90年余り前に発行され、尋常高等小学校の高等科で実際に使われていた書き方の手本を開いてみると、私の好きな藤田東湖の正気歌(せいきのうた)がありました。
天地正大氣 粹然鐘神州 (てんちせいだいのき すいぜんとしてしんしゅうにあつまる)
藤田東湖は幕末、活躍した水戸藩の尊皇の学者です。その東湖が作った漢詩に正気歌があります。
長い漢詩の始めのところですが、学生時代からこの部分だけはよく口ずさんでいました。天と地の間に正気が満ち溢れる神州すなわち日本、という意味ですが、この言葉を口ずさむだけで、心がすっとして、姿勢も自然に正すという感じになりました。これを手本として筆で書いていると、もっと心が落ち着き、すっとしたのではないでしょうか。
ふと、思い出して、書棚を探すと、ありました。学生時代に古本屋で買った藤田東湖全集の第三巻です。裏に昭和49年9月19日と書いていますので、ちょうど50年前になります。久し振りに開いて、少し読んでしまいました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます