草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

憲法改正を訴えて自刃した三島由紀夫を都合よく解釈する朝日!

2020年08月09日 | 思想家

朝日新聞が「真の主権回復はいつ 三島が憂えた自衛隊の『傭兵化』」という記事を昨日、デジタル版にアップした。何でも都合よく解釈するのが彼らの手口だとしても、あまりにも酷過ぎる。三島由紀夫はアメリカの関係を清算しようとしたのではない。日米同盟の必要性については、誰よりも分かっていた。憲法改正を訴えて森田必勝と共に義挙に決起したのである▼三島は、イギリスの雑誌「クィーン」のために書いた『楯の会のこと』という一文で、そのことを明確に述べている。「私は日本の戦後の偽善にあきあきしていた。私は決して平和主義を偽善だとは言わないが、日本の平和憲法が左右双方からの政治的口実に使われた結果、日本ほど、平和主義が偽善の代名詞になった国はないと信じている。この国でもっとも危険のない、人に尊敬される生き方は、やや左翼で、平和主義者で、暴力否定論者であることであった」と書いたのだった▼憲法で交戦権を否定されていることで、他国に安全保障を頼ることを批判したのであり、その根本にある憲法と刺し違えたのである。三島は言論の自由にこだわった。だからこそ「われわれはあらゆる革命に反対するものではない。暴力的手段たると非暴力的手段たるを問わず、共産主義を行政権と連結せしめようとするあらゆる企図、あらゆる行動に反対する者である」と訴えたのだ。共産主義は言論の自由を認めないからで、その真意を理解せずして、三島を利用する朝日新聞を、まさしく偽善者の典型なのである。

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