世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ブダペストのブダ側は、起伏の多い地形に王宮や教会が建ち、山の中には子供鉄道も走っています(ハンガリー)

2018-03-11 08:00:00 | 世界遺産
 前回はハンガリーの首都のブダペストのうち、ドナウ川の左岸(東側)のペストを紹介しました。行政や交通の要はペスト側に集中していますが、右岸(西側)のブダ側には、旧王宮などもあって、ペストとは違った顔を見せています。今回は、前回の続きでブダペストのブダ側を紹介します。

 
 
 今回紹介する右岸のブダは、左岸のペストが、平地が多い街並みに比べて、起伏の多い地形です。旧王宮やツィタデッラ(要塞)のあるゲッレールトの丘などはドナウ川のそばに丘があり、川の西2kmほどには標高482mのセーチェニ山塊があります。これらの高台に上ると、ドナウ川を挟んだブダペストの町並みがよく見られます。

 
 ツィタデッラの麓には、20世紀初頭にアールヌーボー様式で建てられたゲッレールト温泉があります。内部は神殿のようで、モザイク・タイルで装飾されています。水着を着て入る巨大な温泉プールの他に男女別のサウナや少し温度の高い温泉がありました。また、セーチェニ山には、大人の監督のもとに子供たちが駅の業務や運転を行っている子供鉄道が走っています。麓から、ラック式の登山鉄道で264mの標高差を上ったところに起点駅があり、11kmあまりの760mm狭軌の単線鉄道が引かれています。山肌に沿って曲がりくねった路線は、森をかき分けて進み、時速は20kmほどもでるかどうか。移動の手段ではなく、子供たちの活躍の姿や、森林浴を兼ねて時間があれば乗ってみるのもいいかもしれません。

 
 
 ブダ側で最も目立つ観光施設の一つはブダ城です。現在のブダ城の原型は18世紀にハプスブルグ家のもとでバロック様式で再建されたもので、その後の火災や大戦により被害を受け戦後に修復したものです。現在は、3つの博物館として使われていますが、丘の上にドームを持つ姿はペスト側からも目立った存在です。鎖橋の付け根あたりから、王宮のそばまで小さなケーブルカーが走っていて、上るのが苦手な人には便利かもしれません。

 
 旧王宮の北側にはマーチャーシュ聖堂が建っています。14世紀に五市区様式で建てられましたが、16世紀から17世紀にかけてオスマントルコに支配されたときには、モスクに改造されていたそうです。正面の右手にある尖塔が目立ちますが、内部もなかなか綺麗な聖堂です。聖堂前の広場には三位一体像があり、こちらも天を突いています。

 
 そして、聖堂の東のドナウ川に下る斜面に張り付くようにあるのが漁夫の砦で、20世紀初頭の建国千年祭の時に建てられたものです。マーチューシャ聖堂との間には初代ハンガリー国王のイシュトバーン1世の騎馬像が立っています。の

 ブダペストの子供鉄道は、旧ソ連などで行われたピオネール活動の一環とした教育活動として運用されています。ボーイスカウトをお手本にして、優秀な子供たちを集めたエリート教育の一種だそうです。早くから、実社会の活動を経験させ将来の幹部となるべき英才教育自体は悪くないと思います。机上の知識で頭でっかちになるより、現場を知ることは重要とおもいます。コンピュータに慣れさせるためとか言って、ゲームっしたり仮想空間の経験しかできないタブレット端末などを与える親よりはずっと理にかなっているでしょう。