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1位三菱商事、2位伊藤忠、3位三井物産・・・

2016年05月25日 | ニュース・コメント

1位三菱商事、2位伊藤忠、3位三井物産・・・

  なんの並びかわかりますか?

資源に入れ込み過ぎて前期に大赤字を計上した商社ランキング?

一部正解ですが、一部不正解。

  ランキングをさらに続けると、4位東京海上、5位住友商事、6位丸紅、7位三菱UFJ銀行・・・これでわからなければ、・・・11位サントリー。

  これくらいまで行くとわかりますよね。

  2016年、文系男子大学生が選んだ就職人気ランキングです。ダイヤモンド社調査です。女子も理系もほぼ同じようなものです。

  このまま200位までいってもグーグル、アップル、アマゾン、フェースブックなど、世界でときめく企業は一切見当たりません。たしかおととしくらいまでは、ゴールドマンサックスだけ入っていましたが、今はいません。

  日本の学生の内向き志向は救いようのない段階に入っているようです。日本の現状や将来に不安を抱いているくせに、いったい何故、おっちょこちょいのななしさんが言うように、外に飛び出さないのでしょうか。

   日本が不安なら、アメリカでもヨーロッパでも東南アジアでも目指せばいいのに。日本の年金に不安を感じたら、アメリカの年金に積み立てたらいいのに。

   ちなみに私は66歳になったのでアメリカの年金の申請をしました。たった四年弱の積み立てですが、毎月300ドル程度いただけるようになりました。手続きは簡単。世田谷区の年金事務所でお願いするだけです。源泉徴収はありますが、毎月の為替レートで円換算するため変動利付債のクーポン収入のようにいただけるのです。

  しかも本人には積み立てた認識はありません。JALの駐在員はネット・ギャランティーだったからです。税金や社会保険料はすべて会社持ち。ですのでニューヨーク郊外でも飛び切り税金が高く、すなわち子供たちのため公立学校ランキングがトップの校区を選んで住みました。教育費はただですが、住宅費はとても高く、会社支給分では間に合わず持ち出しでした。でも子供たちはよい環境で育ち、英語力を身に付けることができました。JALに感謝!

  この年金、私流の自己資産評価をしてみましょう。やり方は私の著書に出ています。

300ドルX 12か月 = 3,600ドル  

あと20年生きるとすると米国債20年物を保有して金利をもらうのと同じです。20年物金利は現在2.2%程度なので簡便な計算をすると、

3,600ドル ÷ 2.2% = 163,600ドル

  つまり私は米国債20年物を163,600ドル分持っていて、2.2%の金利を12回に分けてもらっていることになります。

  年金の安全性は国の安全性と同格ですから、アメリカがつぶれない限り大丈夫です。しかももっと長生きしても、いつまでももらえるのは日本の年金と同じです。月々にすればわずかな小遣いですが、ゴルフに3回くらい正々堂々と行けるのはとても嬉しいのです(笑)。

  日本の学生がかわいそうだと思うのは、せっかく大学生のうちに世界を旅行しているのに、それは旅行でしかない。日本という狭い範囲の視野しか持たないように育てられ、社会人になると会社しか見えない、もっと狭い範囲の社畜として育てられてしまう。会社の明文化されたルールと、暗黙の反社会的ルールを守らされ、遂には社命で犯罪行為まで犯してしまうほどになる。このところの自動車会社や建設関連会社などの不正行為は本当に目に余ります。以前不正行為は食品関係の専売特許だと思っていたらとんでもない(失礼!)。

   こうした日本の風土病は、海外投資家から見れば大きなバッテンです。当然海外にもある程度はあるでしょうが、日本の場合は会社ぐるみだと思いきや業界ぐるみ、果ては日本全体ぐるみと見られかねないほど、芋づる式に出てきてしまいます。

  最初に上げた商社のランキングを赤字ランキングとしておきかえると、商社がいかに横並びで同じ間違いを同時に犯しているかを表しています。それでも学生さんたちはめげずにみんなが横並で商社を目指す。

  我々の就職時代はリクルートの就職情報誌しかなく、横並びはしかたないかもしれません。しかし今は世界の情報をスマホで毎日、毎時手に入れることができ、中小企業の情報もとりたいほうだい。海外企業もいくらでも手に入る時代です。

  たまに電車に乗って周りのサラリーマンや学生のスマホを遠目に見ても、ゲームしか見えません。内容が見なくても目の集中具合、指の押し具合ですぐゲームとわかります。なんともなさけない。

  この議論を息子とすると、「ゲームだって勉強になるさ。ゲーム業界を目指すかもしれないし、ゲーム・プロデューサーを目指せるかも」などと多少は弁護するのですが、自分がスーパー・マリオに入れ込んだことを指摘すると、「うーん、役には立ってないな」と正直に答えます。(笑)


   大前研一・柳井正流に言えば、若者よ

   「この国を出よ」

   でないと、老人のエジキだぞ!

 

  次回は6月4日に予定されているサイバーサロンでの講演会の内容に関してです。

コメント (11)
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