世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

夜祭、札所、古い町並みに丘一面の芝桜と盛りだくさんの秩父

2007-08-12 17:02:55 | 日本の町並み
 細雪のふるさとであった神戸の住吉を流れる住吉川の上流の鶴甲山は宅地造成で山を削られてしまいました。一方、セメントの材料の石灰岩を採るため山容が変わってしまったのが武甲山です。どちらも甲の付く山というの似ているかもしれません。武甲山を見上げる秩父は首都圏にあって古い町並みや祭り、それに札所めぐりなど個性的な町のひとつです。

 秩父市は埼玉県の西端、長野県や山梨県とも接しています。秩父へは、西武の秩父線が開通する36年前までは、熊谷から秩父鉄道を利用してのアクセスで、東京から2時間以上かかっていました。首都圏からはずいぶんと遠い存在のようでしたが、現在は池袋からレッドアロー号に乗車すれば1時間15分ほどで着いてしまいます。

 秩父を代表する祭りといえば、秩父神社の夜祭でしょう。京都の祇園祭、高山祭りと並んで三大曳山祭りととして有名で、闇が無用な雑物を消し去るので、曳山がそれだけ引き立つのではないかと思います。

ただ、昼のお祭りと違って、数少ないであろう宿泊場所を確保することを考えると、ちょっと気後れがします。その秩父神社は、西武秩父駅から歩いてもすぐで、祭りの時にはす大変な人の数になるのでしょうが、普段は神社の歴史や、社殿に彫られた彫刻のことまで説明をしてくださるボランテイアの方々が目立つくらいです。

 大変な人の数といえば、春の羊山の芝桜見物も大勢の人が訪れるようです。シーズン中は西武秩父の一つ手前の横瀬を降りて20~30分くらいの道は行列状態になります。丘を登りきったところに開けるのは、武甲山をバックにしたピンクや白の花の絨毯です。

日本の花は1~2輪静かに咲いている姿から、大きな自然を想像させるケースが多いように思いますが、この芝桜の強烈なボリュームは自然の大きさそのものです。

 丘を降りて、秩父駅周辺の街中には、対照的に渋い色の世界が広がっています。造り酒屋や町家を解放した資料館など木の暖かさが伝わってくる町並みが残っています。

秩父の札所のいくつかも町中に点在しているようで、自然と人間くささの双方が楽しめる町の一つかもしれません。

 武甲山は石灰岩の採掘で山容が変わってしまいましたが、島中がリン鉱石に覆われていて,まさに身を削って生計を立ててきた国もありました。この島に限らず、資源の枯渇が問題になっていますが、ITによる生産性の向上や、効率の向上、さらには通信などにより人間や物の移動を最小限にしてエネルギの無駄を少なくすれば、資源の消滅時期も先に延ばすための解決策の一つとなるのではないでしょうか。