やっぱり思った通りである。菅直人政権は、またまた屈辱的な失態をやらかした。胡錦濤国家主席のAPEC出席を実現するために、中共に土下座したといわれているからだ。さもありなんという思いがしてならなかった。表向きの友好ムードを煽るのに、躍起になっているのである。中共船によって巡視船が損傷をうけたのに、それにはまるっきり触れず、東シナ海のガス田についても、話題にしないのだという。昨日、衆議院予算委員会での棚橋泰文議員(自民党)への答弁でも、胡主席と会談がもたれた場合、何を話すかついて、明確なことを口にしなかった。日本政府と中共との間に、密約があると疑われても、それはしかたがないのである。今の菅政権のやっていることは、徹底した秘密主義であり、スターリン主義のような言論弾圧を目論んでいるような気がしてならない。
かつて千谷由人、海江田万里の二人は、いずれもフロントと呼ばれた構改派に属していた。菅も人脈的にはそこに近かった。全国全共闘にも参加していた過激派だが、中核派や革マル派のような反スタの立場ではなく、ソ連を共産主義国家として評価し、その独裁体制を容認していた。だからこそ、ビデオを非公開にするといった、今回のような情報操作を平気で行うのである。そこの理論的指導者であった佐藤昇は、市民社会のなかに足場を築き、総仕上げとして社会主義革命を考えていた。構改論と呼ばれたのはそのためである。吉本隆明は「構改論は、古典的マルクス主義(スターリン主義)の経済決定論の変質した一亜種にしかすぎないのである」(『自立の思想的拠点』)と批判している。段階を追って経済制度に介入することで、結果的に革命が成就するといった立場であるからだ。方法論としては穏健ではあるが、あくまでも経済決定論で、スターリン主義と大差はない。それだけに、千谷が独裁者スターリンを目標にしていたとしても、それは不思議でも何でもないのである。
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