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北の少年

 
 

 山本まさはる先生の貸本時代の代表的シリーズ「山本まさはるシリーズ」の記念すべき第一作、「北の少年」が電子書籍本のamazon-kindle のナンバーの中にありました。

 

 僕は小学生時代、毎日近所の貸本屋さんへ通っていました。貸本ナンバーの中には、当時、大好きな漫画シリーズがいっぱいありました。山本まさはる先生の漫画もその内の一つでした。毎晩行く資本屋の棚に、山本まさはる先生の漫画があれば、躊躇なく借りて帰ってました。

 
 

 「山本まさはるシリーズ」は最初、大阪の日の丸文庫(光伸書房)から刊行されてましたが、途中、何巻くらいからだろう?第7巻くらいからかなあ?はっきりと記憶してないのですが、途中からは東京のひばり書房からの刊行になりました。

 

 「山本まさはるシリーズ」は貸本で全40巻にも及ぶロングシリーズでした。僕の記憶では、山本まさはる先生の長篇(中篇)作品は、貸本では「山本まさはるシリーズ」しか見た覚えがありません。短編作品は、日の丸文庫の短編オムニバス誌「オッス!」などで見掛けた記憶はありますが。「北の少年」は「山本まさはるシリーズ」の日の丸文庫時代の作品ですね。山本まさはる先生の短編作品は、当時の貸本誌の中で、日の丸文庫発行本以外の短編誌にも描いてると思います。

 
 

 済みません、違います。大いなる勘違いです。「山本まさはるシリーズ」そのものが全部、ひばり書房の発刊です。僕の大きな記憶違いです。申し訳ない。日の丸文庫時代は「山本まさはるジュニアシリーズ」でした。だから、「山本まさはるシリーズ」の記念すべき第1巻である「北の少年」はひばり書房の刊行です。小学一年生時から貸本屋に通ってた僕は、「山本まさはるジュニアシリーズ」も「山本まさはるシリーズ」もどちらも読んでますけどね。

 
 

 僕は子供時代、山本まさはる先生の絵柄も作風も大好きでした。一方でヒーロー漫画やアクション漫画が大好きだった僕は、山本まさはる先生の青春ユーモアや、子供たちの葛藤や、悲しみや辛さを描きながらも、その後で必ずフォローされる、優しさに溢れた抒情性なども、小学生でよく解らぬままに、感覚的に好んでいたのだと思います。何よりも、そういったものを描ききる優しい絵柄が良くて、好きだったんだと思います。

 

 山本まさはる先生の描く世界は、小学生の僕が児童向けの漫画雑誌で読んで熱中するヒーロー漫画やギャグ漫画の世界にない、等身大の子供たちの友情や失敗や、大人の世界への当惑や疑念などや、また、大人の主人公を描いても、世の中の理不尽さや悲しみや辛さを表して見せて、子供の僕に、理屈で論理的に解らせるんでなく、何となく感覚的に、人情とか“優しさ”を肌で感じさせてくれたんだと思います。

 
 

 小学生の僕は、貸本の山本まさはる先生の漫画で、子供ながら、この世の中に存在する現実的な悲しみや辛さと、人々の優しさを、何となく、肌で感じて覚えて行ってたような気がする。子供の僕は、当時、「山本まさはるシリーズ」で“優しさ”というものを勉強したのではなかろうか。とか、思うんだけど。

 
 

 当時の貸本版「山本まさはるシリーズ」の中には、「北の少年」のような本一冊で終わる中篇漫画もありましたが、人気シリーズには、田舎の小学生たちが主人公の「ガン太郎日記」や、中学生の少年が主人公の「お~い中村君」などのシリーズがありました。大人の登場人物が主人公の「探偵屋No.1-ナンバーワン-」というシリーズは、主人公が若者の探偵で、探偵ものの犯罪アクション漫画というよりも、何か抒情的な雰囲気の流れる、人情ものテイストも含んだ漫画だったような気がします。

 

 まあ、僕もこうやって、知ったかな感じで書いて来てますが、事実は、僕は小学生時代、貸本屋で借りて来て一泊二日で読んで返却してたのを、その当時のあやふやな記憶だけを頼りで書いてるんで、何しろ、あれから幾星霜、何十年と経って一度も読み返してないんですから、上記の僕の書いてる文のどのくらいが事実か解ったもんじゃありませんが、だけど、感覚的なものとして、山本まさはる先生が描き出してた世界は、何とも言えぬ“優しさ”に満ちた、気持ちの良い世界だったように覚えています。あくまで僕の個人的な思いですが。

 
 

 電子書籍 amazon-kindle のナンバーには、貸本時代の「山本まさはるシリーズ」の中の人気シリーズ、「ガン太郎日記」のナンバーがかなり揃ってあるようですね。僕も試し読みを二つ三つ、数ページですが読んでみて懐かしく、電子書籍なれど買って読もうかな、と思ったものです。「ガン太郎日記」の中に描かれた、素朴な田舎の子供たちの巻き起こすほのぼの世界。大人たちの醜い欲望、矛盾に満ちた大人たちの行動に疑念を持って立ち向かい、葛藤する純粋な子供たちをユーモラスに描く、みたいなドラマだったような‥。まあ、僕のあやふやな記憶に寄る自信のない感想ですけど。

 
 
 

※Kenの漫画読み日記。2005-02/17「北の国から」

 
 

◆北の少年 (山本まさはるシリーズ) Kindle版 山本まさはる (著)

 
 

◆ガン太郎日記 「温泉騒動…の巻」 (山本まさはるシリーズ) Kindle版 山本まさはる (著)

 
 

 僕は子供時代に貸本屋さんで一泊二日で借りて、「北の少年」を確かに読んでることは間違いないんでしょうが、何しろ何十年も昔、一回読んだだけですから、「北の少年」のストーリーなんて全く記憶してません。いい加減な書き込み記事でどうも済みません。

 
 

 戦後の貸本屋が隆盛していた時代は、総体的にまだまだ貧しい時代で、貸本漫画の内容も“貧しさ”と闘い、葛藤する人々を描いた作品が多かった。貧しい子供、貧しい家族を描いた作品が多かったですね。貧しさに負けない少年·少女たちの頑張りや友情が感動を呼んでいた。

 
 

 高度経済成長期が中期に入って来て、だんだんと人々の生活がそれなりに豊かになって来たら、漫画本は一冊10円15円出して借りて読むものでなく、子供も本屋で市販の雑誌を買って読むもの、読み捨てするものになった。昭和40年代に入ってから貸本は衰退して来て、昭和45年には貸本は完全になくなりました。

 
 

 「北の少年」も当時の貧しさの中で喘ぐ少年の悲しみや辛さと、少年が苦しみと闘う中で触れる、人々の温かさや優しさを描いて感動を呼ぶストーリーだったんじゃないのかな(?)。とか何とかいい加減なコトを書き込んでますが。まあ、amazon -kindle で電子書籍漫画買って読めば解るコトですけど。

 
 
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