ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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アメリカで買うか、日本で買うか

2017年11月01日 | 米国債への投資

  『米国債をアメリカ現地の証券会社で買う場合と日本の証券会社で買う場合の違いについて』

  なんだかんださんがコメント欄に投稿された質問にPuffinさんが回答を寄せられました。とても有用な情報が含まれていますので、みなさんにお知らせすべく、本文にて取り上げさせていただきます。

  まず、なんだかんださんのご質問から。

引用

林さん、皆さん、
いつも欠かさずフォローしています。私もこれから米国債を購入していく派ですが、先日口座のあるアメリカの証券会社を見ていましたら、
US TREAS BD STRIPPED PRIN PMTとUS TREAS SEC STRIPPED INT PMTに同償還日でも若干の金利差があり、後者の方が0.12ほど良いのですが、これはいつも林さんが仰っている「流動性差」なのでしょうか?またこの程度の差なのであれば気にせずに購入できますか?もし宜しければ教えて頂きたいです。なにしろ長く待ち望んだ米国債デビューです
やはりアメリカの証券会社のほうが安いみたいです。日本とアメリカと半々でと思っていましたが、う~~ん悩ましい・・??

引用終わり


  このご質問に、Puffinさんから以下の回答が寄せられました。

引用

なんだかんださんへ (Puffin)

2017-10-31 00:52:21

私も、今は米国証券会社にて毎月1万ドルずつ米国債を購入しています。

例示された債券のうち、前者はPrincipal(元本部分)で、後者はInterest(利金部分)で、別物です。

私もどちらを買うべきか迷って、米国証券会社に問い合わせしました。電話に出た方によると、債券に関しては専門部署が違うので、調べて後日連絡する、と言われましたが、直ぐ翌日にお返事いただきました。

米国債券市場での取引は、日本の証券会社の場合の、証券会社との相対取引による一本値ではなく、株式同様に売買希望者間での駆け引きで一日の市場内取引の間でも大きく変動するため、同じ償還日のPrincipal同士やInterest同士でも、どのタイミングで買いを入れるかで当然金額も異なる結果となるそうです。ですから、PrincipalとInterestでも、当然何時何分に約定するかで買値は違ってきます。

私は、Interestの場合、年に2回ずつ利金が償還されるので税金や複利計算の関係で金額が違うのかと思って問いただしたところ、償還はInterestの場合でも定められた償還日に一括して支払われるので償還価額は同じ1,000USD単位になるそうです。

因みに、日本の一本値のように証券会社が最終利回りを計算してくれるシステムは無いので、自分が約定した価額を基に、自分で最終利回りを計算する必要があります。Exelをお使いでしたら、標準で関数が組み込まれているので、一瞬で計算してくれます。

計算してみて吃驚。例えば、2040年2月15日償還の米国債Principalの場合、大引けの終値で約3.8%の利回り。翌日の日本でのその価格に手数料を乗せた相対の一本値価額では約2.7%でした。正確な数字は、自宅にある取引記録ノートに記録してあるのですが、現在、休暇で沖縄旅行中の為、手元にありません。
日本での一本値の上乗せ(儲けとしての手数料や為替変動リスクを加味して損の出ない金額を産出している、との事)は、以前何とか聞き出したM証券の場合、仕入れた米国債の仕入れ値に加えて約3%取っている、と言っていました。

為替の仲値からのスプレッドや、米国への送金手数料、米国での売買手数料などが乗っかりますが、それでもなおまとまった金額を買うのならば、米国市場での取引の方が圧倒的に有利だと思いました。

ご参考になれば幸いです。

引用終わり


  Puffinさん、いつも有用な情報をコメント欄にいただき、ありがとうございます。

なんだかんださんも、有用な情報へのきっかけを作っていただき、ありがとうございました。

せっかくですので、デビューの結果も是非お知らせください。

と言っても、無理に買わなくてもいいですよ(笑)

以上です。

コメント (7)
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