ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

新刊「投資は米国債が一番」幻冬舎刊
「証券会社が売りたがらない米国債を買え」ダイヤモンド社刊
電子版も販売中

米国債は日本で買うかアメリカで買うか・・読者からの質問と読者からの回答

2017年11月09日 | 米国債への投資

  読者のお一人、ぽんきちさんから以下の問い合わせがありました。

  3人の読者の方らコメント欄にとても有意義な回答がありましたので、本文にて取り上げさせていただきます。今後の参考にしてください。

 

ぽんきちさんのご質問

 こんばんは

米国証券会社のお話を興味深く拝見しました。
いくつか質問がありますので、ご回答をいただけ
ないでしょうか。よろしくお願いいたします。

①米国証券会社とは具体的にどちらでしょうか。

②その米国証券会社には日本語が通じる方はいますか。

③口座開設手続きを具体的にご教示ください。

④その米国証券会社が仮に破たんした場合、米国債はどうなりますか。

⑤購入の注文は電話でするのでしょうか。それともネットでしょうか。


(私は毎月三菱UFJモルガンスタンレー証券で購入していますが、電話注文のみです。)


  以下は3人の読者の方からの回答です。 


海外の金融機関を使う・使わないの判断 (弥七)2017-11-05 15:06:00

ぽんきちさん
役に立たないかもしれませんが、私の場合を紹介させてください。私の知り合いに香港まで銀行口座を作りに行った人がいます。証券口座を作るためにベトナムまで旅行に行った人もいます。私も興味がないこともありませんが、私の方針:安全第一と合わないため、もっぱら日本の証券会社だけ使っています。


ぽんきちさんは外国の証券会社の破たんを心配されていますが、それより心配なのは口座の名義人が死んだり判断力を失ったときの対応です。人は必ず死ぬものです。事故などで突然死ぬ人もいれば、緩やかに判断力を失って死ぬ人もいます。外国の証券会社は名義人を複数登録して、万が一の場合に備える仕組みになっているようです。口座番号とパスワードをシェアできる、同じ程度のリテラシーがある配偶者・子供に恵まれた人は心配ありません。そうでない場合が問題です。例えば配偶者のリテラシーが低いのに代理人として登録してしまうと、当人が死んだりボケてしまったとき、配偶者はお金を取り戻すことが困難です。日本の銀行や証券会社であれば、配偶者が窓口に行けば必要な書類や手続きの説明を受けることができます。時間はかかってもお金を取り戻すことができるでしょう。外国の証券会社の場合、絶望的に難しい作業になります。


私の妻は成年後見を仕事としています。妻一人の事務所を持っています。身寄りのない認知症・精神障害者の後見人として、本人に成り代わって銀行や生保とやり取りをしています。日本の金融機関が相手なら、日本の法律に従い成年後見人が本人のためにお金を引き出せます。相手が外国の金融機関の場合、私の妻では手に負えません。海外の金融機関相手の仕事が得意な弁護士が必要ですが、普通の人が雇えるものではないでしょう。
===
海外の金融機関の手数料の安さは魅力ですが、私を取り巻く状況では私が死ぬとき・ボケたときの対応が万全とはいえないため使わないつもりでいます。
日本の証券会社で、そこそこ安い手数料で海外の債券ETFを買えます。買ったETFは特定口座扱いにできるため税金の手続きも楽です。分配金なし・超低コストの日本籍海外債券インデックスファンドもあります。2000年から証券投資を始めた私からすると、夢のような改善っぷりです。いずれ米国債も安く買えるようになると思いますよ。

 

ご参考まで (なんだかんだ) 2017-11-06 14:13:29

ぽんきちさん、
私が利用しているのはFirstade Securies Inc.というオンラインの証券会社です。口座開設はメールでFormをもらい、要求された書類のスキャンデータ(パスポート等)をアップロードするだけで出来たと思います。←郵送でも可


SIPC(Securities Investor Protection Corporation)という組織により50万ドル(内現金部分は10万ドル)まで、まさかの時は補償され、それ以上の部分は保険会社CAPC (Customer Asset Protection Company)が補償と理解しています。


日本語対応はありません、電話、メール、ライブチャットで対応してもらえます。(私はチャットを利用していますが日本時間の11:00~翌8:00で眠たい‼)
この頃やっと堅い文面の重要事項が記された英語に慣れてきたところです。


老いやボケ・・・対策はあまり年限の長いものは買わず、自信がある年齢までで償還させるつもりです。申告のややこしさもありますし・・。(とはいうもののクリックだけでいつでも日本に資金は還流させれます。)私は独身、子供もいませんので、急死の際にはどこにお金があっても所詮、国庫に入ってしまいます!(笑)

 

私の場合 (Puffin)2017-11-06 18:31:33

沖縄にダイビングしに行っていて、やっと戻ってきました。遅レス失礼!

実は米国には日本で言う「証券会社」のくくりに相当する会社はありません。大はゴールドマンサックスに代表される投資銀行(金融危機の際を境に全てが消滅や持ち株会社、銀行傘下の一部門など、となり、今日では事実上は独立した企業体ではない)から、小は個人が立ち上げたプラットホーム開発会社まで、様々な組織体が株式や債券などの証券その他の金融商品サービスを提供する仕組みになっています。

大きなところは原則、法人若しくは機関投資家・超富裕層(米国基準では資産約1億ドル超)しか相手にしないので、日本人の一般個人を相手にしてくれるのは基本的にオンライントレードのプラットフォームになります。

私が作った口座は、(1)なんだかんださんと同じFirstrade Sec Inc(tは一つなのに注意)の他に、(2)SogoTrade、(3)TradeStation、(4)Interactive Brokers、です。

元々米国にて口座開設した理由は、米国債購入ではなく、「恐怖指数」Vixの先物のETN(上場投資証券)の空売り信用取引が目的だったので、米国債取引に適しているかどうかはわかりません。いずれも債券取引には対応しています。

(1)・(2)は英語の他に中国語にも対応しているあたりは、国民一人当たりGDPが世界20位台へと転落している「落日の国」日本との力関係を表しているようで、少なくとも実際の取引では日本語サポートはないものと思って下さい。(3)は2011年に日本のマネックス証券に買収されて子会社となっておりますが、やはり日本語対応は無いですが口座開設はできます。日本人は日本のマネックスを使え、という事なのでしょうか。日本のマネックス証券の米国株口座では同じプラットフォームを使っていますが、日本のマネックスの米国株口座では債券の扱いはできません。

手数料は互いに競い合って刻々と変わるのでどれが有利、とも言えません。

日本と違い、口座開設時に一定額以上の入金及び維持が無いと口座がactiveにならない会社((3)は5,000USD・(4)は10,000USD)もあるので、注意が必要です。

売買注文は単純なネット取引なので専門用語さえ覚えれば言葉の問題はあまりないかと思いますが、サポートに関しては、電話・メール・チャットの方法があります。
日本人の場合は、なんだかんださんのおっしゃる通り、チャットが一番安全でしょう。PCにてスクリーンショットを取れば、会話内容も記録できるので確実だと思います。

会社の信用度については、米国での信頼度が高い、最適なクレジットカードの特典オファー、利率、当座貯金口座、総合口座、各種保険および金融商品を見つけることができる、一般消費者向けの金融ソリューションを提供するサイトNerdwalletでの2017年のBestOnlineBrokerの推奨ではhttps://www.nerdwallet.com/blog/investing/best-online-brokers-for-stock-trading/ (4)が挙げられています。企業の売上規模の参考になる Fortune ランキングでは、1,166位にランクされています。


ただ、米国債は米国だろうと日本だろうと、全てユーロクリア若しくはクリアストリームのいずれかの国際的証券保管機構にて分別管理されているので、どこで購入しても同じことです。

口座開設は英語にてやらねばならないですが、開設までならば日本語で紹介している個人のブログもいくつかあるので、お調べください。


記載が古いままだと意味が無いので、現在もactiveに更新されているサイトには、こんなものもありました http://www.avocado-fes-thought.com/ 。

参考になれば幸いです。


  以上が3人の読者の方からの回答でした。

今後の参考になさってください。

 

コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする