日本のリベラルがなぜに駄目なのか。それは簡単である。真面目でないからである。小室直樹が『日本人のための宗教言論』で面白いことを書いている。あくまでも個人的な経験談だが、60年安保騒動のときにアメリカに留学していた小室は、その指導者たちが次々とアメリカにやってきたので、なぜ安保に反対なのかを聞いていたらば、ほとんどの人間が「始めから終いまで反対だ」と答えたという。そして、よくよく聞いてみると安全保障条約そのものを読んだことがなかったのがわかった。つまり騒ぐことが目的であったのだ▼70年安保騒動も一緒であった。小室は「騒げば連帯ができる。連帯ができれば気持ちが楽になる。参加する人間にとってみればカルト教を信ずることとまったく同じことである」と断じたのである。日本のリベラルがカルトと変わらないのは不幸である。シールズとかいう若者たちにしても、勉強をしないから喚きたてることができたのだろう。それを煽りたてているのがマスコミなのである▼まともに議論ができない風土にあっては、いくら正論を述べても意味がない。「戦争法案」と批判して国会を取り囲んだ人たちは、どうして朝鮮総連や中共大使館に抗議のデモをしないのだろう。未だに戦争を仕掛けるのは安倍内閣と思っているのだろうか。中共が平和愛好国だと信じているのだろうか。リベラルこそが全体主義国家を批判すべきだろう。そうすれば安倍首相をこきおろしても、それなりに評価されるのだが。
←応援のクリックをお願いいたします。