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今年の漢字 「激」

2019年12月22日 | ニュース・コメント

  先日発表された今年の漢字は令和の「令」でした。令に続き支持が多かった字は「新」、3番目に「和」、4番目に「変」と、新しい令和時代にちなんだ字が並び、5番目に「災」、6番目には「嵐」と、今年非常に多かった災害関係の漢字が入ったそうです。ではみなさんの一字はなんだったでしょうか。

 

  私は勝手に「激」を選びました。世界中で起こった気候変動の激化反政府運動の過激化、そしてポピュリスト政権の過激化に通ずる字です。なかでも日本での気候変動の激化は、「50年に一度の・・・」という表現が使われる台風や豪雨などが毎月のように襲い、うちのすぐそばの多摩川沿いの地区が浸水の被害に見舞われたことで、風水害は身の回りにあるということを思い知らされた一年でした。読者の方で少しでも被害に遇われた方がいらしたら、心よりお見舞い申し上げます。

   そうした大災害を目の前にしながら政府をはじめとする日本のCO2対策の遅れははなはだしく、COP20会議の横で行われた不名誉な授与式で、「化石賞」を2回も受賞しています。

   一方、反政府デモも世界各地で頻発し過激化しています。特にこの半年、もっとも報道が多かったのは香港でした。警官が過激化するデモ隊に向け銃を発砲する映像はとても衝撃的で、世界に映像が流れることがわかっていてもなお発砲する警官に、共産党独裁の中国という国の恐ろしさを身に染みて感じた瞬間でした。

   反政府デモのコインの裏側には独裁政権、あるいはポピュリスト政権の過激化が存在します。中国や北朝鮮など、憲法に堂々と独裁が謳われている文字通りの独裁国家もあれば、選挙で選ばれた大統領などが独裁色を強めるロシアのプーチンやフィリピンのドゥテルテ、ブラジルのボルソナロような大統領もいます。ポピュリストということではアメリカのトランプやイギリスのジョンソンも同類です。最近の世界はこの「ポピュリストという病」が伝染病のように蔓延しつつあるのが懸念されます。目には目を、ポピュリストにはポピュリストで対抗するという世界の潮流は本当に警戒すべき流れです。

   しかしいわゆる民主国家としてしっかりとしたルールに則って政治が行われている国々までもが、どうしてこれほどまでにポピュリストに支配され、はやり病のように蔓延するのでしょうか。

   その原因はもちろん選ぶ側の選挙民にもあります。最近の世界的潮流で言えば、SNSを駆使した過激な言葉に同調する人々が独裁的ポピュリストの怪物たちを作り上げていると私は思っています。

   その典型はもちろんサイコパスのトランプです。トランプが嫌うニューヨーク・タイムズはトランプのツイッターを逐次分析していますが、11月の記事の日本語訳を引用します。フェイクニュースではありません(笑)。

 

引用

  • ニューヨーク・タイムズは、トランプ大統領の大統領就任以来、1万1000回を超えるツイートを分析した。
  • その結果、大統領は主に誰かもしくは何かを攻撃するためにツイッターを使用していて、5889ツイートがこれに該当するという。
  • 2000以上のツイートが、自身の仕事ぶりを称賛するものだった。

トランプ大統領のこれまでのツイートを分析したニューヨークタイムスは、いくつかの行動パターンを見つけた。

大統領はツイッターを何よりも"攻撃"に使ってきた。同紙が分析した2017年1月20日から2019年10月15日まで、1万1390ツイートのうち5000ツイート以上が誰かもしくは何かを攻撃するものだった。

このプロジェクトに携わった6人の記者たちによると、トランプ大統領はツイッターを自分自身を称賛するために使うのも好きだということが分かった。大統領は2026回、そうしたツイートをしているという。

例えば2019年7月11日には、大統領は自身を「見た目も素晴らしく、賢い、精神の安定した天才! 」と呼んでいる。2019年10月7日には、トルコ経済を「「完全に破壊し、壊滅させる」と脅し、自身の「素晴らしい、比類なき知恵」を称賛した。

2018年7月3日には、「もしわたしでなければ、今頃、我々は北朝鮮と戦争をしているだろう! 」と自慢していた。

 また、同紙の分析によると、民主党が大統領の弾劾調査に向けて動く中、トランプ大統領のツイッター投稿はここ数週間で大幅に増加している。

10月の最初の2週間でトランプ大統領は500回以上ツイートしていて、このペースでいけば、大統領の10月のツイート数はひと月平均の約3倍にのぼる見込みだという。

 引用終わり

  そして実際12月に弾劾が米下院で審議に入った日の1日のツイート数はなんと123回に及んだそうです。一日24時間は1,440分、それを123で割ると12分に一回ツイートしている勘定になります。寝る暇もなかったということで、サイコパスぶりがいかんなく発揮されました。そこで彼には弾劾の勲章とともに、ツイッター大賞も授与しましょう。まったくご苦労様な話です(笑)。

   もっともどこぞの首相も自画自賛では負けていません。昨日12月21日、今年の報道写真展を見ての発言、今年は「日本が世界の真ん中で輝いた年になった」にそれが表れています。

   彼も上記ポピュリスト達とは仲の良いお友達ですから、自分に都合の悪いことは一切無視、もみ消し、シュレッダーにかけ、それをもって無かったことにする。

  そうだ、麻生副総理も同じ穴のムジナでしたね。自分が指示して作らせた金融審議会の報告書の受け取りを拒否。拒否すればなかったことにできるとは、シュレッダーでなかったことにできると思っている内閣府同様、子供じみて気味が悪いほどです。自衛隊の記録やモリカケで、政府によるミエミエのもみ消しはさすがに終わったと思っていたら大間違い、もみ消しも激化の一途でした。

   令和元年も将来はなかったことにされかねませんね(笑)。

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