ウクライナ情勢を巡って世界の金融市場は荒れ気味です。こうした時にはいつものように米国債が買われています。ウクライナ情勢はまだ収まったわけではないのですが、こうした市場の動揺をどう考えるべきか、私なりの心得をみなさんにおしらせしたいと思います。
まず教訓とすべきことは、
1.ウクライナの政変など誰も予想はできなかった。こうした予想もつかない出来事は世界の各地でこれからいくらでも起こる
2.市場が荒れた時にこそ、何が本当の安全資産なのかの見分けがつく。今回も買われたのは米国債、ゴールド、為替は円ドルレートだけを見れば円高に振れているが、実際には世界的には円・ドル・ユーロが買われている
3.今回のように局地的な緊張状態により市場が動揺するときは、一般的にはリスク資産への投資のチャンスとなる
さて、以上のようなことは「投資のABC」として是非心得ていただきたいことです。特に株式市場に投資をされる方は、一般的には市場が動揺すると買いの手を引っ込めてしまいがちですが、それではあのバフェットじいさんのようにリーマンショックをチャンスと捉えて勝ということはできません。
もちろん今回のウクライナ問題はまだおさまりがついていませんので、市場の動揺が収束するのかさらに大きくなるのかわかりません。しかし私は次のような予想はある程度つくと思っています。それは、
・今回の紛争はロシアとウクライナの局地的紛争で、大きな拡がりはない
・ロシアと旧ソ連邦の諸国との紛争はいつでもどこでも起こりうる
・ロシアはグルジアなどとの間でも同様な介入はやっていて、そうした紛争は地域限定紛争にとどめる戦術をとる
長期的にみればロシアは経済成長に陰りが出ていて、その分政治力にも陰りが出ているため、世界、特にアメリカを相手に下手なまねはできなくなっているのです。
こうしたことを前提にするなら、市場が動揺して下げを演じていれば、それは絶好の投資機会を与えてくれることになります。
いずれにしろ株式投資に比べると超安全な債券に投資することがいかにストレスフリーの投資であるか、あらためて再認識させられました。