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○じじごろう日記。 2006-12 続き

○ラストクリスマス

じじごろう: おはよう、ハチ。良い朝を迎えたか?

ハチくん: あれ?じじごろうさん。どうしたの?トレンチコートなんか着て。こんな朝早くから、何処か行ってたの?

じじごろう: 冬じゃからな。朝晩は冷え込むし、北風も吹いとるし、ワシだって人並みに冬の格好をせんとな。

ハチくん: でも‥。ちょっとコートの前を開いて見せてよ。

じじごろう: こうか?

ハチくん: ああ、やっぱり下はふんどし一枚の裸なんだ。これで、女の娘の前でコートの前を開けたら、昔で言うデロリンマンだね。

じじごろう: おお、懐かしいのう。その昔、少年ジャンプに載っておった、ジョージ秋山のギャグ漫画じゃな。あの頃から、女の娘の前でコートの前を広げて、中の素っ裸と陰部を見せる一種の痴漢が増え、あの時代からそういう痴漢のことを、格好がよく似ておったことからデロリンマンと呼んでおった。あれじゃな?成程、デロリンマンか。わははは。って、馬鹿者!誰が、デロリンマンじゃい!

ハチくん: 一度は納得してるじゃん。まあ、いいや。超人乞食爺さん、じじごろうさんでも人並み寒さは感じるんだね。良いことだよ、じじごろうさん。で、お召しもの着て、朝から何処行ってたの?

じじごろう: けなされてるか、ほめられとるのか解らん言い方じゃのう。まあ、いいが‥。ちょっと朝のゴミあさりじゃ。朝一の清掃車が来る前に生ゴミを見に行っておったんじゃ。朝飯の確保にな。たいしてめぼしいものは無かったな。これから朝のコンビニの裏廻りじゃ。

ハチくん: さすがだね、じじごろうさん。早起きして食べ物の調達なんて、ホームレスの鏡だよ。間違ってもコンビニ店員の女の娘の前で、トレンチコートの前をはだけたりしないようにね。

じじごろう: 馬鹿者、ワシがそんな不埒な真似をするか!全く、ホームレスの鏡とか持ち上げてみたり、人を痴漢呼ばわりしてみたり。いかんぞ、ハチ!そういう態度は。犬の風上にも置けんぞ!しかし‥、楽しそうでもあるな、女の娘の前でコートの前を広げて、中のふんどしを見せるのは。いや、どうせやるなら、ふんどしも取った方がいいじゃろうな。考えると、何だか楽しそうじゃのう、ワクワクするぞ。

ハチくん: 絶対いけないよ、じじごろうさん!コンビニは残飯のおもらいだけにしとかないと。デロリンマンごっこなんかやると、警察に捕まるよ。

じじごろう: じゃあな、ハチ、ワシは急ぐんでな。

ハチくん: ああっ、もう行っちゃうの?

ニャンゴー: ハチさん、ご機嫌如何ですか?おはようさんでがすね。やっぱり冬だ、朝晩は随分と寒くなりましたね。

ハチくん: あれ?猫のニャンゴーじゃんか。久しぶりだなあー。元気してたの?

ニャンゴー: ええ、まあ、元気は元気ですがね。あの、じじごろうさんは見ませんでした?

ハチくん: え?ああ、今居たんだけど‥。ゴミあさりか、おもらいに行ったみたいだよ。

ニャンゴー: ちぇっ、ちくしょう!また逃げられたよ。

ハチくん: えっ、どうして?じじごろうさんに何か用があるの?

ニャンゴー: 師走に入りましたからね、貸した金、戻して貰おうと思って、捜してるんでがすけど、いつも居なくなるんですよ。

ハチくん: ああ、それで慌てて行っちゃったのか。さすがだな、じじごろうさん、逃げ足は速い。

ニャンゴー: 感心して貰っても困るんで‥。ちくしょう、仕様が無えな。どっちの方、行ったんですかい?

ハチくん: 多分、市の運動公園の向こうの団地辺りじゃないかな‥。あの辺りのゴミ集積所は、ゴミ収集車が来るの遅いから。

ニャンゴー: そうか、あっちの方か。ハチさん、済みませんね。じゃ、どうも。

ハチくん: ああ、またね。

じじごろう: 済まんな、ハチ。当てずっぽうな方向を、猫に教えてくれて。悪いな、かくまってくれて。

ハチくん: あっ!居たんだ、じじごろうさん。コンビニに残飯貰いに行ったんじゃなかったの?

じじごろう: ああ。土管の裏に隠れて、様子を見ていたんじゃよ。猫に、コンビニとは違う方向教えてくれたのは嬉しかったよ。おまえはやっぱり、良いワシの飼い犬じゃ。ご主人様を庇うとは名犬じゃぞ。

ハチくん: 違うよ、今は対等の仲だよ。昔は飼い犬だったけど、今は同じ乞食仲間。

じじごろう: なんじゃと!おのれ、犬の分際で、人間様に何ちゅう口の利き方じゃ。

ハチくん: そんなプライド持つなら、猫になんか金借りるなよう。で、いくら借りてるの?

じじごろう: 3千5百円。済まんがハチ、何とかならんか?持ってたら立て替えておってくれんかの?

ハチくん: 野良犬の僕がそんな金、持つ訳ないじゃん。あ~あ、クリスマスも近いのに一文無しとは寂しいなあ。じじごろうさんは猫に借金まであるんだしね。

じじごろう: ああ。ついつい百円、二百円と借りておったら、積もり積もってな。

ハチくん: 何に使ったのさ?

じじごろう: うん、ワシだってたまには缶ジュースも飲みたくなるし、人並みに賞味期限内のおにぎりを、ちゃんとコンビニのレジを通して買って、食べてみたいしな。それが人情ってものよ。

ハチくん: 威張って言うセリフじゃないなあ。それは何だけど、もうすぐ来るクリスマスくらい何とかしたいね。

じじごろう: 腹の減った時は歌を歌うのがいいぞ。

ハチくん: おっ、良いね!山下達郎の「クリスマス・イブ」とか。

じじごろう: いやいや、ワムの「ラストクリスマス」じゃ。

ハチくん: じじごろうさんは全然見掛けによらず、洋楽が得意だもんね。不思議だよね。ふんどし一枚でヨタヨタ歩くハゲの乞食爺さんが、事もあろうに洋楽を口ずさむなんて。びっくり!の事実だよ。「ラストクリスマス」なら僕もよく知っているよ。有名だ。良い曲だね。僕も好きなクリスマス曲。

じじごろう: ヨタヨタ歩くハゲの乞食で悪かったな!全く口の悪い野良犬じゃな。野良犬やホームレスでも心は錦じゃ。もっとこう、気品というものを持って生きろ、ハチ。ふんどし一枚のホームレスだろうが、小さな野良犬でも心は貴族じゃ。気持ちは気高く生きんと駄目じゃぞ!

ハチくん: はい、はい。全くちょっとトレンチコートとか羽織ると、偉そうになるんだから。何処で拾って来たコートか知らないけど。

じじごろう: まあ、いい。今年のクリスマスはみんなで「ラストクリスマス」でも歌おうぞ。達郎の「クリスマス・イブ」でもいいぞ。

ジャック: 俺は歌なんかより、七面鳥の丸焼きというものを一度、喰ってみてえなあ。

ハチくん: あ、ジャック!居たのか。そうだね、今年こそは25日の夜中の余ったケーキじゃなくて、24日にケーキを食べたい。

じじごろう: そうじゃな。みんな、夢は広がる一方じゃな。さあさ、とにかく今はコンビニの裏に三人でご飯貰いに行こう。

ハチくん:ジャック: そうしよう!

 デロリンマン

○From Hell

ハチくん: 「現代版・切り裂きジャック、英東部で売春婦5遺体発見!」なる見出しの、恐ろしげなニュースが入って来ているんだけど、英東部サフォーク州で今月12日、女性の2遺体が見つかったそうで、今月に入ってから同地域で次々と売春婦の遺体が発見されており、これで犠牲者は売春婦ばかりが5人となっている。この殺人事件はどうしても19世紀末に5人の売春婦が殺された「切り裂きジャック事件」を想起させて、英国では今、大騒ぎになっているそうだ。

ジャック: 何か恐ろしそうな話だな。いわゆる連続殺人事件ってヤツだな。

ハチくん: ジャック・ザ・リッパー、昔の西欧の有名な猟奇殺人事件で、切り裂きジャック事件だね。この実際にあった殺人事件を題材にして作ったフィクション映画が、2001年のアメリカ映画「フロム・ヘル」だよ。最近の「パイレーツ・オブ・カリビアンⅠ・Ⅱ」なんかの映画でも大ヒットした、今のアメリカ映画界で大活躍中の、大人気白人俳優ジョニーデップと、美人女優へザー・グラハムの主演だった。事実に忠実に作られた作品という訳ではなくて、あくまでこの古い猟奇事件に想を得て作られたフィクションだ。19世紀末の出来事で、結局、当時迷宮入りの謎の怪奇事件だ。これを映画として娯楽的に面白く、複雑なストーリーを作り上げて、上質のサスペンスに仕立てている。

ジャック: 何だよ、俺のことを褒めてくれているのかと思ったら、アメリカ映画の外人俳優の話かよ。

ハチくん: は?確かにジョニー・デップは白人の超美形だけど‥。ん?

ジャック: だから最初、言ったろ?俺のこと。ジャック・ザ・立派、って。

ハチくん: ああ、そうか。ははは。確かにジャックは立派な秋田犬だけど、そのことではないんだよ。Jack The Ripper、ジャック・ザ・リッパーとは切り裂きジャックの英語での呼び名さ。当時、イギリスではこの連続して娼婦ばかりを惨殺した殺人鬼をジャック・ザ・リッパーと呼んで恐れたんだよ。

ジャック: 何だ、紛らわしいな。それにそんな恐い殺人鬼と一緒の名前だなんて、いい迷惑だ。冗談じゃねえ、俺は悪い人間たちこそ噛みつくこともあるが、殺人なんてぶっそうな真似は絶対しねえぞ。

ハチくん: そりゃあそうだろう。歴史上の連続猟奇殺人事件のこの「切り裂きジャック事件」は、1888年のロンドンで、2ヶ月間に渡って行われた売春婦ばかりを襲った事件で、犠牲者は20人近く居るという説もあるけど、確実なのは5名だけだ。全て、犠牲者の遺体は無残な殺され方で、劇場型殺人事件の元祖ともいわれている。「切り裂きジャック」から題材を取ったミステリなどの文学作品も多くてね。日本でも、島田荘司の「切り裂きジャック百年の孤独」などというミステリ小説もある。百年経ったドイツ・ベルリンで同じ連続猟奇殺人事件が起こるという話だ。ロンドンの切り裂きジャック事件と同じ時代を舞台にして、調度同時代設定のヒーロー探偵、シャーロック・ホームズと夏目漱石をロンドンで推理対決させる話も、島田荘司は書いている。「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」というミステリ小説。こっちは切り裂きジャック事件とは関係してないけどね。いづれも島田荘司の作家年譜では初期時代の傑作だね。島田荘司のなら、比較的新しい作品に、スコットランドのネス湖湖畔の寒村を舞台にした「魔神の遊戯」や、「上高地の切り裂きジャック」などの似た雰囲気のサスペンス・ミステリもあるなあ。

 

ジャック: ああ、解ったよもう、おまえが文学的なのは。

ハチくん: 現在の、イギリスの売春婦5名の猟奇殺人では、有力情報に高額な懸賞金を掛けたらしい。未だ容疑者等事件の詳細は解っていないが、この5名の売春婦殺害は同じ加害者による連続殺人くさいね。恐ろしいことだよ。現地の警察は住民に外出時の注意を呼び掛け、市民も、特に女性は充分注意して、夜の外出時は男性同伴などで出掛けているらしい。恐いよねえ、連続殺人鬼だなんて。

ジャック: ああ、そうだな。こういう凶悪事件に比べれば、じじごろうの痴漢行為なんて可愛いもんだな。

じじごろう: 誰が痴漢行為じゃ、馬鹿者!

ジャック: あっ、じじごろう!警察に逮捕されたんじゃなかったのか?

じじごろう: 馬鹿者、誰が逮捕されるだなどと、間抜けな真似を‥。いやいや、誰が痴漢行為なぞ、不埒なことをするか!

ハチくん: 居たんだね、じじごろうさん。今、切り裂きジャックの話をしてたのさ。

じじごろう: 知っておる。聞いておったぞ。映画の「フロム・ヘル」は良かったぞ。実に良かった。娼婦役のヘザー・グラハムが。美人で。

ジャック: ちぇっ、またこの爺ィは女の話か。もう、おまわりは早くこのドスケベ爺ィを逮捕して刑務所に隔離しろ!

じじごろう: 何じゃと、この馬鹿秋田犬雑種のクソ野良犬が!おまえこそ狂犬病で早く保険所に捕獲されろ!

ジャック: 言いやがったな、この死にぞこないミイラ爺ィ!

じじごろう: おのれ、ちょっと大きな日本犬かと思って、デカイ態度を取りおってからに!おまえみたいな馬鹿犬はこのワシが成敗してくれる!

ハチくん: あ~あ、また喧嘩になっちゃったよおー。映画「フロム・ヘル」は事件に、当時のフリーメイソンが関与しているという、ひとつの推理を設定して作ったストーリーで、とても面白い歴史ものサスペンス映画です。フリーメイソンとは会員が、信仰に厚い社会的地位のあるハイソな人たちで構成された、歴史ある西欧の秘密結社で、このミステリ映画では重要な鍵です。

〔※後日譚【ロンドン】2006年12月に英イングランド南東部サフォーク州のイプスウィッチで売春婦5人の他殺体が見つかった連続殺人事件で、イプスウィッチ高等法院は08年2月22日、5人を殺害したとして元フォークリフト運転手、スティーブ・ライト被告(49)に最高刑の終身刑を言い渡した。英国では死刑は廃止されている。〕

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○じじごろう日記。 2006-12

Photo_29 Photo_30 ○ハンカチ王子

ハチくん: あれっ?じじごろうさん、居るじゃないの。行ってしまったんじゃなかったの?

じじごろう: 居て悪いか。ずうっと、おったわい。いったい、このワシが何処に行くと言うんじゃ?

ハチくん: だって、お盆が終わると、仏様はあの世へ戻るんでしょ?てっきりもう、逝ってしまって、二度と戻って来ぬものと。

じじごろう: わははは。笑い事か。誰が仏様じゃい!ぴんぴん生きとるわい。ほんの数日、顔を見せんとすぐ、これじゃ。人を死んだ事にしおって!

ハチくん: そうだね、じじごろうさんは不死身だもんね。死んでたとしたら第二次世界大戦だよね。B-29の爆撃で戦死、とかそういう世界の人だよね。仏様だとしたら英霊って呼ばれる人だよね。すると、わあー、良かったじゃない。15日に総理大臣にお参りしてもらって。

じじごろう: わははは。笑い事ではないわい。人を死んだ事にするなと言っておるじゃろうが。おまえ達はこのワシを、今まで幽霊と思ってつきあって来たのか!?

ハチくん: う~ん、多分、この辺で、じじごろうさんのことを知ってる人は、幽霊とか妖怪とか、お化けとかそういう類のものだと思ってるんじゃないの?だから、幽霊だとしたら、太平洋戦争でミンダナオ島とかそんなところで戦死したんだろうって。良いじゃないよ、じじごろうさん、英霊なんだから、みんなに敬われてるんだよ。あれ?もっと昔かなあ。ひょっとして日清日露とかいうやつ?え、もっと前?まさか応仁の乱とか‥?

じじごろう: わはは‥。笑う気も起きんわい。馬鹿者!誰が英霊じゃ。誰が応仁の乱じゃ。年寄りをからかうのもいい加減にせんか。お盆はのう、ワシも先祖の霊とか、先に逝ってしもうた友たちの霊とかをのう、独り静かに偲んでおったのじゃ。お盆とはワイワイ騒いだりせずに、そうやって亡くなった人たちを偲んで、供養し、静かに過ごす季節なのじゃ。このバチ当たり犬め。

ハチくん: 何がバチ当たり犬だよ。ところで、知ってる?高校野球の決勝戦。すごい激闘だったんだよ。決勝戦が15回まで戦って決着つかず、実に37年ぶりの再試合。早稲田実業の斉藤投手は今大会、熱投948球なんだ。すごいでしょ!?

じじごろう: おお、知っておるぞ。ハンカチ王子じゃな。

ハチくん: ああ、すごい!じじごろうさんが知ってるんだ。珍しいね、こんな世間の最新ニュースを知ってるなんて。じじごろうさんて、今頃、ビートルズが来日だの、バブルが崩壊しただのって、言いそうだからさ。日本軍が真珠湾を攻撃したとか、平賀源内がエレキテルを発明したとかさ。昨日今日のトピックみたく言いそうだもんね。

じじごろう: わははは‥。って、笑っておれんわい。馬鹿者っ!人を痴呆呼ばわりするのでないっ!ワシが見た目、老人じゃからって、すぐにボケ老人扱いしおって。ハンカチ王子くらい、知っておるわい。有名じゃからの、ハンカチが。ネットでプレミアがついておる‥。

ハチくん: ああ、そっちの方だね。もう、じじごろうさんてすぐに、お金になるかとか、食べられるかどうか、とかだもんね。済みません、今は認知症っていうんだよね。差別語は使わないからね。でも、痴呆とかボケ老人とか、自分で言ってるんじゃないか。まあ、それはさておき、激闘を制して優勝した早実の斉藤佑樹君、今、大人気なんだよね。ジャニ系アイドルを凌ぐ勢いで人気爆発中。白熱根性の連投と、甘いお坊ちゃんマスク。さわやかで強くてクリーンな国民的アイドルとして、世間で大騒ぎ。

じじごろう: そうじゃな。正に国民的アイドルの人気じゃな。甲子園での毎試合、使っておった青いハンカチ、あれが世間で話題沸騰、同種の青色ハンカチを欲しがるファンが溢れかえっとる。

ハチくん: 何でも全く同じ商品はもう製造していないらしいからね。同じ物がネットのオークションにのぼれば、プレミアがついて高値になる始末。すごいね。もし本当に斉藤君が、試合で使って汗拭いたハンカチだったら、想像以上のとんでもない値段がつくんだろうね。

じじごろう: 何?それは良いのう。群馬県の親元まで行って、使い古しを貰って来るかのう。

ハチくん: そんなの駄目だよ、くれっこないじゃん。

じじごろう: そうか。ワシもハンカチ王子の斉藤佑樹君にあやかって、ふんどしを青色に染めようかと思おとるんじゃ。それでの、世間でワシは、こう呼ばれるんじゃよ。ふんどし王子。

ハチくん: ふんどし王子は流行らないと思うなあ‥。絶対、流行らない。保証する。笑われて、今以上に馬鹿にされるだけだ。それだけは止めてよ、恥ずかしいから。それにだいいち、とても王子になれる年齢じゃないし。

じじごろう: そうかのう‥。 ワシもアイドルとして華々しく生きたいんじゃがのう。

ハチくん: じじごろうさんはもうある意味アイドルじゃないか。コジキ界の長老アイドル。不老不死のコジキ仙人。ハンカチ王子の、斉藤君なんか真似る必要はないよ。立派に、ホームレス界では存在感あるんだから。

じじごろう: そうか。そういうもんかの。じゃが、ワシもちょっとは、おしゃれしたいからのう。青いふんどしで街に出てみようと思う。

ハチくん: それくらいならいいんじゃないの。でも僕にはその格好であんまり近づかないでね。しかし、斉藤君、これからも、アメリカ遠征もあるし、早稲田進学かプロ球団入団か、今後の野球生活、野球人生、頑張って欲しいね。ファンのみなさん、マスコミのみなさん、時にはそっとしてちゃんと休ませてあげてね。

Photo_28 ○愛は地球を救う

じじごろう: 時々テレビを見るんじゃが、近頃のお笑いは面白いのう。

ハチくん: え!?じじごろうさん、お笑い番組とか見てるんだ。

じじごろう: ああ。お笑いもいっぱい居るが、何といったか、あの、『欧米か』と言うやつ、あれは面白いのう。

ハチくん: ああ、タカ&トシ。今売り出し中の人気漫才コンビだね。有名だよ。でも、それよか、この辺りでは、じじごろうさんの方がもっと有名だよ。何よりも面白いって。何しろ、ふんどし一枚でふらふら目的も無いように、彷徨い歩く姿が、それだけでメッチャ面白いって。この近所の人たちはみんな、テレビなんか見てるより、じじごろうさん見てる方が、よっぽどおかしくて飽きないんだって、評判だよ。

じじごろう: 何じゃと!?何をたわけたことを言っておるのか、この馬鹿犬め。ふざけたことを言うもんじゃないぞ。年寄りを敬わんか!この知性と教養が噴出しておる、万能の長老である、このワシを!

ハチくん: はい、はい。そう言えば、そうか。じじごろうさんて、最近はテレビ見て過ごしてたんだ(?)。

じじごろう: おう、そうじゃ。今も巷では話題になっておるじゃろう。『愛は地球を救う』と。

ハチくん: ああ。『24時間テレビ』だね。民放TV局が中心になって全国的に行われてる募金活動だ。

じじごろう: そうじゃ。あれでワシもな、運動をやろうと思ってな。この募金箱を持って、この辺りの民家を一軒一軒回ろうかと思おとるんじゃよ。まあ、昔の坊さんがやっとった、托鉢みたいなもんじゃな。

ハチくん: え?駄目だよ、じじごろうさん。『24時間テレビ』は家宅訪問の募金はやってないんだ。警察に捕まるよ、募金詐欺で。

じじごろう: 何じゃと?恵まれない人たちを助ける慈善活動じゃろうが。自分で言うのも何だけど、ワシは立派なホームレスじゃ。募金して貰う権利はある。

ハチくん: いや、多分、募金して集まったお金は、ホームレスの人たちには行かないと思うよ。身障者とか、生きて行くのに大きなハンデを背負ってる人たちとか、世界中の途上国の餓えている人々や、病気に対してろくに医療も受けれない人たちなんかの、諸外国のとにかく本当に貧しい人々に、行くんだよ。多分‥。

じじごろう: 自分で言うのも何じゃし、自慢じゃないが、ワシも貧しいぞ。

ハチくん: う~ん、確かにじじごろうさんは貧しいけど、超人的に元気だし、何しろ、日本の冬をふんどし一枚で越せるし、何食べても平気だし。厚顔無恥で馬鹿みたく精神力も強いし‥。募金を貰う対象じゃないだろうなあ‥。

じじごろう: それは褒めとるのか、けなしておるのか?つまらんっ!本当につまらんっ。

ジャック: あれをやれば良いんだよ。目立つし‥。

ハチくん: あ、秋田犬のジャック。あれって何?

ジャック: 『24時間テレビ』の目玉。24時間100キロマラソンだよ。毎回やってるだろ。今年は確か、のっぽの漫才コンビがやってるんだろ。

じじごろう: おう、秋田犬雑種で野良犬のジャック。おまえもよく保健所の手を逃れておるのう。

ハチくん: ジャック、そうだね。昨年は確か、史上最高齢のランナーで、丸山弁護士だったよね。じじごろうさんが出場したら、最高齢なんてそんなものじゃ効かない、ギネス級超高齢マラソンランナーだ。

ジャック: 超高齢ハゲゴリラ爺さん100キロ耐久マラソンランナー。話題になりそうだ。

ハチくん: うん、そうだね。それで、お腹のとこに大きな空き缶か何か提げて、おもらいしながら100キロ走るの。沿道の人たちから硬貨投げてもらって。いいね。

じじごろう: おう、なかなか良いアイデアじゃな。ハチ、おもらいの空き缶はおまえが持って、後ろからついて走れ。

ハチくん: いやだよ、そんな、恥ずかしい。空き缶なんか提げて、100キロなんて長い距離、とても走れないよ。絶対、無理。

じじごろう: 馬鹿者!おまえらは犬じゃろがっ。

ジャック: 無理無理。この暑いのに。俺、暑いから、涼しい日陰探して寝て来るからな。じゃあな、ハチ。食い物、探し行く時、声掛けてくれ。

ハチくん: ああ。僕もここ暑いから、何処か日陰探そうっと。読書でもして知性でも高めるかな。

じじごろう:  何が、野良犬が知性じゃ。ふんっ、どいつもこいつも、やる気がないのう。そんな事ではこの世知辛い世の中、生きては行けんぞ。ワシは一人で、24時間家宅訪問募金をして回るからな。

ハチくん: 警察に捕まっても、身柄引き取りに呼ばないでね。もっとも犬じゃあ、身元引受人にはなれないだろうけど…。あ~あ、行っちゃったよ。知~らないっと。

Photo_23 ○君の瞳に恋してる

ハチくん: じじごろうさん、何か浮かれてるね、紙切れ持って。おっ、写真?

じじごろう: ああ。ワシは今、恋しとるんじゃよ。

ハチくん: 何だい、それ?あ、週刊誌のグラビアページの切り取り写真じゃん。

じじごろう: ああ‥、せつない、この気持ち。雑種の汚い犬にはわかるまい。

ハチくん: わかんねえよ。解りたいとも思わないけど。何だよ、雑誌の切れ端写真持ってさ。恋しただのって変なことばっか言って。夏場の暑さでついに頭、やられたんじゃないの?それ誰の写真?

じじごろう: 君の瞳に恋してしまった。

ハチくん: 小さな切れ端写真だから解りにくいけど、もしかして、これは‥。

じじごろう: 知花くららちゃん。

ハチくん: おお。知ってる。今、有名じゃんか!何と、世界第2位の美女。今年のミスユニバース世界大会で準ミスに輝いた美女だよね!知花くらら。

じじごろう: そうじゃ。ワシは知花くららちゃんに恋しとるんじゃ。君の瞳に恋してる、なのじゃ。

ハチくん: うわっ、気持ち悪りぃ。大丈夫なの、じじごろうさん?それと何で、君の瞳に恋してる、なの?

じじごろう: それはな。この間、夜のビートたけしがやっておるTV番組見てたら、知花くららちゃんが出とったんじゃよ。で、その時に、彼女のこの1ヶ月の間の忙しさをフラッシュで次々、仕事や生活を映像で流しておってな。その流れる映像のBGMで「君の瞳に恋してる」が使われておったのじゃ。この明るくテンポの良いソウル調の曲が、彼女の陽気で元気な仕事ぶりの映像に実にマッチしておってな。それで、君の瞳に恋してしまったんじゃ。そういう訳。

ハチくん: ああ、80年代に大ヒットした、ボーイズタウンギャングの「君の瞳に恋してる」だね。80年代の日本のディスコでも、当時は掛かりまくり。色あせず、今でもいろんな番組のBGMで使われてる、とっても明るい良い曲だね。あれかあ‥。

じじごろう: 良い曲じゃろうが。それがもう、天使のような知花くららちゃんの絵と実に合っておってなあ。行動的で躍動感あふれる大柄な美女、くららちゃんの動きに、もうぴったし。

ハチくん: ミスユニバース世界二位の美女も、ふんどし一枚の変態ホームレス爺さんに惚れられたんじゃあ、たまんないね。

じじごろう: 何じゃと、貧相な、この野良犬めがっ!ワシのこの胸にときめく純粋な愛を、何ちゅう言い方をするんじゃ!

ハチくん: あははは。それはどうもごめんなさい。知花くららさんは身長が173センチあって、決して細身には見えない、ナイスバディで大柄に見える健康美の女性だよね。南国沖縄出身で上智大卒の才媛だし、性格も陽気そうでアクティブそうだよね。TVの仕事にピッタシのキャラかも。今、忙しそうだね。彼女のアクティブ性と南国育ちの陽気なキャラには、確かにボーイズタウンギャングのCan’t Take My Eyes Off Youの曲がよく似合うかも。

じじごろう: 何じゃ、毛唐の言葉なんぞを使いおって。馬鹿者、日本語でしゃべれ、日本犬の雑種のくせに。

ハチくん: 君の瞳に恋してるの原題だよ。これはもともと1971年のフォーシーズンズのフランキー・ヴァリの大ヒット曲なんだけど、80年代3人組のソウルボーカルグループのボーイズタウンギャングがカバーして、またしても大ヒットしたんだ。僕は最初、男性黒人ボーカルの裏声だと思っていたら、メインボーカルは黒人女性だね。脇二人は白人男性。見るからにハードゲイのような男達だけど。この頃、ゲイがゲイの歌を歌ってるんだ、って噂が飛んでたしね。

じじごろう: どーでもいいよーなことをよく知っておるのう。おまえのような小さな雑種犬は、細川たかしの矢切の渡しとかを、こよなく愛しておるのかと、思ってたぞ。

ハチくん: 小さな雑種犬で悪かったけど、僕は演歌はあんまし趣味じゃないんだ。それよか、ハイカラぶってポピュラー曲なんかの名前を言ってるけど、江戸時代の化石みたいな爺さんのじじごろうさんは、せいぜい軍歌でしょ。ラバウル小唄とか歌ってなよ。

じじごろう: 何じゃと!おのれ言わせておけば、好き勝手なことを‥。この矮小な野良犬めが、退治してくれる!あ、待て、逃げるな‥。

Photo_27 ○ディープインパクト

ジャック: ディープインパクトって馬がよう、ヤク打ってたらしいなあ。俺は元手の金なんて持たねえからよお、競馬はやったことないけど、居るんだなあ、馬のシャブ中。

ハチくん: ああ、この間フランスの凱旋門賞に参加して第三位になった名馬、ディープインパクトだね。実質、世界一を決めるようなレースだからね、世界第三位になったよーなもんだ。シャブ中だなんて言ったら、ジャック、多くのファンの皆さんから怒られるよ。

ジャック: しかしヤク中なんだろ?もっとも馬は自分じゃ注射は打てないんだろうからなあ‥。口とか鼻とかからかな、マリワナとかコカインとか?

ハチくん: どっちにしろそんなもん、馬は自分じゃやれないし、やらないよ。レース後の理化学検査で、フランスでは禁止されてる薬物の成分が検出されたらしいんだよ。日本ではOKな薬物成分なんだけどね。イプラトロピウムっていって、呼吸器系に作用して気管支を拡張する効果がある成分らしいんだ。凱旋門賞に入った3着までの馬に対して検査が行われるのが慣例らしい。まだ今のところ、入賞3着という成績がどうなるのかまでははっきりしてないらしいけど‥。

ジャック: なんだ、気管支がラクになるくらいか。ヤクをやったって言うからよ、俺はまた天国をフワフワ浮いてるようなイー気持ちになるとか、三日三晩寝なくとも頑張れるとか、そーいうのかと思ったのによ。まあ、馬もそんなイー気持ちになっても仕様がねえか。ワハハハ。

ハチくん: ディープインパクトも今年限りで引退らしいけど、まだいくつか国内のレースには出走する。でもこれからの国内レースには影響は無いらしい。薬物もレース対策のドーピングというよりは、治療の為の投与という見方も強いしね。しかし凱旋門賞は失格かもね‥。

ジャック: でもよ、呼吸器がラクになれて、早く走れるんなら良い薬だよな。近頃俺も動くのが面倒臭くてよ。そんな薬でもやって、本来の犬のように軽やかに走ってみたくてな。

ハチくん: 怠けて寝てばかり居ちゃいけないよ、ジャックは。

じじごろう: おう、そうじゃ、ジャック。保険所の犬取りの兄ちゃん達から逃げる為にも、おまえも薬物やった方がイイぞ。

ジャック: あ、いつの間に‥、じじごろう。ハチ、このクソ爺ィを早いトコ何処かにやってくれ!

Photo_24 ○ディープインパクト ‥(2)

じじごろう: 随分長い間、休んでおったのう。先月なぞ一つも記事書き込みが無かったぞ。巷では大変なニュースや事件が溢れかえっておるというのに。この前は、はるか昔、馬の麻薬取締法違反のコト書いた記事じゃろが。え~と、10月19日の書き込み記事じゃ。何をやっておるんじゃ、このブログ主のnaojiiというヤツは。怠けてばっかりおるのう。

ハチくん: それを言っちゃあお終いだよ、じじごろうさん。それに馬の麻薬取締法違反って、ディープインパクトの話じゃないか。10月1日のフランスの凱旋門賞大会のレース前に、呼吸器治療の為に使った薬物が誤って床の寝藁に飛散してしまい、それをディープインパクトが摂取していて、検査時に身体に成分が残っていて、薬物反応が出たってことでしょう(?)。日本の競馬界では禁止薬物でも何でもないものなんだし。ちょっとしたケアレスミスのアクシデントだよ。11月26日のジャパンカップでは見事、優勝したし。巷の大変なニュースって、じじごろうさんの印象に残るのは、例えば何なの?

じじごろう: それは決まっておるじゃろう、あの大事件じゃよ。何ということか、あの日本を代表するような美女キャスターが事もあろうに、漫才師と結婚するなんて!

ハチくん: え?それって、藤原紀香と、お笑い芸人の陣内智則のこと?陣内は漫才師じゃないよ、吉本興行のピンのお笑いタレントだよ。なあんだ、じじごろうさんの言う大変なニュースや事件て、そんな他愛も無い話のことなのか。確かに来春早々、結婚て発表したみたいだね。何だ僕は、もっと大きな社会問題とかだと思ったよ。例えば自殺者が連鎖続出した、各地学校のイジメ問題。ここんとこ、大変な教育問題になってたし。それから、県政の首長たる、地方トップの知事からが汚職に手を染めている、あちこちで噴き出し、騒ぎになっている談合介入などの黒い疑惑の数々。実際に逮捕された県知事も出ている程だし。これも大きな社会問題だ。後は、今は児童虐待事件も数多く続いてるし‥。大変な事件て、そういうニュースじゃないの?

じじごろう: 馬鹿者!藤原紀香だけではないわいっ。この間は、一時期は癒し系の名を欲しいままにした井川遙が結婚してしまったぞ。それから優子りんがお笑い芸人濱口と付き合っておって、優子りんの事務所が横槍入れた事件もあったし、次長課長の井上はグラドル山本梓と付き合っておると噂じゃし、レーザーラモンHGは可愛いモデルと結婚するし、お笑いスピードワゴンのイトダが安達祐実と結婚したのは周知の通りじゃ。マジック漫談のマギー審司は美人モデル嬢と結婚するしな。いやはや今やお笑い芸人は大モテじゃな。井川遙の相手は実業家(ファッションデザイナー)のようじゃがな。とにかくお笑い芸人風情が若い美女にモテまくりじゃが、これこそ21世紀に入ってからの不思議な社会現象じゃろが。異常気象とこの問題は21世紀の特異な大現象じゃ。

ハチくん: 何を言ってんだろうね、この爺さんは。この夏の暑さを通り越してから、脳味噌が煮えて乾燥しちゃったんじゃないの?もう冬に入って寒いんだからさ、煮えて乾燥した脳味噌、冷やして少しでも元に戻さなきゃ。じじごろうさんの言う問題って、全部通俗もいいとこ、芸能界の下世話な話ばっかりじゃん。そんな、どのタレントがどんなグラビアアイドルとくっつこうと、どーでもいいことでしょ?ほら、もっとイロイロと今、世間を騒がしてる問題があるでしょ?タウンミーティングの政府のやらせ問題もあったし。もっと大きい事では、共謀罪法案の国会審議、それから防衛庁の防衛省への格上げ、とかさ。政治の大変な問題がいっぱい世間を騒がせてるじゃん!

じじごろう: 馬鹿者、誰が脳味噌が煮えて乾燥した爺さんじゃ。ワシのような天才的頭脳は時には、低俗なTV番組に出ておる通俗タレントどもの話でもしとらんと、いつも難解な問題ばかりを考えておったらヒートアップして爆発するんじゃ。何しろ高級で精密な電子頭脳みたいなもんじゃからな、ワシの脳味噌。優子りんのフルネームは、小倉優子といって、本人はこりん星からやって来たと言っておるんじゃ、知るまいが、この馬鹿犬。

ハチくん: 別にどーでもいい事だよ、そんなの。あのね、小倉優子は1983年生まれで現在23歳、千葉県茂原市出身で、グラビアアイドル出身のバラエティタレントだよ。それだけ。それからネットのニュースで読んだんだけど、藤原紀香と陣内智則は年内にも入籍して来年早々挙式するらしいよ。別にどおって事ない出来事じゃん、こんなTVタレント同士の結婚なんて。ねえ、何かもっと高い次元のニュースを話そうよ、じじごろうさん!このところの大きなニュースでさあ、プーチン大統領批判を続けていた元FSBスパイのロシア人が、ロンドンで毒殺された事件とかさあ、あるじゃない?大変な国際ニュースが。

じじごろう: おお、聞いたことあるぞ。そのニュースは。その毒物が何でも大変な代物らしいな。いってみれば核物質。人体の中で放射線を出し続けて内臓を破壊し、苦しませながら死に至らせる激毒物。人間の身体の中で小さな核爆発を起こさせるようなもんじゃな。

ハチくん: お、すごい。最近の硬派なニュースを知ってた!毒殺された元FSBスパイの名はアレクサンドル・リトビネンコ氏。最初報道されたのはタリウムと言われていたけど、正確にはポロニウムというアルファ(α)線を出す放射性物質だそうですね。ニュースとしては今、元KGB高官であり、元FSB長官の、プーチン大統領が関与しているのかどうか、問題になってるよね。イギリス対ロシアの国際問題化もしそうな雰囲気だし‥。

じじごろう: う~ん、しかしワシはそういう話よりも、若いネーチャンがどうしたこうしたのニュースの方が良いのう。ほれ、今年のミス慶応のエントリー学生の中にAV出演の過去を持つ娘がおった、という‥。

ハチくん: 知らねえよ、そんなのは。

じじごろう: 今年のミス慶応開催直前になって、大本命と言われていた女の娘が姿を消してしまったそうなんじゃ。何でもその娘が少なくとも14本のAVに出演しておるそうな。内容のエロ具合もなかなか過激なもんらしい。嬉しいな。AV女優としての名前は美濃浬というそうじゃな。是非、見たいものじゃ。

ハチくん: 馬鹿じゃないの?じじごろうさん。イイトシこいて、嫌になるね、全く。また、そんな変態根性出して。年齢を考えなさいよ。もう650歳くらいなるんでしょ?

じじごろう: 誰が650歳じゃ、馬鹿者。それより、馬の話はどうなったんじゃ?ここのタイトルはnaojiiが「ディープインパクト2」にしておるぞ。

ハチくん: ああ。凱旋門賞は失格扱いだけど、ジャパンカップは優勝したし、引退直前の最後の試合に期待が掛かるね。何でも、次の有馬記念当日の中山最終レースの後に、ディープインパクトの引退式を執り行う予定らしいよ。最後の有馬記念では有終の美を飾って欲しいね。

Photo_25 ○ラストクリスマス

じじごろう: おはよう、ハチ。良い朝を迎えたか?

ハチくん: あれ?じじごろうさん。どうしたの?トレンチコートなんか着て。こんな朝早くから、何処か行ってたの?

じじごろう: 冬じゃからな。朝晩は冷え込むし、北風も吹いとるし、ワシだって人並みに冬の格好をせんとな。

ハチくん: でも‥。ちょっとコートの前を開いて見せてよ。

じじごろう: こうか?

ハチくん: ああ、やっぱり下はふんどし一枚の裸なんだ。これで、女の娘の前でコートの前を開けたら、昔で言うデロリンマンだね。

じじごろう: おお、懐かしいのう。その昔、少年ジャンプに載っておった、ジョージ秋山のギャグ漫画じゃな。あの頃から、女の娘の前でコートの前を広げて、中の素っ裸と陰部を見せる一種の痴漢が増え、あの時代からそういう痴漢のことを、格好がよく似ておったことからデロリンマンと呼んでおった。あれじゃな?成程、デロリンマンか。わははは。って、馬鹿者!誰が、デロリンマンじゃい!

ハチくん: 一度は納得してるじゃん。まあ、いいや。超人乞食爺さん、じじごろうさんでも人並み寒さは感じるんだね。良いことだよ、じじごろうさん。で、お召しもの着て、朝から何処行ってたの?

じじごろう: けなされてるか、ほめられとるのか解らん言い方じゃのう。まあ、いいが‥。ちょっと朝のゴミあさりじゃ。朝一の清掃車が来る前に生ゴミを見に行っておったんじゃ。朝飯の確保にな。たいしてめぼしいものは無かったな。これから朝のコンビニの裏廻りじゃ。

ハチくん: さすがだね、じじごろうさん。早起きして食べ物の調達なんて、ホームレスの鏡だよ。間違ってもコンビニ店員の女の娘の前で、トレンチコートの前をはだけたりしないようにね。

じじごろう: 馬鹿者、ワシがそんな不埒な真似をするか!全く、ホームレスの鏡とか持ち上げてみたり、人を痴漢呼ばわりしてみたり。いかんぞ、ハチ!そういう態度は。犬の風上にも置けんぞ!しかし‥、楽しそうでもあるな、女の娘の前でコートの前を広げて、中のふんどしを見せるのは。いや、どうせやるなら、ふんどしも取った方がいいじゃろうな。考えると、何だか楽しそうじゃのう、ワクワクするぞ。

ハチくん: 絶対いけないよ、じじごろうさん!コンビニは残飯のおもらいだけにしとかないと。デロリンマンごっこなんかやると、警察に捕まるよ。

じじごろう: じゃあな、ハチ、ワシは急ぐんでな。

ハチくん: ああっ、もう行っちゃうの?

ニャンゴー: ハチさん、ご機嫌如何ですか?おはようさんでがすね。やっぱり冬だ、朝晩は随分と寒くなりましたね。

ハチくん: あれ?猫のニャンゴーじゃんか。久しぶりだなあー。元気してたの?

ニャンゴー: ええ、まあ、元気は元気ですがね。あの、じじごろうさんは見ませんでした?

ハチくん: え?ああ、今居たんだけど‥。ゴミあさりか、おもらいに行ったみたいだよ。

ニャンゴー: ちぇっ、ちくしょう!また逃げられたよ。

ハチくん: えっ、どうして?じじごろうさんに何か用があるの?

ニャンゴー: 師走に入りましたからね、貸した金、戻して貰おうと思って、捜してるんでがすけど、いつも居なくなるんですよ。

ハチくん: ああ、それで慌てて行っちゃったのか。さすがだな、じじごろうさん、逃げ足は速い。

ニャンゴー: 感心して貰っても困るんで‥。ちくしょう、仕様が無えな。どっちの方、行ったんですかい?

ハチくん: 多分、市の運動公園の向こうの団地辺りじゃないかな‥。あの辺りのゴミ集積所は、ゴミ収集車が来るの遅いから。

ニャンゴー: そうか、あっちの方か。ハチさん、済みませんね。じゃ、どうも。

ハチくん: ああ、またね。

じじごろう: 済まんな、ハチ。当てずっぽうな方向を、猫に教えてくれて。悪いな、かくまってくれて。

ハチくん: あっ!居たんだ、じじごろうさん。コンビニに残飯貰いに行ったんじゃなかったの?

じじごろう: ああ。土管の裏に隠れて、様子を見ていたんじゃよ。猫に、コンビ・・・

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