ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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明けまして、おめでとうございます

2013年01月03日 | ニュース・コメント
  みなさん、明けまして、おめでとうございます。

  昨年このブログはみなさんのお蔭で累計のアクセス数が20万件に迫りました。goo blogのランキングでも180万件ある中で一昨年は1万位台だったものが、昨年は5千位台くらいまで順位を上げています。

  こうしたランクを私はあまり気にしていないのですが、1ケタ違うところに達するとさすがに「一層中身を濃くし、磨きをかけよう」と思うようになりました。ランキングは、努力することへのインセンティブになるのだと気付きました。

  「私のブログは私が一人で作っているものではなく、コメント欄を通じたみなさんとのやりとりが作っているのだ」と思っています。それがこのブログの生命線です。私はみなさんからコメントをいただくと、ついつい頑張ります(笑)。みなさんも是非コメントを通じたやり取りで今後もご支援をお願いいたします。


  昨年末はベトナムに旅行していました。ベトナムはとても元気でした。そのお話は次回させていただきます。

  さて、年末年始は株高・円安に加えて、アメリカの財政の崖問題がニュースを賑わせていました。すでに外債投資をされた方は、円安大歓迎。これから投資をお考えの方は「円安スイッチ、はいっちゃったのかな?」というななしさんからのコメントが本格的に気になるレベルに達していることと思います。

  米国財政の崖問題は、もつれながらも断崖に落下することなく無事にヤマを越えました。もちろん今後もすぐまた崖が迫ることになるのですが、どうぞご安心を。米国発の危機など起こりませんので。

  米国株式相場を見ると、過去の学習効果が見てとれます。11年8月のデフォルト騒ぎの時と今回の崖騒ぎを較べると、株式の変動幅は約3分の1程度に低下しました。11年8月、株式相場が暴落をくりかえしている最中に私は「議会が合意に失敗してデフォルトが起こっても、それはスリップダウンでたいしたことはない」と申し上げました。株式相場は大荒れだったのに、当の米国債市場は微動だにしませんでした。今回も同様です。米国債相場そのものも、また米国債CDS相場もピクリともしていません。

  さて、気になるのは為替です。年末の旅行前に、「米国債の金利」「円ドル為替レート」について私のレベル感をみなさんにお伝えしました。私の見方はとても長いレンジで見ているので、いまかいまかと投資タイミングを計っている方にはのんびりし過ぎに思えるかもしれません。

  例えば円ドルレートについては、「2015年プラスマイナス1・2年が大きなターニング・ポイントになる」と何度か申し上げていました。それからすると12年末のこのタイミングでの円安は、まだちょっと早い、ということになります。

「1ドルが87円に達した今でもそう考えているの?」という質問に、私は

「はい、依然そう考えています」とお答えします。

  11月14日の安部発言の前後から円安に向かい始めた原因は、安部政策と日銀政策が成功することを見越した投機的な動きです。ファンダメンタルズを見ると劇的な変化が起こっているわけではありません。

  しかし、「投機筋の円売りポジションは、この円安を利用して手仕舞に向かうだろう」と思っていた私の見通しはまだそうなっていません。そのままポジションがキープされさらなる円安に向かうか、手仕舞いで円高に戻るか、結果まだ出ないようです。

  私は、投機筋の円売りポジションをはるかに凌駕するほど日本の投資家がこぞって円安に賭ける、という事態に至らない限り、ポジションの巻き戻しにより円高に戻る、と見ています。つまりは依然として、本格的に円安のスイッチが入るまでには至らない、と見ています。

  もっともいったん87円までの円安を見た後、70円台に戻るかといいますと、チャンスをうかがう投資家が待ち受けるため、簡単ではないと見ておく必要があるかもしれません。

  為替を見通すのに一方の当事者の都合だけ見ていたのでは不足です。他方の米国もしっかり見ておく必要があります。

  みなさんもこのところのアメリカ経済に対するエコノミストやマスコミの見方が悲観から楽観へ大きく変化しつつあることに気づかれていらっしゃると思います。

私がこのブログでも著書でも繰り返し述べていたように、彼らはアメリカ経済の分析を間違えていました。

  私が著書で言っていたのは、

① リーマンショックの本質はサブプライムという限定されたバブルの崩壊にすぎない
② アメリカに失われた10年など来ない


そしてこの1年言っていたのは、

③ 住宅建設はすでに回復
④ 製造業もアメリカへ回帰しつつある
⑤ 資源大国への道を歩む


  どうやらこうした見方が正しかったことが明らかになってきています。そしてそれは長期的にはドル高への大きなサポート材料です。

今回はここまでです。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

つづく


コメント (1)
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