草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

アメリカのネオコンの源流はトロッキストだ

2024年06月19日 | 安全保障
 右派勢力のヨーロッパでの台頭や、トランプ人気がアメリカで衰えないのは、ネオコンと結託したグローバリズムが、根本から崩壊しつつあるからではないだろうか。
 謀略論に与するつもりはないが、アメリカのネオコンの世界戦略に多くの国々が嫌気を差してきているからではないだろうか。ネオコンの源流は、トロッキズムだといわれる。ネオコンという言葉自体がリベラルや左翼から保守派に転向したので「新しい保守主義」と呼ばれるようになった。古い保守主義のパレオコンサバティズムとは異なるのである。
 スターリンの一国革命ではなく、世界革命を唱えたのがトロッキーであるが、その流れを汲んだ者たちがネオコンの主流なのである。彼らは表向きは変わったかのように見えるが、その実は変わっていない。世界を自分たちの意のままに動かそうとしているのだ。
 トロッキズムの第4インターナショナルから袂を分ったマックス・シャハトマンの影響を受けた者たちが中心となった。よくいわれるのが「革命の輸出」から「民主主義の輸出」へと戦略を変更しただけなのである。武力を重視する点でも共通性がある。ネオコンを代表する思想家としてはジョン・ボルトンがいる。民主党、共和党の両方に勢力を持っているが、アメリカの分断が進む中でも、無視できない力を保っている。
 ネオコンは現状の変更を主張することでは、中国やロシアと同じように過激な面がある。世界的な連帯よりも、強いアメリカを目指している。保守派は本来それぞれの国家のアイデンティティを尊重すべきとの立場である。それを破壊しようとする「民主主義の輸出」には慎重でなければならないし、武力を用いることも容認することはできないのである。
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