岩波書店が消えてなくなるのは時間の問題である。広辞苑での「台湾」をめぐる表記で、中共の言い分に立って書いているのは、時代遅れの主張に未だにこだわっているからだろう▼創業者の岩波茂雄は東大の哲学科を卒業したこともあり、当初は西田幾多郎や和辻哲郎らの京都学派との付き合いがあった。それほど左傾していたわけではない。昭和2年に岩波文庫を発刊し「心理は万人によって求められることを自ら欲し、芸術は万人によって愛されることを自ら望む」との「読書子に寄す」を掲げるなど、翻訳物を通して啓蒙的な役割を担ってきた▼節目となったのは戦後のことである。月刊誌「世界」が昭和21年に創刊され、当初は岩波の意向を受けた編集方針を維持していたが、彼の死後は岩波文化人と呼ばれた者たちの執筆の場となり、東西冷戦下にあっては、東側のスタンスに立った。このために、それまで執筆陣の中心であった和辻哲郎、安倍能成らのオールドリベラリストは「心」グループを結成し、岩波書店と袂を分かつことになったのである。それでも戦後の一時期は、岩波の本は絶対であり、本屋に置いてもらうのではなく、置いてやっているといった、強気の姿勢が目立った▼今では状況は一変した、時代遅れの執筆陣による難解な本というレッテルが張られ、若者はまったく見向きもしなくなった。ソ連が崩壊し、中共の覇権主義が強まっているなかで、NHKや朝日新聞と同様の道を歩んでいる。広辞苑をめぐって日本国民の世論を無視するような記述をするのは、すでに岩波の時代が終わったことを、認めたくないだけなのである。
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・4:00 シブ5時
「広辞苑」10年ぶり改定でどんな言葉が
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広辞苑の改訂が、6時間くらいの間に4回も報道されている。これでは広辞苑の宣伝ではないか。以前のNHKは商品名を出さないように異常なくらい神経を使っていたのに、今はこんな宣伝をやっている。NHKの報道規範はどうなっているのか。
広辞苑の内容の政治的な部分については、かなりの偏向があるといわれている。例えば、最近、政治ブログランキング49位の『台湾は日本の生命線!』で、広辞苑の台湾の扱いがおかしいと抗議の投稿がされている。
少し古くなるが、以下のような本も出ている。
谷沢永一・渡部昇一『広辞苑の嘘』
水野靖夫『「広辞苑」の罠』
NHKに対抗して、ブログの方でもこれらの本の宣伝をしたらどうだろうか。