草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

自衛隊を無法者と同一視する千谷官房長官

2010年11月18日 | 思想家

 あいた口がふさがらなかったのは、参議院予算委員会の質疑で、こともあろうに千谷由人官房長官が、「自衛隊を暴力装置」と口走ったことだ。自衛隊関係者は、それこそ無法者の暴力団と同一視されたのと同じであり、頭にくるのはあたりまえだ。もちろん、千谷はかばう意見がないわけではない。マックス・ウエーバーが、それと変わらないことを述べているではないか、と知ったかぶりをする連中もいる。しかし、『職業としての政治』(岩波文庫・脇桂平訳)を読んでみると、「国家とは、ある一定の領域の内部で―この『領域』という点が特徴なのだが―正当な物理的暴力行使の独占を(実効的に)要求する人間共同体である」と書いてある。そして、マックス・ウェ-バーが強調したかったのは「国以外のすべての団体や個人に対しては、国家の側で許容した範囲内でしか、物理的暴力行使の権利が認められないということ」なのである。ここで注意すべきは、あくまでも「正当」という条件が前提となっていることだ。さらに、「物理的暴力行使」に従事するのは、軍隊ばかりでなく、警察も含まれるのである。法に違反した者を処罰するのも、国家の仕事であるからだ。それだけに、「物理的暴力行使」を悪と決め付けたわけではない。千谷長官はそんなレベルの高い議論をしようとしたのではなく、極左特有の短絡思考で、軍隊イコール暴力装置と思い込んでいただけだろう。民主党政権の崩壊は、もはや時間の問題になってきた。

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自衛隊に栄誉の大権を与えるのは天皇陛下だけだ!

2010年11月18日 | 思想家

 民主党が自衛隊のOBから批判されたからといって、北沢俊美防衛大臣が「政治的な発言をする団体に防衛省や自衛隊がかかわる行事への参加を控えてもらうように」と防衛省事務次官名でわざわざ通達まで出させるのは、行き過ぎ以外の何物でもない。隊員以外の、一般民間人の言論まで封じるのは言語道断である。しかし、忘れてならないのは、自衛隊は武装組織であり、時の権力者の思いのままに操られたり、政争に巻き込まれる危険性は常に存在するということだ。明治天皇が下賜された軍人勅諭は5ヶ条からなっているが、その第一条で「軍人は忠節を尽すを本分とすへし」と述べるとともに、「抑(そもそも)国家を保護し国権を維持するは兵力に在れは兵力の消長は是(これ)国運の盛衰なることを弁(わきま)へ世論に惑はす政治に拘(かかは)らす只々一途に己か本分の忠節を守り義は山岳よりも重く死は鴻毛(こうもう)よりも軽しと覚悟せよ」と政治に関与することを戒めている。政治から距離を置く意味でも、三島由紀夫が主張したように、自衛隊に栄誉の大権を与えるのは「文化的な概念としての天皇」しかないのであり、それを明確にしないことこそが問題なのである。

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