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アベノミクス相場をどう見るか

2013年04月02日 | ニュース・コメント
  昨日から新年度に入りました。株式相場は4月1日に263円安と、相場に若干の変化が生じています。3月21日のピークから5%ほど低下しました。

  変化の兆しは、外人の買越し額がスローダウンした頃から始まっています。何度か申し上げましたように、今回の株高の最大の要因は外人買いです。そしてすでに外人は4兆円程度買い越したのですが、東証の発表によると3月11日―15日の週にわずかな売り越しに転じ、それが18日―22日には比較的目に見える売り越しに転じました。金額は以下の通りです。

       3月11日―18日     18日―22日
外人売買    △44億円      △918億円


  もちろんこれに買い向かっているのは日本人です。日本人全体の買い越し額はおよそ上記の数値の符号を反対にすればよいのですが、その日本人の中身が問題です。日本人の中で個人の売買数値を見てみましょう。

            3月11日―18日    18日―22日
日本人個人売買    +65億円     +3,136億円


外人売りに立ち向かい、18日の週にはむしろそれを凌駕する買い越しになってきました。

  私の警告を思い出してください。私はこのラリーが始まってしばらくして、「ゆめゆめこの相場に飛び乗ったりしないことです」と申し上げました。理由は外人が買い越した株を肩代わりしてくれる人を探しているからだ、とも申し上げました。

  その一方で、株を買っている外人は円安で損しないよう円安のヘッジを行っていて、株を売る時はそれを巻き戻す、つまり円を買い戻すことになるとも書きました。

  円ドル為替レートは、3月11日の週に96円台後半の円安ピークを付け、その後若干円高に振れつつあり、現状では92円台に入っています。私の言う巻き戻しが入っている可能性を示唆しています。

では、今後をどう見るか?

  相場はまずは明日・明後日(4月3日・4日)の日銀政策決定会合で何が出るのかを見ることになります。黒田氏はこれまでさんざん日銀に対して異を唱え、岩田氏はほとんど罵詈雑言と言ってもいいくらいの言葉を吐き続けてきました。本日(2日)の衆議院予算委員会でも黒田氏は と繰り返しました。

さあ、お手並みを拝見しようではありませんか!

コメント (3)
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