って来る生徒がけっこう居た。時代はまだまだ総体的に貧しく、児童月刊誌は子供に取っては割り合い、高価なものだった。中には僕のように漫画雑誌を宝物扱いしている子供も居た。僕が子供の頃の時代は、子供が自由に使える小遣いが、ひと月にだいたい300円から600円くらいだったろう。漫画月刊誌がたくさんの付録つきで、1冊160円だった。これは毎年10円づつ値上げして行って、僕が小六頃には1冊200円くらいになっていた。だいたい昭和30年代後半から40年代初め頃の話だ。「少年マガジン」に代表される週刊誌の台頭は僕が小四頃からかな。週刊少年マガジンの100万部突破から、漫画本の読み捨て時代が始まる。それまでの月刊誌の時代は、子供たちは漫画本をそれはそれは大事にしていたものだったのだ(と、いう程でもないカモ。まァ、ヒトに寄る)。

 漫画誌を学校に持って来る子供だが、成績が良くてほとんど先生に怒られていないよーな子が主に、小学館の学年誌を持って来ていた。ほとんど問題児のような僕は「少年」のような月刊誌を持って行った(当然、例外ありですよ)。だいたい悪ガキ連は教科書以外の本を、あんまり学校には持って来なかったなあ。教科書さえ持って来ない日もあるのに。悪ガキたちは他の普通の子が持って来た漫画本を取り上げて読む方だ。取り上げる、と言っても強奪する訳ではなく、ウムを言わさず借りて、読んだら戻すのだ。僕もいつもいつも漫画本を学校に持って行ってる訳ではなく、上級に上がるにつれてだんだん持って行かなくなった。やはり回し読みなどされると、本が汚れる。それは、漫画本が宝物の僕は、ものすごく嫌だったのだ。僕に取っては他の子供たちのように玩具やプラモデルやゲーム盤が宝物ではなく、漫画雑誌が僕のとても大切な宝物だった。ちなみに、小学生時代の僕に取って、“学校の勉強”の価値は、ほとんどゼロに近い最底辺の、僕にしてみれば、ズック靴の底のゴムみたいなものだった。

 小学校1年の1学期は不登校児で、小1の時の成績はオール1で、小2からは1、2、1、2という駆けっこの掛け声のような成績だった僕は、当然のように主な友達は悪ガキ連だった。もっとも、僕は成績優秀な子供たちとも友達付き合いはしていた。家庭での近所の幼なじみたちは僕以外はみんな、クラス委員をやるような成績優秀な子供だったし。この頃、やはりクラス内で自然と友達のグループ分けが出来ていて、そんなにはっきりとはしていないのだが、成績具合もだが何となく同じような連中で集まっていた。僕はといえば、授業をほとんど聞かずに落ち着きがなく、おとなしくしているときはノートに漫画の落書きをしてばかりで、そっちに俄然、熱中してたり、寝てることはあまりなかったけど窓の外や廊下の方をキョロキョロ見回していた。とにかく授業が聞けなかったなあ。毎日、宿題をして来ないから教室の後ろや廊下に立たされる。あるいは運動場を走らされる。授業を聞いてないと、先生が近づくのも気付かず、ふいに頭にかなり力を入れたゲンコツが落ちて来る。ゲンコツは毎日毎日、何発も貰った。お蔭で頭が悪くなった、どうしてくれる。

 でね、学年誌を持って来る成績が良くて先生に叱られることのないよーな子は、持って来た雑誌をクラスの品行方正な仲間たちに見せていた。僕も一応本好きだし、学年誌も月刊漫画誌ほどではないにせよ、漫画もけっこう載っている。「見せて」と頼むと、「嫌だ」と断られた。劣等生の僕は、自分たち真面目な子と毛並みが違うからだろう。小学生時代の僕は月刊漫画誌は、小1から小5くらいまでは、家の近くにまだ貸本屋さんもあったし、当時例月発刊されていた6誌の内、良い時は全誌、悪くても4誌か5誌は読めてましたが、学年誌はほとんどと言っていい程読んでません。ただし貸本屋が店閉まいをした後は、月に2誌くらいしか読めなくなりましたけど。もっとも週刊漫画誌はマガジン・サンデーはだいたい毎週読んでました。週間少年キングも時々ですがけっこう読めてました。本当に学年誌は読んでないですね。僕が購読するのは良くて、年に2、3度くらいかな。

 学年誌て、小学館の学年誌ですけどね。僕が小学校上がる前は講談社も学年誌を発行していたみたいですね。小学校全学年の部かどうか解りませんけど(調べてなくて済みません)。少なくとも小学1、2年の部はあったようですね。小学館の「幼稚園」に対抗する、講談社の「たのしい幼稚園」と同じように、ですね。「幼稚園」「たのしい幼稚園」共に健在ですが、近年は雑誌が売れないと言われ続ける中、各社の学習学年誌同様、売れ行きでかなり苦戦を続けているようですね。時代の流れでしょうが、雑誌不況は嫌なもんです。何だか寂しいです。I‐Pad(アイパッド)で、「幼稚園」や学習学年誌を読むようにはならないだろうと思うし、そういうのは何だか違う、という気持ちがするし。雑誌や本、印刷活字媒体はいつまでも残って欲しいですね。

 で、横山光輝先生の少年SF冒険ロボット活劇漫画「みどりの魔王」は、当時の小学館「小学四先生」に掲載されていて、同じクラスの悪ガキの一人、M君が学校に持って来てました。このM君は、小学生時の6年間、同じクラスでしたが、僕が以前の記事で書き込んだ、同じ町内、当時の僕の斜め前の屋敷に住んでいた、幼馴染のM君とは別の子供です。だいたい僕は、小学生時代の友達はイニシャルM君がやたら多いんですね。高校2年時によくツルんでいた友達もイニシャルM君でしたが。小学生時代、万年劣等生の僕も悪ガキ仲間に居ましたから、まあ僕もM君も悪ガキ範疇でしたが、このM君ともよく一緒に遊んでいました。M君、小学生当時を“悪ガキ”なんて呼んでゴメンね。

 それで、このM君が学校に「小学四年生」を持って来た時、横山光輝漫画の超大ファンの僕は、新しく始まった横山光輝のロボット活劇漫画がもう見たくて見たくてたまらなかったので、M君に、「見せて」と頼んだのですが、M君は「嫌だ」と見せてくれません。何だか、宝物のように大事にして誰にも見せてないように見受けられたのですが、それなら学校になんか持って来なきゃいいのに、と思ってしまいますが、休み時間もそれを大切そうに抱えて教室内をウロウロしています。・・・

Photo_3

 さて、Kenの漫画読み日記。タイトル「みどりの魔王」シリーズで一緒に取り上げ、昔々の「みどりの魔王」と同時代に同じ学年誌に長期に渡って連載され、人気を博した、少年SFロボット活劇漫画「てつのサムソン」が小学館クリエイティブから2010年4月に刊行されてます。豪華上製箱入り2冊分冊愛蔵版で、連載総ページ633ページが、連載当時のカラー掲載と同様に200ページ分もカラー印刷で、完全版として発刊されました。カラー複製原画3枚が付録で付いているんだとか、なんですが、値段が発売定価は何と5985円。しかし愛蔵版としては立派に作られております。「てつのサムソン」については、Kenの漫画読み日記。タイトル「みどりの魔王3」「みどりの魔王5」で紹介済みですね。
 という訳で、今回はココで終わって次回へ続く。「またか‥」な展開ですが、済みません。それではタイトル「みどりの魔王」の“7”部へと続いてしまいます。ゴメンね。

◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(1)-2009-10/30
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(2)-2009-10/31
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(3)-2009-11/01
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(4)-2009-11/01
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(5)-2010-02/26
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(6)-2010-05/13
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(7)-2011-01/10
◆漫画・・  「みどりの魔王」..(8)-2011-10/22
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(9)-2011-12/20

  

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする