2月の末の記事で私は大塚家具の騒動に関して以下のように書いています。
「私が株主だったらすでに経営に失敗した実績のある親子の喧嘩など見たくもない」
そしてもし私が娘だったら、
「企業再生の専門家を連れてきてまかせるので私に投票してね、とするべきだ」とも書きました。
ご承知のとおり3月27日金曜日に委任状合戦の結果が出て娘の勝利となりました。しかし結果を受け当日の株価は1%ほど下げて終わっています。日経平均も1%弱下げているので下げて当たり前という意見があるかもしれませんが、あれだけ世間を賑わした企業の株価ですから、もし娘の勝利を評価するなら株価は上げて当然。1%下げたということは、「誰も勝利しなかったという評価だ」と見るのが妥当です。そして年度の最終日31日の株価は1,500円と総会前日26日対比でマイナス5.2%です。今後の株価推移が大塚家具のさらなる先行きを見通すことになるでしょう。
さて、消費者物価の2月の統計が出ました。消費増税の影響分2%を除いた上昇率はクロちゃんが何と言おうとゼロ%になってしまいました。消費者物価については以前から「先見性のある東大日次物価指数がマイナス領域を示しているため、いずれマイナスになる可能性がある」と指摘してきました。どうやらそれが現実のものとなりつつあります。
同じ日に目立たないように小さな記事にされた「家計の消費支出」の統計が発表されています。GDPの大項目でとても大事な数字なのに何故目立たないようにするかと言うと、もちろん芳しくない数字だからで、景気のいい打上げ花火記事が多い中では真逆の都合の悪い話だからです。2月の家計消費の前年比の伸び率はマイナス1.8%です。前年は3月末まで増税前の駆け込み需要があったという理由ももちろんあるのですが、これまで大本営を支持してきた大新聞の報道による景気のいい話が実態を本当に表しているのであれば、いくらなんでもマイナスはないでしょうというのが私の意見です。今後も食料品などの値上げが実施されるため、全世帯では実質消費はマイナス基調が続きそうです。
上の「消費者物価」と「家計の消費支出」は密接に関係しています。ベースアップのあった一部の大企業の家計とは違い、ない袖は振れない大部分の家計が、物価上昇に対してNO!という必死の抵抗をしているのが消費支出悪化の原因だと思います。労働需給がタイトになっていることを背景に賃上げが進みつつあるためサービス価格は上昇していると記事にはあり、それは今後も継続すると私も思います。一方賃上げに浴していない家計が必死に抵抗している様子は、もう一つ東大日次物価指数プロジェクトの数値にも表れています。総務省の物価統計がバーゲン品を除いているのに対して、東大の日次調査はバーゲン品を含むPOSデータの集積によっています。私のうちでは常にバーゲンに飛び付くので、東大指数こそ消費実態だと思ってしまいます。それによれば「値上がりした商品やサービスに苦しめられている多くの消費者は、ますますバーゲンハンティング指向を強めている」。これが私の言う「アベノミクス、不幸の連鎖」への抵抗です。
大塚家具の娘の勝利と消費者物価統計は何も関係ないものをただ最近のニュースとして並べたのではありません。それを結び付けるのは本日の朝刊にあったニトリの決算です。見出しは「16年連続最高益」。内容は売上が8%増の4,172億円、純利益も8%増の414億円。純利益率10%とはなんとも素晴らしい決算数値です。商品の9割を輸入に頼るため円安に弱いはずがそれをものともしません。一方の大塚家具は14年12月期の決算は営業利益が赤字という悪い状況です。親の勝久氏の主張した従来からの高級路線に対して、娘は中価格帯もターゲットにした路線修正を示して勝利しました。どうやらまだまだ消費者のマインドは決して高級大塚路線へシフトしているのではなく、安いけど「お値段以上ニトリ」を指向しているのだと思われます。
実はうちのそばの世田谷区の環八沿いにニトリの進出が決まりました。ニトリがご近所さんを集めて店舗建設の説明会を開催し、私も出席しました。会場には数十名の住人が出席し、見取り図などを見ながら言いたい放題でした。発言をそのまま出してしまいますと、
・店舗ができるのはしょうがないけど、あのでかい緑色のニトリ看板はダサい
・世田谷区のイメージに合わないから小さくしてほしい
・建物の外装を周囲のイメージに合わせ落ち着いた色にしてほしい
・ニトリの前にいた外資系メーカーの本社ビルはレンガタイルで上品だった
お高くとまった住人の勝手な言い分ではありますが、終わったあとでお互いに話をすると「私、きっと買い物に行くわ」でした(笑)。
世田谷区の住人は不幸の連鎖をご近所の「Every Day Low PriceのOKストア」と、「お値段以上ニトリ」で吹き飛ばします!
一橋大などを中心に実質値上げも反映される
新物価指標を開発したとか。
これってどうなんでしょ?
確かに価格は据え置きでも中身を削ってるものが
最近目立つようにってます。
東大指数と比較すると面白いかもしれません。
ユニクロと地元の八百屋さんや魚屋さんばかりで買い物しています。今年一年は人件費削減という会社の方針のため、10%以上も収入が減らされました。
保険見直しをはじめ、さまざまなお金の使い道を点検したり、お昼をお弁当にしたりして何とか削減分を埋め合わせられましたが、また増税となると使える分もどんどん減るでしょうし、節約にも限度がありそうです。
国民をより貧困にする構造改革路線を継承する安倍政権しか選択肢がないわが国には暗澹たる思いしかありません。
林様のおかげで金融資産は救われました。
しかしながら、普段の家計はアベノミクスが始まってから全く救われていないばかりか泥沼化状態です。
今朝もNHKで将来への不安が理由で家計消費が伸びないとの説明でしたが、一般庶民にはそんな生易しいものではありません。
私は数字に弱いので正しいかは分かりませんが、大好きなコーヒは何度も値上げがあり、毎回10%以上の値上げです。牛乳、バター、油、小麦も然りです。アベノミクスが始まって2~3割の価格上昇です。円安と中国の買い占めにより品薄での価格上昇の商品もありますが、前述の商品等は生活必需品です。これらの上昇分を含めて消費者物価がマイナスに陥るということは必需品でないものが恐ろしくマイナスになっているということでしょうか。
次に家計消費でコーヒーを単体で考えると、安いコーヒーに変更、大容量パックで単価を抑えているのが現状です。今後は毎日飲むことが不可能になるかも知れません。
現実に親戚の年金生活者はコーヒーは嗜好品との理由から飲むのを止めました。
これが現実です。私もアベノミクスが始まってから服飾関係は一切買っていない気がします。
これでは家計の消費が伸びることはあり得まないと思います。優先順位の低いものから予算削減あるいは支出そのものをカットです。
これが国民の99%を占める一般庶民の感覚です。
今日Webで「50歳からのストレスレスな資産運用」というタイトルを見つけたので、おやっと思いのぞいてみたら、案の定米国債運用の話でした。
ストレスフリーではなくストレスレス(笑)となっておりますが、林さんとほぼ同じでした。
ご参考まで。
50歳からのストレスレスな資産運用
http://allabout.co.jp/gm/gc/453399/?FM=rssaa_latest-chinvestment
これってどうなんでしょ?
見てみますね。
>確かに価格は据え置きでも中身を削ってるものが最近目立つようになってます。
確かに価格据え置きで中身を削る姑息な値上げがまかり通っていますね。
昔、味の素が穴を拡げたことを思い出しました。古いか(笑)
私もコーヒー党で、毎日デロンギで淹れています。
豆の値上がりには本当にビックリです。
一番安い豆は意外にもちょっと高級路線スーパーの成城石井で買うことができるんです。そうか、成城石井も世田谷ブランドでした。一番よく買うフレンチ・ローストが450gで1,080円くらい。100g換算だと240円と割安ですが、去年までは890円くらいでしたから、2割の値上がりです。あとは近所のKALDIの安売りデ―を狙います。
>優先順位の低いものから予算削減あるいは支出そのものをカットです。これが国民の99%を占める一般庶民の感覚です。
そのとおり!
>50歳からのストレスレスな資産運用
本当は「ストレスフリー」と言いたいのでしょうが、きっと私のブログのタイトルに抵触してしまうので、ちょっと遠慮したのかもしれませんね(笑)。
しかし米国債がストレスフリーあるいはストレスレスという観念が拡がるのは、よいことだと思います。