昔はよく保守とか革新とかいう言葉が使われたが、今ではあまり用いられなくなった。自民党が現状維持かといえばそうではなく、かえって民進党や共産党が守旧派なのである▼デフレからの脱却に向けて大胆な政策の転換をしたのは、第二次安倍政権が誕生してからである。安保関連法案にしても、中共や北朝鮮の軍事的な脅威に、国家として身構えるための方策であった。民進党や共産党が反対したのは、現状を変更することへのためらいであったからだろう。「変わりたくない」との気持ちを代弁しているのだ。多くの若者が自民党に投票するとみられているのは、果敢に安倍首相が挑戦している姿に共感を覚えるからだろう▼自民党は保守党と呼ばれているが、真の保守とは反動を意味するわけではない。鈴木成高は『保守ということ』において「保守主義は、原理的に改革を阻むという立場ではないどころか、自ら進んで改革を行う。しかし、何故改革を行うのか。その理由は極めて簡単明瞭である。すなわち必要だから、それをやるのである。或は、止むを得ないからそれをやるといってもいい。要するに改革主義という主義により思想によって、これを行うのではないのである。したがって改革は、常に必要なる範囲にとどまる」と書いている▼イデオロギーよりもまず現実なのである。世界の変化に対処するには、民進党や共産党のように「変わりたくない」ではすまなくなっている。それを今の若者は実感しているから自民党なのである。
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