ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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アメリカの金利とインフレの比較  山主さんへのコメント

2016年05月01日 | 米国債への投資

  山主さん、私のブログをお読みいただき、ありがとうございます。山をお持ちなんでしょうか。だとしたらうらやましいですね。

  山主さんのご意見、「こんな低金利で長期債を買うのは大きなリスクだ」と思われる方も数多くいらっしゃると思います。もっともなご意見だと思います。

   しかしいくつか確認したい点があるのと、私なりのコメントがあります。

   まず、山主さんの金利とインフレ率の比較は、アメリカの金利とアメリカのインフレの比較ですよね、念のため。

   その比較は、アメリカで暮らすのであれば意味があると思うのですが、果たして日本で暮らす我々に意味はあるのでしょうか。もちろんドルは国際的な機軸通貨であることから、ぜんぜん意味がないとは思いませんが。

   このブログで解消したい「ストレス」だと言っていることは単純化しますと、

1.日本の財政問題とそれからくる円安、そして日本国内のハイパーインフレ

2.相場変動・・・株式、債券や為替の相場です

   このストレスから解放されたい方に向けて、米国債をお薦めしています。このことはご理解いただけますか。

   ではそれは横に置いて、山主さんのご意見に沿って見てみます。

  ポイントは「アメリカの金利とアメリカのインフレを比較すると今の金利は今のインフレには勝てても、今後のインフレには勝てないだろう。その傍証としては、過去のインフレ率推移だ」という理解でよろしいですか。

   その議論の背景にもう一つあるあるのは、「今アリガネの多くを30年債に投資してしまうと、今後のアメリカのインフレに負けそうなので、ストレス満点になる。」ということですね。

   山主さんの考えに少しだけ近い方はたくさんいらっしゃると思います。少だけというのは、アメリカのインフレに負けるか勝つかを本気で考えている方は少ない。しかし、単純に今の30年債の金利に全部賭けてしまいたくない方は多くいる、という意味です。

   ですので、読者の多くの方はこのブログを読みながら金利動向を気にし、為替動向も気にしています。そこでどうするか。様々な対処をされています。例を挙げます。

   ある方は、ドルへの転換もレートを見ながら徐々にしますが、債券の購入も金利を見ながら徐々に行っています。

   さらに結構な数の方は、年限を30年という超長期だけに投資するのではなく分散して投資される方もいます。たとえば5年債程度を買って持ち切り、その償還時に金利高になっていれば高金利債を買うし、まだならまた短期・中期債くらいにする。

   また対局にいる方は、「とにかく日本のリスク、そして円のリスクから解放されたい」。それでアリガネ全部を米国債にしてしまい、安心感で満たされる方もいらっしゃいます。

   ということで、ストレスの感じ方もストレスフリーへの対処法も各人各様です。

   山主さんもご自分なりのストレスフリーのピクチャーを描き、それなりの投資をされるとよいと思います。もし30年債の金利が5年前の4.5%くらいになったら買うということであれば、しっかりと待ってそれを実行されたらよいのではないでしょうか。ただし普通はその時のインフレ率は今のレベルだとは思えません。紹介されたサイトにある5年前の3%台かもしれません。

   以上がご意見の確認と山主さんに対する私のコメントです。

   返答せずにお休みしようと思っていたのですが、早く回答してしまった方がストレスフリーで休めるので、先に回答してしまいました(笑)。

  他の方でご意見をお持ちの方がいらっしゃれば、遠慮なく追加してください。

コメント (27)
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