世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

フォンニャ洞窟への観光の入り口に位置するドンホイは、ビーチリゾートで、冬に行くと人の気配が無く、次は夏に行きたいところです(ベトナム)

2023-03-05 08:00:00 | 世界の町並み
 ベトナムの山の中の小さな村が、村はずれに巨大な鍾乳洞が発見されて世界遺産に登録され、その名前が世界に知られるようになった村がフォンニャでした。しかしフォンニャ洞窟は有名になりましたが、フォンニャ村はまだまだ静かな山奥の村に過ぎないようです。フォンニャの洞窟群をじっくり見学する人や、田園ののんびりした時間を過ごしたい人以外は滞在する観光客はあまりいなく、日本人は皆無に近いようです。代表的なフォンニャの洞窟の見学者は、空港のある海岸近くのドンホイからツアーで往復するようです。今回は、フォンニャ洞窟の実質的な観光基地のドンホイを紹介します。

 

 ドンホイは、ベトナムの首都のハノイの南00kmほど、飛行機で1時間ほどの海に面した人口15万人ほどの地方都市です。人口15万人というと武蔵野市くらいの都市なのですが、周辺に空港がないためか空港があって、到着出発併せて1日に14便も飛んでいて、将来は国際空港化する予定ですから、日本の地方空港顔負けですが、世界遺産のおかげでしょうか。ただ、このドンホイでも日本人観光客の顔はほとんど見かけず、ハノイからの飛行機で日本語のできる現地の人から、珍しがられました。日本人がフォンニャ洞窟に行く日本語ツアーは日本人にお馴染みのフエを起点とするもので、バスの移動だけで往復6~8時間もかかり、1か所の洞窟だけ見てでさっさと見て引き上げるようです。

 
 
 後で調べてみたら、ドンホイはビーチリゾートの観光地のようでした。筆者が訪問しのは真冬で、かつ異常気象だったのか日本と同じくらいの寒さでした。泊まったホテルも冷房はあっても、暖房が無かったのでは思われる寒さでした。曇天の浜辺は人の気配がなく、沖の方で白波が砕けていました。ビーチのそばには、多くのホテルが立ち並びますが、コロナのあおりを受けたのでしょうか、工事の途中で放棄されたと思われる建物もありました。寒空の中を散歩したところをいくつか紹介しましょう。

 
 
 
 
 地図でドンホイを見ると町の中心に函館の五稜郭のような要塞があります。こちらは変形四角形というか八角形とも取れ、なかなか個性的な水路を備えたシタデルです。ただし、五稜郭のような展望台は無いので、地上からでは仁徳陵墓のように折れ曲がった掘割が続くのが見えるだけです。参考に、Googleから衛星写真をお借りして載せました。要塞の内部は公的な建物ばかりのようで、市庁舎や裁判所などの役所や、博物館、ホーチミン記念公園には群像とその後方には記念寺院もあります。要塞としての遺構は、水路沿いに作られたレンガ米の一部や水路の石橋の先に城門があるくらいです。

 
 
 
 博物館は残された城門を入ってすぐのところで、入場無料でしたが、ベトナムの生活の歴史や、ベトナム戦争関連の展示が盛りだくさんです。建物も立派だし、入ってすぐのホールの中央には巨大なレリーフが飾られています。オフシーズンだったせいなのでしょうか、入場者にあまり会わなかったのは寶の持ち腐れのように思いました。


 
 
 
 この博物館と対向する西側に広い場所を取っているのがホーチミン公園で、突き当りにはホーチミンを中心にした巨大な群像と両脇にはレリーフ状の群像で、こちらは裏側にも群像が彫られています。裏側にあるお寺は、中国風で、孔子廟を思わせますが、大きな梵鐘で日本を感じる面もありました。

 
 
 
 シタデルから北へ海岸沿いに散歩をすると、ニヤットレ川の河口付近には漁港が広がり、四つ手網のようなものもあります。海岸のそばではなく、少し奥まった丘の上に灯台があったりします。さらにベトナム戦争で破壊された教会の残骸もあり、ベルリンの同じような残骸を思い出します。下降の先まで行くと、やはりベトナム戦関連の記念碑が建っています。資料が無くてあまりはっきりは分からないのですが、ドンホイ出身のベトナム戦で戦死したチュオン・パッフをたたえるもののようです。この記念碑の向こうを米軍の爆撃機ではなく、ドンホイ空港に向かうエアバスの旅客機が横切っていきました。

 五稜郭やドンホイのシタデルは星形要塞と呼ばれ、火砲に対する防御力を高めるため15世紀にイタリアで作られるようになった要塞の形式だそうです。鋭角的に突き出た部分が死角を無くするという発想でしたが、新選組の一部が立てこもって明治政府軍と戦った函館戦争では落城してしまいました。落城にはいろんな理由があったのでしょうが、完全な防衛というの難しいということでしょうか。コンピュータシステムも種々の街亭にさらされ、防衛のためにファイアウォールやウィルスチェッカーなどありますが、最新の防衛システムが装備されていると思われる公的な機関のサーバーが乗っ取られて話題になります。完ぺきというのは難しいし、最後はシステムを扱う人間之問題かもしれません。