<「オリガ・モリソビナの反語法」集英社文庫表紙裏>
今朝は、寝床で目を覚ましたと同時に一昨日から読んでいた米原万理さんの本を、ふたたび手に取って読みはじめた。米原さんの唯一の小説と言われている「オリガ・モリソビナの反語法」である。わたしはめったに栞(しおり)は使わない。読み終えたページの下の隅を「犬の耳」にしておく。昨夜折っておいた犬の耳から推定するに残り約100頁あまりであった。二時間もあれば読了できるはずだった。だがめずらしく窓外には青空が広がっていた。カーテンが涼風に揺らいでいた。ねぐらに入ったまま読み終えるべき本ではないと悟ったのかもしれない。秋のニッポン晴れの下、著者の気持ちをどこまでも想像し胸ふくらませつつ物語の大団円を迎えたく、せめて街中に出ていこうとカメラと、この一冊をザックに放り込んで、そそくさと家を後にした。
今朝は、寝床で目を覚ましたと同時に一昨日から読んでいた米原万理さんの本を、ふたたび手に取って読みはじめた。米原さんの唯一の小説と言われている「オリガ・モリソビナの反語法」である。わたしはめったに栞(しおり)は使わない。読み終えたページの下の隅を「犬の耳」にしておく。昨夜折っておいた犬の耳から推定するに残り約100頁あまりであった。二時間もあれば読了できるはずだった。だがめずらしく窓外には青空が広がっていた。カーテンが涼風に揺らいでいた。ねぐらに入ったまま読み終えるべき本ではないと悟ったのかもしれない。秋のニッポン晴れの下、著者の気持ちをどこまでも想像し胸ふくらませつつ物語の大団円を迎えたく、せめて街中に出ていこうとカメラと、この一冊をザックに放り込んで、そそくさと家を後にした。