世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ラーメン、建売住宅、ウォンバットや酒蔵、朝ドラの舞台にもなった池田

2006-06-11 14:30:18 | 日本の町並み
 伊丹から北に、県をまたがった大阪府の池田も江戸時代にはお酒の大生産地だったそうです。2年ほど前にはNHKの朝ドラの舞台になったことで全国的に知名度が向上しましたが、それまでは池田というと高校野球で有名になった徳島県の池田町を思い浮かべる人が多かったようです。

 池田市は大阪府の北端に近い一見何の変哲もない近郊都市ですが、街中を歩いてみるとあちこちにユニークなものを発見します。前述の造り酒屋は阪急の駅の北側の旧市街などに2軒が残っていて、酒蔵のある風景が見られます。低温醸造で香りの良い飲みやすいお酒として、お酒好きの方の間では有名な銘柄もあるようです。

 酒蔵のある町並みを通り抜けて、小高い丘に登ると五月山公園でその中にもユニークな動物園があります。小さな動物園で入場も無料なのですが、数多くのウォンバットが飼育されています。オーストラリア以外でこれだけ多くのウォンバットを見れるとは思いませんでした。ウォンバットのほかに同じオーストラリアのワラビーや、小動物と遊べるエリアなど、小さくても存在感のある動物園の一つと感じました。

 一方、駅の南には、新しい住宅の連なる中に、インスタントラーメンの記念館や、日本初の分譲住宅もあり、建売住宅の草分けというのも池田市なのだそうです。建売住宅やインスタントラーメンの発祥の地が池田市ということはほとんど知られていないのではないでしょうか。

 知られていないといえば、歌劇の宝塚と映画の東宝は親戚関係ということもあまり知られていないかもしれません。東宝という名称は、東京宝塚の省略形が会社名になったものなのです。宝塚の生みの親は小林一三翁ですが、五月山近くにある生前の住居が逸翁美術館として公開されています。翁がコレクションをしたお茶にまつわる美術品の展示だけでなく、建物やお庭などを含めてゆっくりしたい場所のひとつです。美術館の近くには池田文庫もあり、こちらにはポスターや雑誌「歌劇」など宝塚関連の資料が数多く集められ閲覧できます。宝塚ファンには感動の場所のひとつとして、大阪から宝塚へ行く電車を途中下車して立ち寄るのもよいかもしれません。

 美術館などで所蔵する美術品は破損したり、経年変化をしたり、場合によっては盗難に遭うこともあるわけで、これらのリスクを防ぐためにもディジタル情報での記録が進んでいます。これらのデータベースの一部はインターネットで見ることも可能になっているようです。家にいて、世界各国の美術品が鑑賞できると楽しいでしょうが彫刻などは3次元処理された画像が必要かもしれません。ネットワークがブロードバンド化され、絵画の部分拡大など詳細な画像もストレスなく鑑賞できる環境は整ってきていますが、コンテンツの準備のほうが大変名のではないでしょうか。