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リンクスランドへ その4 トランプさん、ありがとう

2015年08月15日 | ゴルフ

  何かとお騒がせな大統領候補トランプ氏ですが、この場を借りて一言御礼申し上げます。

  景観のすばらしさをあらわすのに英語には「スペキュタキュラー」という言葉があります。今回のツアーで5ラウンド目に回ったアバディーン郊外の海岸沿いにあるリンクスコース、トランプ・インターナショナル・ゴルフ・リンクスはその言葉にぴったりのゴルフ場です。でも1番ホールのティーグラウンドに立った時に出た言葉はたった一言、「WOW」だけでした。

   これまで海外も含めずいぶんいろいろなコースを見てきたつもりですが、このコースの景観の素晴らしさは私が最も好きなコースの一つであるペブルビーチに負けず劣らずです。2012年にできたばかりのため、まだあまり知られていない新設のゴルフ場ですが、みなさんに紹介させていただきます。

  スコットランドもかなり北の端に近い、北海に面したアバディーンという街の郊外にあります。トランプ氏のリゾート会社はこの10年ほどで世界の名だたるリゾートゴルフ場を買いまくっています。先々週全英女子オープンの行われたターンベリー・ゴルフ・アンド・スパも長いオープン開催の歴史を持つゴルフ場ですが、最近トランプに買収されました。その彼が夢のゴルフコースを作るためにスコットランド中を探し歩いて見つけた理想のリンクスランドに、スクラッチからゴルフ場とリゾートホテルを作りました。世界のゴルフ場業界を席巻しつつあるトランプ・リゾートですが、ここは新設コースにも関わらず、開設の翌年に世界のベスト100位ランキングに入った恐るべきコースです。写真だけでもこの世のものとは思えないほどの素晴らしい景観をみせてくれますので、是非HPのフォトギャラリーでご覧ください。

 http://www.trumpgolfscotland.com/photogallery.html

   ミュアフィールド付近でのプレー以降、グループは2手に分かれ、我々は二人でこのコースに挑みました。どこで写真を撮っても絵になるコースなのですが、いきなり北海に面した14番ホールに進み、景観の案内をします。基本的にコースは海外沿いに南北に拡がっています。北に延びる14番ホールのティーグラウンドは南に延びる18番ホールのティーグラウンドと背中合わせになっていて、そこはティーグラウンドというより、高台にあるパノラマ展望台と言ったほうがふさわしい場所でした。

   この日も最高の天気には恵まれ、HPの写真と同じ景色を堪能することができました。あまりのすごさに、はっきり言ってゴルフをしにきたのか、写真を撮りに来たのかわからないほどでした(笑)。

   このコースのすごさは景観だけではありません。グリーンやフェアウェイの芝の完璧さもさることながら、ホールとホールを結ぶ歩経路の芝生も、完璧に生えそろっているので、パターの練習をしながら歩きたくなるほどなのです。その手入れされた緑と自然そのままのラフのちょっと茶色がかった色彩のコントラストが、まさにリンクスの景観を織りなしています。

  ティーグラウンドから見るラフの恐さは、どのホールでも思わず逃げ出したくなるほどで、ショットが左右にブレるとキャディーからすぐSAYONARAと言われてしまいます。もう探すことはできないよ、という意味です。

  特に最終18番ホールはフィナーレを飾るにふさわしい劇的なホールで、グリーンまでになんと18個ものポット・バンカーが爆撃の跡のように口を開けて待っています。一ホールで18個とはなんともひどすぎるハザードなのですが、その間を縫うように打って行くのは、他のコースでは絶対に味わえない、ここだけのプレーの醍醐味です。

   我々は最後まで晴れた天気の中でゴルフができましたが、最終ホールで東側にある北海の上は雨が降っているようで、海上に見事な虹が出ていました。  

   プレーを終えて最後までなくならずに18ホールをラウンドしてくれたボールに感謝の意を込め、パターと一緒にグリーン上で記念撮影をしました。長年ゴルフを続けてきて本当に良かったと思える一日でした。先ほどのパノラマ展望台から私の撮った写真や、この最後の写真をご覧になりたい方は、フェイスブックの林敬一をごらんください。

   近年いくつかの新しいリンクスコースがこのゴルフ発祥の地スコットランドにも作られています。専門的には「モダン・リンクス」という分類に入るのだそうです。ゴルフコースの素晴らしさを評価するには、ある程度確立された基準が設けられています。どんな基準か、いくつかを羅列します。

 ・ホールの戦略性;攻略するためにはしっかりとプランを立てる必要性がある

メモラビリティ;一度プレーしたら、忘れ得ぬほどのホールである

コースメンテナンス;グリーン、フェアウェイ、バンカーなどのきれいさ

景観;コースと周辺の自然がマッチし、独自の景観を作り出している

全体の起承転結;穏やかにスタートし、途中にヤマ場があり、最後は劇的フィナーレを迎えるような構成

   というような具合です。もちろん個々の評価は純粋に主観でしかありません。しかし私の友人kimiさんのように世界の素晴らしいゴルフ場を数百カ所も回っていると、ある程度評価基準が定まってくるため、相当程度客観性を持った評価ができるようになります。まあ言ってみればミシュランの評価者と同じです。彼は昨年、イギリスに本拠を置く「世界のベスト100コース」の選定委員会の委員に任命されています。その肩書きは今回も随所で威力を発揮し、我々のツアーが順調に行ったのも、彼のおかげです。その彼も上記の基準などに照らし合わせ、できたてではありますがトランプ・インターナショナルについて高い評価を与えています。

   今週は全米プロゴルフ選手権がウィスコンシン州にあるモダン・リンクスの一つであるウィッスリング・ストレーツというゴルフ場で行われています。全長7,970ヤードもあるモンスター・コースです。このコースも98年開場の新しいコースなのですが、すでにメジャーである全米プロ選手権を3回も開催するという快挙を成し遂げました。今年のメジャー4大大会はいつも決まったコースのオーガスタで行われるマスターズを除くと、他の3回ともリンクスタイプのコースでの開催になっています。どうやら時代はリンクスへ大きく回帰し始めたようです

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