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●漫画・・ 「虹をよぶ拳」 ..(1)

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 「虹をよぶ拳」は、プレ「空手バカ一代」の位置にある、熱血青春格闘成長漫画です。 この漫画があってこそ、あの空手劇画大作、「空手バカ一代」が生まれた、といっても過言ではない作品ですね。僕は、「空手バカ一代」よりもこの作品の方が好きだし、思い入れも深い。「空手バカ一代」が週間少年マガジン誌上で連載開始されたのが1971年ですが、「虹をよぶ拳」が秋田書店発行の月刊児童漫画誌、冒険王で連載されていたのが1969年から71年までですね。時系列的には、同じコンビの漫画家と原作者、両劇画作家が、少年を主人公にした空手漫画、「虹をよぶ拳」を終えて、同じジャンルのもっと大作的な大河作品に取り掛かった、という形ですね。「空手バカ一代」は実在した空手の達人、ミスターゴッドハンド、大山倍達を主人公にした伝記的熱血格闘劇画ですが、「虹をよぶ拳」にも明らかに大山倍達をモデルにした空手の達人が出て来ます。「空手バカ一代」が伝記的作品といっても、そのストーリーは少年マガジンの連載劇画としてかなり脚色され、デフォルメされていますけど。「虹をよぶ拳」は全くの創作漫画=フィクションですが、連載時の毎号掲載、漫画のワク外に実在の大山倍達エピソードがコラム的に載せられ、漫画作品そのものの監修が、当時の空手道八段・大山倍達となっています。

 僕は、当時、この「虹をよぶ拳」に全力熱中していて、当時、超大好きな漫画でした。「虹をよぶ拳」の主人公、春日牧彦少年が当時の僕と同世代であり、春日牧彦は勉強だけは出来るが、腕力はもう空っきしもいいとこで、鉄棒懸垂の一回、腕立て伏せの一回も出来ない、こと運動に掛けてはどうしようもなく駄目な少年で、そのために意気地がなく気弱で臆病、引っ込み思案な少年だった。当時の同世代の僕も、体育や運動は春日牧彦少年ほどは劣っていなかったけど、ガリベン秀才春日少年に比べたら、僕は勉強の方が劣等生で出来なくて、まあ、意気地もなかったし臆病で、やっぱり駄目ボーイでしたね。だから当時、この漫画の主人公、春日牧彦と自分を重ね合わせて、この物語を読んでた。だから、この空手漫画に熱中したんですね。

 これは、運動能力が空っきしになくて体育時間の笑われ者で、劣等感まみれのガリベン秀才少年、春日牧彦の、空手との出会い、空手の修行を通して体力的にも、精神的にも成長して行く姿を描く、まあ、言ってみれば一つのビルドゥングスロマン的な漫画物語です。伝記的物語「空手バカ一代」ほどの大河劇画ではないけれど。中学生だった僕は当時、この漫画に影響されて空手道場まで入門しようと見学に行くけれど、臆病者で意気地のない少年だった僕は、その道場の空手稽古のあまりの激しさに慄き、怖くてとても入門は出来ませんでした。まあ、空手は成人して十年、30歳になって道場に入門し、それから10年間、道場に行ったり行かなかったりで、稽古に通いましたけどね。

 ※この記事、「虹をよぶ拳」..(1)は次回へと続きます。「虹をよぶ拳」..(2)へ続く。  

◆(2013-03/08)漫画・・ 「虹をよぶ拳」..(2)

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