赤いハンカチ

夏草やつわものどもが夢のあと

▼敗軍の殿(しんがり)に見る露兵の野蛮性

2022年04月18日 | ■ウクライナに栄光あれ

 ウクライナの首都キエフから近い北の方向にあるブチャにて銃殺された市民の遺体が数百という数で街道沿いに転がされたままで見つかったとの映像報道を見た。ブチャは2月24日以降ウクライナ国の首都キエフ攻略を目指して侵攻してきた何万というロシア軍が一月が経っても結局キエフを攻略できずじまいで、数日前にベラルーシの方向に敗走していった途上にある近郊の町である。

 何があったのか、こんなひどいことを本当にロシア軍がやったのか、ロシア軍でなければ誰がやったのか、案外にロシア軍を貶めるためにウクライナ側が捏造した画像報道ではないのか、とうとうとやんややんやの騒ぎである。ただ、一般論として敗軍の殿(しんがり)、すなわち最後に敗走していく一隊の兵らは、こうしたことをよくやるものだと云う織田氏(元航空自衛隊空将)の話を、昨夜ある動画トーク番組(文化人放送局)を視聴して納得した。

 2月24日にウクライナとの国境線を越えて侵略してきたロシア軍の作戦上の目論見は、せいぜい一週間もあればキエフを占領できるだろうとの戦略を立てていたらしい。兵隊らは、そう聞かされていた。そしてその分しか兵站(食料、弾薬など)の用意はなかったらしい。

 ところがウクライナ軍の激しい抵抗にあい一週間たっても、それ以上には進軍できなかった。何万という兵隊が、キエフ近郊の町に足止めされ生活していたのである。その一つがブチャだったのだろう。ここから時々キエフ方向に向かって砲撃を繰り返すのがせいぜいだった。結局、一週間がすぎて・・・持ってきた食料も弾薬もつきてしまった。現地調達が始まる。最初から市民を殺してしまったほうが調達はなんぼか早くなる。金はないが銃がある。略奪の初めに虐殺があるのである。少なくとも同時進行で挙行されるだろう。腹をへらした彼らには、もはや人間らしい気持ちなど一片もない。パンのひとかけらを奪うために、たったそれだけの理由で民家に押し入り殺しまくる。

 さらに一般的に敗軍の殿(しんがり)とは追っ手を恐れ、また証拠隠滅のためにも、町をめちゃめちゃにして逃げていく。あまつさえ地雷を、そこら中に埋め込んでいく。これで惨劇がおこらないはずはない・・・と。ロシア兵は、それをやったのである。キエフ攻略の作戦は失敗したものの、せめて命拾いした露兵は協力国であるベラルーシ方面へと、ほうほうのていで逃げて行った。

 さても、さきほど次なる報道を見た。

●ロシア兵、略奪品を母国へ発送か 洗濯機にテレビ…映像流出・・・共同通信社 2022/04/09 15:20 

洗濯機にテレビ、電動スクーター、エアコン―。ウクライナに侵攻したロシア軍兵士らが、市民の自宅や商店から略奪したとみられる品物を隣国ベラルーシから母国へ送っていた疑いが浮上した。発送手続きの様子を収めた映像が流出した。英紙タイムズが9日までに伝えた。映像は3時間ほどで、ベラルーシにあるロシアの宅配サービス会社の支店で、軍服姿のロシア兵ら10人以上が興奮気味に品物を包装し、発送する様子が捉えられていた。発送物の重さは計約2トンに及んだという。(ロンドン共同)

 

コメント (5)
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